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サトウの真実と開戦

 その日王城から届いた手紙に違和感を覚えた。

 「魔王国建国・・・。サトウ・・・妙だな」

 

 手紙を読み終えたライオネルは直ぐに支度を整えると教会へ向かった。

 「これは領主様。ご無沙汰しております」

 「こんにちは。今日は祈りを捧げようと思いまして寄らせて頂きました」

 「ありがとうございます」

 寄付をするとすぐに祈る。


 「久しぶりだね」

 「お久しぶりです。過去の召喚又は転生者について聞きたいことがあります」

 「ユリア=サトウの事かな?」

 「はい。サトウとは日本人又はその子孫でしょうか?」

 「あの子は子孫だ。数百年前に召喚された1人の勇者がいた。召喚者の名前は佐藤英樹、日本人だった。地球とこの世界は時間軸が違うから召喚者は君が召喚される数年前に召喚されたのだ。そしてその時その大陸には魔王がいた。厄災ガルムデウス。歴代魔王でも5本の指に入る程の強さで瞬く間にいくつもの大陸を落とした。そして勇者召喚から3年、ガルムデウスは討たれた。すると召喚した国の王は自分の地位を奪われまいと勇者の処刑を決める。魔王討伐から数ヶ月、勇者の処刑は恙無く進んだ。首に縄を掛け吊す間際、厄災ガルムデウスの娘、ルカテラが勇者を救った。父が勇者に討たれた時に見ていたルカテラは勇者に心奪われたのだ。そして数年後、勇者と魔王の娘に子息が誕生する。その時にはもうルカテラは魔王となっていた。その当時、勇者と魔王の子の誕生は両種族に対して禁忌とも言えた。それから数十年その子は名実共に最強の魔王となるのだ。父よりも母よりも強くたくましい魔王になった。そしてその魔王の子孫にサトウと名乗る魔族と君の妻の魔王家へと分かれていったのだよ」

 「ラーナとユリアは親戚?」

 「そうだ。歴代最強の魔王の長男には魔王のラーヴァナを、弟には勇者のサトウの苗字を与えたのだよ。そしてサトウはその他に残りラーヴァナは君の国の大陸へ流れ着いたのだ」」

 「そんな事があったのか・・・」

 「そろそろ時間だ。また何かあればいつでも聞きにきなさい」

 「ありがとうございます」

 「因みに、君はもう最強の人物だからね。歴代の魔王や勇者は足元に及ばない。ただ、ユリア=サトウは君に限りなく近い力を持っている。魔王の体質性質を持つ勇者の先祖返りだ」

 「わかりました」


 それから数ヶ月、魔王国周辺の国々又は武力や国力の弱い国々は魔王国を承認又は容認、国交を結び始めたり貿易を始めたのだ。

 マスタング王国を含める大陸は直ぐに認めない事、このまま国家と嘯くなら宣戦布告を辞さないと大陸連合で書状を返した。

 概ね他の国々も認めなかった。

 

 そして魔王国は承認、容認してくれた国々の使節団を集めパーティーを開催した。

 贅を尽くした料理に大陸を蹂躙中に得た奴隷や金品の半分を各国の王へ分け与えた。

 そして、これから得る物も数%づつだが譲渡する事を約束したのである。

 そしてそれを受けた国々は魔王国との不可侵条約と魔王国を中心とした魔国同盟を締結する。

 

 それを受けて魔王国を認めない周辺国も同盟を締結し、数ヶ月後魔王国の同盟国へと進軍する。

 

 すぐに同盟国に兵を派遣する魔王国。

 だが自国の兵力低下を招く訳には行かず各国に千人規模しか送れなかった。

 

 反魔国同盟の規模は80万にも登り魔国同盟国は耐えるのがやっとの状態だった。

 魔王ユリアは他の魔王、魔族の強者を同盟国へ派遣する。

 だが、反魔国同盟はそれを察知し退却した。

 

 その日以降、反魔国同盟はラン&ガンを繰り返し魔国同盟の兵力を削り取っていった。


 開戦から数日、マスタング王国にも開戦の知らせが届き物資、武具を届ける事を決める。

 ライオネルは錬金術でポーションを大量に作り出し物資として大型船に積み込んだ。

 今回の物資は大型船3隻分だ。

 航行中、魔物や海賊に襲われても大丈夫な様にとライオネルは錬金術で大砲を作った。

 火薬ではなく爆の魔法を使える人を大砲要員として派遣し、弾は後ろ詰めにした。

 数発試射するも命中率もよく破壊力は抜群だった。

 これを見た国王が国王船、軍船に付けてくれとライオネルに願うほどだった。


 そして物資を乗せた大型船は風魔法を使い数週間で現地入りする。

 各国を回りながら魔国同盟船隻には大砲を撃ち物資を全て渡し終えた。

 

 各国は物資補給を感謝すると共にマスタング王国はそれだけの量を物資として送れると言う事を印象付けるこに成功した。

 

 因みに物資に使われた食料は、ライオネルが提案した備蓄品である。

 元々捨てる筈の2年から4年目の小麦やその他穀物、乾燥豆、2年目の乾燥肉を備蓄し不作や有事に備えていた。

 今回は4年から3年目の物と乾燥肉半分を物資として送っていた為、大量の物資となった。


 備蓄を提案し始めてから不作がなく有事も魔王軍との戦いでマスタング王国からの持ち出しはなく使うことはなかった為、懐疑的な意見も出始めていた中での物資搬出は存続を可能にし、他領でも始めるきっかけとなった。


 開戦より1年が経過する頃、魔国同盟は戦力を失い敗戦する。

 魔王国は未だ戦力を保ってはいるが一応の決着が付き反魔国同盟は勝利宣言をする。


 ライオネルはこの1年領地改革を進め、領都、町、村、集落は安定していた。

 勝利宣言が届いて数日後、ベティーの懐妊。

 領地ではお祭り騒ぎが数日続いた。

 

 いよいよ僕は父になる。

 

 


 

  

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