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日本食と魔王国国王杯

 領地へと戻ったライオネルは妻達と朝食を取っていた。

 全員と夜を共にし大人の階段を一段登った。

 こうなると誰が跡継ぎを産むか、まぁそれで関係が壊れるような仲ではないか。

 

 「今日は書類も少ないし休みにして出掛けよう」

 「「はい」」

 

 人が増え交易が復旧したウエストマスタング領はかつてない賑わいを見せていた。

 商店が並び市場が賑わっている。

 「好きなものを買ってあげるよ」

 「「「「やったー」」」

 先ずは下見と妻達は一瞬で居なくなった。

 僕は屋敷で働く人達へお土産を買うために露店を見て回ることにした。

 女性には髪飾りを、男性にはネクタイピンを見繕った。

 1時間程回っていると妻達が戻ってきた。

 マリアは靴

 リリーはピアス

 ベティーは熊のぬいぐるみ

 愛子は化粧品

 ラーナは漫画肉

 レイアはブローチ

 それぞれの店で会計を済ませてプレゼントした。

 ラーナはその場でパクッっと食べる。

 

 その後、港町を見て海を眺めた。

 帰りは遠回りして畑仕事をする農家さんに歓迎されたり、採れたての野菜を頂いた。

 そこで見つけてしまった。

 「これって米?」

 「領主様、それは稲という雑草です」

 「よしこれで米が食える。早速準備しよう」

 そういうと芽の出た稲穂を集めていく。


 それから愛子と農家の方々にも手伝って貰って5日間で相当量集まった。

 これを畑を借りて育てる。

 苗程に成長したら水を引き入れて田んぼにしよう。

 その為の工事も発注した。

 

 ここに来てコメが食べられるとは思っていなかった。

 卵かけ御飯が食べたい。

 それにこうなったら味噌や醤油も欲しい。

 枝豆に似た豆があるので成熟さされば大豆に似た豆ができるだろうと考えている。

 これも農家に依頼した。

  米も大豆もしばらく時間がかかる。

 その時の為に加工場を整備することにした。

 

 お出かけも途中から米になってしまった。

 本当に申し訳ない。

 

 それから数日後、苗となったと報告を貰いすぐに愛子と畑へ急いだ。

 付いて皆で畦を作り近くの川から水を引いた。

 排水は近くを通る生活排水へ流した。

 これで数ヶ月で米が食えるだろう。

 愛子はここ数日白米を食べる夢ばかり見ていたそうだ。

 「雷太くん、やっとご飯が食べられるね」

 「うん、早く育って欲しいね」

 「楽しみ」

 

 2 人はまだ知らない。

 この世界の植物は成長が早いということを。

 

 一月後。

 「ライオネル公爵殿下。農民がライオネル殿下にと伝言をあわずかり致しました」

 「農民?なにかあったかな?」

 「そろそろ刈り時とお伝えくださいとのことです」

 「え?愛子を米の事といって大至急呼んできてくれ」

 「はっ」


 愛子と急いで田んぼに向かう。

 「え?」

 「どういう事?」

 稲穂を付け首を垂れた稲はもう収穫出来る状態であった。

 皆で収穫、して乾燥させる。

 大豆も収穫ご乾燥させた。

 

 加工場も急ピッチで建設。

 魔石を動力とした籾摺り機と精米機を作った。

 醤油、味噌も製法を伝え着手。

 

 数日後、米の試食会を開催した。

 評価は上々。

 畑を田んぼへ変更する農家も現れた。

 基本的に一年中暖かい気候の地に一ヶ月で実る米はあっという間に広まっていった。

 大豆も元々枝豆として人気だっただけに大豆として増やしてくれる農家がたくさんいた。

 ただし枝豆自体は実まで三ヶ月かかりそこから大豆にするまでに一ヶ月を要す。

 何4回収穫出来る枝豆を何3回の大豆にするのは躊躇するようだ。


 植物が地球より早く育つのはマナの影響なのかもしれない。

 

 米と味噌、醤油はこれから先ウエストマスタングの名物となるだろう。

 

 その日から朝食にご飯が出た。

 懐かしいお米の味、まだ小粒で甘味が少ない。

 エリアを区切って試食をした。

 大粒で甘味のある米を選別して苗にする。

 品種改良もいずれ行いたい。


 後は早く味噌と醤油が欲しい。

 卵かけ御飯と味噌汁が食べたい。

 

 愛子は糠と塩水で糠味噌を作り始め意外に家庭的な一面を見せた。

 しばらくすれば糠漬けが食べられる。

 糠味噌の独特の匂いにこっちの世界の人間は悶絶して、専用部屋を用意してた。

  これで納豆なんて作ったら愛子と2 人で専用部屋で食事だな。

  愛子は日本食だけではなく和洋中こなすので専用コックも驚いていた。

 

 最近は書類も少なくなりゆったり過ごす。

 この平穏がいつまでも続くといいな。



 フラグを回収するかの様にとある大陸で魔王達は会議を開いていた。

 「この大陸はデカくていいな。ここで新魔族王国を興すのか?」

 「そうですね。ここが適当でしょう。周りの大陸も根絶やしにしてやりましたから」

 「それは愉快ですわ。で?誰が王になるのかしら?」

 「そりゃ勿論俺だろうよ」

 「ご冗談が上手いこと。貴方の器じゃ無理ね」

 「なんだと」

 「強いものが弱いものを食う、それが俺達の性ってもんだろ」

 「そうですわね。殺し甲斐がありますわ」

 「殺ってやる」

 「死ぬのはお前達だ」

 8人の魔王による魔族王国の国王決定戦の開催が決まった。

 ルールはなんでもアリのトーナメント戦だ。

 期日、5日後。

 第一試合ゴーガイフvsアルティア、第二試合ユーゴフvsノズマイアー 第三試合ザンギvsムロルフ 第四試合アビvsユリア=サトウ

 

 5日後。

 各魔王の配下達が応援に駆けつけ会場は熱気に包まれた。

 第一試合ゴーガイフvsアルティアのゴングが鳴り響いた。

 ゴーガイフは闇魔道士、アルティアは剣士兼魔弓使いである。

 両者同時に仕掛けた。

 ゴーガイフは得意の爆裂魔法をそれを見越してアルティアは魔弓に大量の水魔法を付与して放った。

 ゴーガイフは防御を捨て魔法攻撃だけに集中した。

 アルティアは防御の一手だった。

 ただ防御をしながらタイミングを図っていたのだ。

 ゴーガイフは防戦一方のアルティアに業を煮やし上級魔法を放つ為に一拍の隙を作ってしまったのだ。

 「なにっ!?」

 千載一遇のチャンスにアルティアは一閃、ゴーガイフの首には冷たい金属が押し当てられた。

 「負けた」

 「ありがとうございます」

 

 


 

 

 

ご覧頂きありがとうございます。

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