帰還と出会い
誤字脱字お手柔らかお願い致します。
感想よろしくお願いします。
死んで異世界へ転生したライオネルだったが、また死にかけていた。
先ず剣術指南役の軍神マルスにしごかれた。
実際数十年間の剣術修行は過酷で何度も心が折れ掛けた。
ようやく終わったと思ったら次は魔術神トートによる魔法の修行が始まった。
初対面の人間にとりあえず死ぬか?と言っちゃう神である。
「とりあえず5年間マナを吸収し続けろ。吐いたらやり直し」
そんな言葉で始まった修行だが・・・
「そんなに吸収できるのですか?」
そんな疑問にトートは。
「そうだな。先ずは考えを改めよ。HPとはマナを吸収できる容量と思え。吸って吸って目一杯吸ったらそれを魔法に使うのだ。そして魔法に使う事とは吐く事と同じだ。いちいち戦闘中に吸って吐いてなんてやってたら死ぬぞ」
「わかりました」
「そうだなお前の世界では1属性1魔法だろう?お前はそれをイメージや詠唱で変化や強弱すると色々と調べているようだが・・・それでは満点はやれない。正解はイメージや詠唱、それにマナを吐く強さや変化で強弱や変化が起きるだ。分かったか?」
「はい」
「マナをため込んで使い続ける事で適切なHP減少が起こる。そうすればより魔法を放てるし回復も減った分吸えば良いので簡単になる」
発想が全く違う。
なぜ僕たちの世界はこうも違うのか?
トートが言うことが本当なら魔法使いが増えるし戦いももっと楽になるはずだ。
「わかりましたやってみます」
「よし5年間だぞ。でなければ今のお前のHPでは一杯にならないからな」
「5年・・・頑張ります」
こうしてただただマナをため込んでいく生活に5年もの歳月を費やした。
「久しぶりだな」
「お久しぶりです」
「なら次だ、次は火の魔法をイメージ、詠唱なしで放て。それを3回マナを吐く強弱をつけてやってくれるか?」
「わかりました」
1回目
全くマナを吐かずに。
ただの火がぽっと出た。
2回目
勢いよく吐くとボォッと火柱が上がった。
3回目
全力で吐くと・・・。
辺り一帯が火の海になってしまった・・・。
「わかったか?ここまで違うのだ」
「わかりました。これは凄い変化ですね」
「全ての属性でそれを踏まえて放ってみろ。マナを吐いていれば吐く量も増えていく。まだまだ魔法は強くなるだろう」
「わかりました」
「後は練習あるのみだ。お前たち異世界の者達は創造魔法も使える筈だ。それを踏まえてもういいと思うまでここで練習していくといい。終わったら呼んでくれ。それでここの試練はおわりだよ」
「わかりましたやってみます」
それから数年間、魔法使いマナの吸収してまた魔法を使いを繰り返し行った。
今いる空間は何をやっても壊れないし死なないとのことだったので隕石を落としたり、極大魔法造ったり使って1人盛り上がった。
そんな事をしているとトートが現れた。
「お前はいつまで遊んでいるのだ?」
「練習しろと言われましたし終わったら呼ぶつもりでした」
「何年やれば気が済むのだ?」
「何年と言われましてもここを出ても半年しか経っていないので目一杯練習しようと思いまして」
「よくもまぁ寝ずに数年も魔法を放てるもんだ」
「楽しくて」
「はぁ魔法バカめ」
「では最後にこれを見てください」
そう言うとライオネルは魔法でライトをいくつも出した。
その他に錬金術を使い色々な鉱物、無機物有機物に限らず色々か物質を用意した。
「ブラックホール」
そう言うと黒い玉が浮かび上がって視界が歪み全てを飲み込んだ。
「ブラックホール・・・。こんなものを作ってしまうとは・・・これは最悪の世界級魔法だ。現実世界で使用すれば全てを飲み込んで君以外死滅するぞ」
「やはりそうですか。なんとなくそう思っていました。見てもらってよかったです」
「兎に角使用を禁止する」
「わかりました」
「では出よう」
部屋を出ると軍神マルス、創造神デミウルゴスが待っていた。
「ライオネルよお帰り」
「ただいま帰りました。神様、僕の身体はもう大丈夫でしょうか?」
「うん大丈夫だ」
「タイミングもバッチリ。帰りたまえ。トートからも加護があったぞ。いづれ確認しなさい」
「お世話になりました。マルス様、トート様ありがとうございます」
そう言うと目を閉じた。
次に目を開けるとそこには婚約者が勢揃いして皆祈るように手を合わせいた。
「おはよう」
「えっ」
「ライオ様ーーーー!」
皆、驚いて涙を流して喜んだ。
僕は数十年以上ぶりだった。
懐かしささえ感じるほど長い時間会えなかった愛しい婚約者達にようやく会えたのだ。
嬉しかった。
動けるようになるまで少し時間が必要だったがそれ以上の不自由はなかった。
数週間のリハビリののち学校へ登校する。
テストを受けられなかったのでまずはテストから。
即採点して変わらず首席としてSクラスへ戻った。
研究ではトートに習った事を皆と共有した。
吸い続ける事に慣れていない為か最初は戸惑っていたが徐々に慣れて強弱など変化にも対応しているようだった。
帰ると今日からまたパーティなどにも参加する事になった。
ただしこれからずっと毒味と護衛付くことになってしまった。
一国の王子、今までいなかったのが不思議なのだ。
どうやら時期国王に誰がなるかもう派閥が出来ていて、魔王襲来等で目立ちすぎたようだ。
兄の派閥が焦って毒を混入させたらしい。
神の加護がなければ即死だっただろうと神様に言われた。
今日は僕の擁護派なので安心して参加しているのに護衛達が邪魔なのだ。
帰り道、デイル商会の前を通るとビアンキさんに呼び止められた。
「ライオネル殿下お久しぶりでございます」
「ビアンキさんお久しぶり。どうしました?」
「失礼を承知でお願いします。殿下は上位ヒールをお持ちですか?」
「はい待っていますよ」
「申し訳ありません。うちの奴隷を治して頂けませんか?原因不明でポーションも効かず、まだ幼い子なのですが苦しんでおります」
「貴様、殿下に失礼だそ」
「護衛の皆黙ってください。わかりました。見てみましょう」
そう言ってビアンキに付いて行った。
ビアンキが扉を開けるとげっそりと痩せこけた女の子が倒れていた。
痙攣もしていて危険なのは目に見える。
すぐさまエクストラヒールを施したが一向に回復しなかった。
「毒か?」
毒を治す魔法を欲する。
「エクストラキュアポイズン」
サァーっと顔色が戻った。
「エクストラヒール」
これで一安心。
「毒に心が当たりは?」
「ありません」
「そうですか」
すると窓の隣から金属を削る音が聞こえる。
「もしかしたら重金属中毒かも知れませんね」
「それは?」
「粉末状の金属などが肺に入ったり食事に混入して食すことで長い時間をかけて起こる中毒症です」
「この部屋は使わない方がいいでしょう。この子は僕が連れて帰り、治療に専念しましょう。完治に時間が掛かりそうです」
「わかりました。出来れば治ってから殿下の元で働かせて頂けませんか?幼いですが器量も良く仕事も覚えがいいです。人気もあり入ってすぐに買い手で溢れた程です。ようやく売りに出そうと考えていた時に体調を崩したものですから。治療費として是非」
「いいのですか?」
「どうかよろしくお願いします」
「わかりました。城で勤めてもらいましょう」
「よろしくお願い致します。名前はミーケと言います」
「わかりました」
城へ着くとベッテルを呼びミーケを部屋へ運んだ。
そして夜は家族と婚約者に囲まれて食事を取る。
生き返るとは違うけど神界から戻ってきて1番幸せな時間だ。
ミーケの話もしないと。
「父上、今日デイル商会のビアンキさんに頼まれて1人の奴隷を治療の為城へ運びました。しばらく治療が必要です。ビアンキさんには治療費としてここで働かせて欲しいと頼まれました。その子次第ですが僕付きとしたいと思います」
「そうか、わかった。治療はしっかりとしてちゃんと治してあげなさい」
「ありがとうございます」
それから数日、毎日治療をしているとようやく目を覚ました。
「こ、ここはどこ?」
「こんにちは。ここはマスタング城ですよ」
目をパチクリしてびっくりしているようだった。
「僕はライオネルです。君は?」
「私はミーケと言います。あの私は何故お城にいるのですか?」
「君は長い時間をかけて毒に侵されてしまったのです。ビアンキさんも心配していましたよ」
「お救い下さってありがとうございます。私はこれからどうなるのですか?」
「体調はもう大丈夫でしょうが先ずは体力をつけてそれからここで働いてもらいます。僕は成人に向けてそろそろ僕付きの従者を選ぶ時期になるから君には僕付きになってもらいます。いずれ王都を離れる事になるけど大丈夫かな?」
「いいのでしょうか?私のような奴隷が王子殿下付きなんて勿体ないお言葉です」
「ビアンキさんも了承済みだよ」
「わかりました。よろしくでは不束者ですがどうかよろしくお願い申し上げます」
さすがデイル商会、貴族御用達の優良店だけあって言葉使いや教養もしっかり教育されているようだ。
「兎に角、よく食べ、よく運動してよく寝ましょう」
「はい」
体調はまだ完全とは言えないけど、ビアンキさんの言う通り可愛い女の子だ。
聞くと僕より2つ年下で前世の僕と似たような状況で産まれてすぐ母親が亡くなり成長するに順って父親に暴力を振るわれる日々だったそうだ。
挙句の果てに酒代欲しさに父にデイル商会へ売られてしまったそうだ。
余りに僕と重なって泣いてしまった。
「もう大丈夫だよ。僕は君を殴ったりしないし捨てたりしないからね」
そう言って抱きしめた。
気丈に振る舞っていたミーケも声を上げて泣きじゃくった。
「君はもう安全だ。僕が保証する」
「ありがとうございます。誠心誠意ライオネル殿下にお尽くし致します」
「ありがとう。今度、僕の婚約者を商会しよう。僕と同じように彼女達にも尽くして欲しい」
「はい」
それから数週間、ミーケは周りが驚くほどリハビリを頑張った。
メイドとしての仕事も覚えがいいと執事長のベッテルも喜んでいた。
リハビリ中に婚約者とも打ち解けたようで、初めての給金日には皆に連れられて買い物に出たり、楽しくやっているようで安心した。
そして僕も数年で成人する。
学校を卒業すれば領地経営が始まる。
経営学は学校で勉強したり父やたまに帰ってくる兄に聞いて勉強している。
当初西の大陸とされていた領地候補も帝国跡地を大陸全国家共用領地とする案もありその場合、僕が領主となることで一致しているそうだ。
どちらにしても国から離れる事になるので不安が残る。
そんな中、今回の毒殺未遂に関して第2王子ランスロッドが父の命によって捕縛され取り調べを受けることとなった。
これに関係してランスロッド派の公爵を含めた貴族も国家転覆罪により捕縛、即日極刑に処された。
その後ランスロッドは解放されたが事実上、時期国王争いから脱落した格好となった。
「父上、今回の件どういうことでしょうか?1人の貴族の暴走がこんな顛末になるなんて・・・」
「ライオネルよ、儂が許しても国民が許さないのだ。英雄であるライオネルが害された。該当者だけの首では国民の非難が収まらなかった、ああする事がランスロッドを守る唯一の事だった。申し訳ない」
こうして毒殺未遂は最悪の形で終わったのだ。
僕はランスロッド兄様になんて声を掛けたらいいのだろう・・・。
1人の貴族の暴走がランスロッドに影を落とした。
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