婚約者と毒殺未遂
誤字脱字お手柔らかにお願いします。
「亜神とはなんだ?洗礼式で神様が言った亜種の神とは違うのか?長命で死んだら他の世界の神って・・・皆んなになんて伝えればいいのだろう。嫌われたらしないだろうか」
そんな帰り道、雨がポツリポツリと落ちてきた。
馬車に打ち付ける雨の音が迷う心を吹き飛ばす。
ちゃんと話さないと。
今までもこれからも今の両親は全てを受け止めてくれる。
早く会いたい。
愛子とラーナにも話そう。
ラーナはまだ結婚したいと思ってくれているかな?
愛子は僕を好きになってくれるかな?
皆んな一緒なら神にでも悪魔にでもなってやる。
ちゃんと話そう。
家族、婚約者、ラーナと愛子が揃う食卓で話を始めた。
「父上、教会へ行ってきました。そこで亜神になった事を告げられました」
「あ、亜神?それはどう言う事だ?」 「どうやら僕は長命で死した後、僕とその妻は神、女神となり新たな星の創造主となるそうです・・・」
「なに?それは本当か?」
「はい。偽りなく神に言われた言葉です」
「そうか・・・。少しびっくりしたが息子が神になるなんて考えたらすごい事だな」
「ええ、ライオちゃん素晴らしいことよ」
「ありがとうございます」
「ライオネル様凄いです。私達も女神になるなんて」
「婚約者の4人は家族に相談して欲しい。そんな突拍子もない事言われても信じらないだろうが」
「わかりました。ちゃんと伝えておきます」
「お願いするよ」
「ラーナ。待たせたが前向きに考えている。ラーナ自身はどうかな?」
「そうだな。私はライオネルと結婚したいぞ」
「ありがとう。父上、ラーナは今日から婚約者です。よろしくお願い致します。」
「愛子はどうだい?僕ではダメかな?」
「もう少し考えさせて。貴方な事は・・・す・・・好きよ好きだけど急に神だなんて・・・」
「僕は前向きに考えているよ。だからもう少し考えて欲しい」
「そして父上、レイア嬢との婚約前向きに進めて下さい。よろしくお願い致します」
こうして僕の婚約者は4人になった。愛子とレイアの返事次第で6人の婚約者となる。16歳を迎えれば国を挙げての結婚式が待つ。
憂鬱だ。
数日後、レイアから快諾の知らせが届いた。
次の日には2人で会って喜んだ。
レイアは今日から花嫁修行に参加するそうだ。
また賑やかになりそうだ。
その日の夜、愛子の部屋のドアをノックした。
「はい」
「僕、雷太です」
「どうぞ」
ドアを開けてそう言いながらニコッと笑う愛子に見惚れてしまう。
「あ、はい」
そう言うと部屋に入って話をした。
本当に他愛もない話を少しするとお互い沈黙してしまった。
その隙を突いて、婚約者皆んなに渡した婚約指輪を箱から出す。
「僕と結婚して欲しい。ずっと守り続けるから僕と結婚して下さい」
すると愛子は黙ったまま左手を僕に差し出した。
僕はその薬指に指輪を嵌めた。
「ありがとう」
そう言う愛子を抱きしめた。
「こちらこそありがとう。これからずっとよろしくね」
そう言って口付けを交わした。
次の日もその次の日もパーティーに呼ばれて参加した。
魔王討伐後、主賓として呼ばれることが多くなり上級貴族からの誘いには極力参加した。
けど毎回のように女性達に囲まれる。
正直、見惚れるほど美しい人もいたけどもうこれ以上婚約者を増やさないと皆に約束したし僕もこれ以上の人はいないと思うので囲まれると少し鬱陶しくも感じる。
そんないつものようにパーティーに呼ばれたある日。
乾杯の為グラスを手に取り飲み干すと喉に痛みが走った。
激痛だった。
毒だ。
誰が?
大丈夫。
大丈夫だこんなことで死ぬ身体ではないはず・・・
「ライオネルよ起きなさい」
目を覚ますとそこは神様の部屋だった。
なにがあったかと思い出す。
「神様・・・もしかして僕死んでしまいましたか?」
「そうだな、ギリギリ生きている。ただし心の臓は辛うじて動いている程度。それ以外はダメだ。こっちでもなんとかしてみよう。だから半年くれ。半年間君は修行でもしてみるかい?」
「修行ですか?」
「体力と体術、それが終われば剣術も全てだ。ここではいくら時間を掛けても半年なら半年なのだ。20年でも30年でも習得に時間を掛けてくれても構わないよ」
「は、はい」
「では軍神マルスを紹介しよう。マルスよマルスー」
「デミウルゴス呼んだか?」
とてつもなくイカつい鎧の大男が現れた。
「マルス、前にお前さんが加護を与えたライオネルだ。覚えているか?」
「おう憶えているぞ。規模は小さかったが人間の癖に大陸級魔法を放った奴だな?」
「そうだ。今日からライオネルを鍛えてくれるかな?期間は自由。剣術、体術を叩き込んでくれ」
「わかった」
「あのすみません。神様、大陸級とは?」
「そうだな魔法の等級だ。簡単に説明すると人々が使う簡単な魔法を戦闘級、敵数体に大ダメージを与える魔法を小隊級、敵数十体に大ダメージを与える魔法を大隊級、敵数百体を殺す魔法を作戦級、敵数千体を殺す魔法を魔法を戦争級、国を脅かす魔法を国級、大陸を脅かす魔法を大陸級、世界を壊滅又は理りを変化させてしまう魔法を世界級となる。ライオネルの魔法はイメージによって大陸を脅かす魔法になるので大陸級なのだ」
「わかりました」
「ではライオネル行くぞこっちだ」
扉を開いて手招きする軍神マルスに従って中へ入るとそこは真っ暗な空間だった。
「ここは?」
「ライオネルはここで私の剣を受けてもらう。なにいくら切られてもここでは死なぬ。存分に死ね」
死なないのに死ね?この人何言ってるのかわからない。
「先ずはそこに立て扉が閉まったら斬りかかるぞ。ライオネル、君は気配を感じろ。そうすれば避けられる」
バタンと扉が閉まると部屋は真っ暗になった。
その瞬間、背中から斬られた。
ライオネルは自分が真っ二つになった感覚に思わず膝を付いた。
「えっ・・・」
恐怖で震え両手で斬られた体が別れるのを防ぐ・・・
「確かに斬られた・・・だけど切れていない」
それからもマルスがライオネルを斬るたびに恐怖で体が震えた。
それから幾千幾万と斬られ続けてらうちに恐怖が薄れた。
恐怖心がなくなると徐々に次に斬られる場所が分かってくる。
だがまだ気配を感じたりするのでなく直感的な感覚だった。
それ以降も斬られ続けもう時間の感覚もない。
眠くならず腹も減らず喉も乾かなぬ只時間だけが過ぎる中で斬られ続けると半分程の確率で斬られる場所から動きまで追えるになる。
そうなるとマルスは始まってからようやく声を掛けた。
「ライオネル少しずつ見えてきたな?今、見えていないのに見えているのは気配だ。目が見えていても見えていなくても気配だけは見逃すな」
「はい」
それからまた何ヶ月、何年もの歳月を掛けてようやく剣を避けてマルスに殴りかかった。
「よくやったライオネル。では次だ、剣を持ち私に勝ってみろ」
休みも入れず次の課題を淡々と始めるマルスに先制とばかりに剣を振り下ろす。
しかしマルスの気配は背中にあり後ろから斬りつけられた。
剣を持って攻撃する瞬間に辺りから気配が消える。
気配に集中しないと気配を追えない・・・。
悪循環だった。
気配に集中しながらだと剣を振り上げる事もままならない。
こうして数年程の時間が掛かる事になる。
ようやくマルスの剣を弾いたのは3年を経過していた。
「ライオネルよどんな剣術も極めるには時間が掛かる。寝ずに3年を過ぎてようやくだな。後は我を斬るだけだ」
やっとマルスを斬る日が来たのだ。
そんな事を考えても気配に集中出来ていた。
マルスを斬った。
「よくやったライオネル。これで気配に付いては合格としよう」
「ありがとうございます」
すると辺りが明るくなった。
ライオネルは目を細めた。
「ライオネル、次は我と本気の試合だ。我に勝てるまでここから出すことはないぞ」
「わ、わかりました」
「では始めるとするか、ライオネル君に先手をやろう」
「わかりました」
集中してどこまでも追うつもりで放った一太刀目、マルスを追えなかった。
「マルスさん、貴方は今まで本気ではなかったのですね」
「我、軍神マルス人間如きが神に勝てるとでも思っているのか?」
一方的に嬲られるライオネル。
何年経ったかもわからない・・・一太刀ですら返せると思えない。
そんな絶望の中でやっとマルスの剣を防いだのはそれから数年後だった。
「ほうまだまだ掛かると思っていたぞ。だが防ぐのに精一杯か?」
もう声も出ない。
兎に角防ぐことに集中する。
今はまだそれしかできない。
人知を超えた神速の剣を防ぐのはライオネルも同じ速さそれ以上の反応速度が必要である。
一度防いでから早かった。
数日で半分を塞ぎ1月程で全てを防ぎ切った。
全てを防いでから反撃するのには時間が掛かった。
神速の剣を同じ速さで防御する。
反撃には軍神マルスの神速を超えないと反撃出来ない。
尋常ならざる攻防、どれだけの時間が経ったのだろう。
その日ついにライオネルの剣はマルスを貫いた。
「ワハハハ!神速を超えてカウンターとはよくやった。亜神となったことで鍛錬を積めば人知は変えられる。鍛錬は怠るな」
「ありがとうございます。これで帰れますか?」
「次は魔術神トートがお相手仕ろう」
「久しぶりだなトートよ。ではライオネルを頼む」
「ライオネル初めまして、魔法や魔術の神トートです。君には魔法の強化を目的として指導していくのでよろしく頼むよ」
「よろしくお願いします」
「そうだな、まずは死ぬか?」
「え?」
「とりあえず5年間マナを吸収し続けて。吐いたらやり直し」
「そんな事出来るのですか?」
「物は試しですよ。何年掛かっても大丈夫なんですから、やって下さい」
「わかりました」
こうして始まった魔法の強化は壮絶な痛みと苦しみを味わう事になる。
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