新たな魔王襲来と総大将
誤字脱字お手柔らかにお願いします。
「さて、この大陸は蹂躙し終わったな。次だ、次の大陸を蹂躙しろ」
「魔王陛下の仰せのままに」
そんな会話の数日後・・・
「急報、急報です。東の大陸に新たな魔王軍が襲来、このままいくと一月程で東のゴアルゴ帝国へ襲来する予定です」
「ゴアルゴ帝国か・・・国交を断絶している為援軍も出せぬ。どうしたものか」
一方
「蹂躙しろ、全てを奪え。全てを壊せ。全てを殺せ」
圧倒的な数の暴力で人という人を街という街を国という国を蹂躙しつくす新たな魔王軍。
強大な力に押し潰されるように綺麗な街並みは一瞬で更地と化す。
マスタング王国の読みは外れた、魔王襲来から半月で東の大陸は死に絶えた。
「次だ、壊せ、壊し尽くせ」
「陛下の御心のままに」
次はゴアルゴ帝国だった。
「急報、急報。陛下、東の大陸が滅び魔王軍がゴアルゴ帝国に到達したとの報告がありました」
「来てしまったか。ライオネルを隊長とした精鋭部隊は亜人獣人国家アールへと向かった。あちらに着いている頃だろう」
アール王国
「陛下、お初にお目に掛かります。マスタング王国第3王子ライオネル=フォン=マスタングと申します。以後お見知り置きを」
「こちらこそ初めまして。リリーラの父スロフス=アウラと申します。以後お見知り置きを。殿下、あの子はちゃんとやっていますか?迷惑を掛けていないでしょうか?」
「リリーは今は母に付いて花嫁修行中だそうです」
「そうですか。幸せにしてやって下さい」
「はい」
「それでは本題です。今現在ゴアルゴ帝国が魔王軍と交戦中。早ければ数日でアールに襲来予定です」
「も、もう大陸に侵入しているのですか?早い」
「情報に違いがなければ相当数の敵が襲来しています。間違いなく帝国は滅びるでしょう」
「では、急ぎ軍の編成、担当を決めて作戦会議を致しましょう」
「うむ、総大将はライオネル殿下にお願い致します。これはマスタングとアール両国王からの任命となる。まだ若いがこれまでの功績に両軍の元帥からも推薦があった。拒否権はない」
「ぼ、僕が・・・そ、総大将ですか?」
「各元帥が両軍大将になり君を補佐するので心配無用だ。後数年で成人だ、これから先を見据えて君には慣れてもらわないとな。今回両国王不在の中君に頼るしかないのだ。王族の責務を果たしてくれ」
ライオネルの勇者という称号の為この戦に参加せざるを得ない事は皆わかっている。
であれば総大将として最終局面まで後ろに控えられるようにとの親心だった。
「わかりました」
アールから3万、マスタングから2万、教国から救助班として1000、その他友好国合わせて約4000の約55000がゴアルゴ帝国に面する場所に陣を取った。
アール、マスタング両軍が先陣友好国軍をその後方、医療班は3人1組となり均等に最後方に配置した。
第一回軍事会議
「この度総大将に任命されたライオネル=フォン=マスタングです。初めての事で迷惑を掛かる事もあるがよろしくお願いします」
「ラーナ王国元帥ザラコクだよろしく。総大将の補佐も務める」
「マスタング王国元帥カインズ=フォン=ルメルバーグだよろしく頼む。同じく総大将の補佐も兼任している」
一通りの挨拶をして始まった。
「先ずは先陣だ。どのタイミングで出陣するかだ」
「魔王軍が来た時にはゴアルゴ帝国は消滅している、なので国境などを気にする必要もない。休みを与えないように見えたら進軍する」
「総大将の意見に賛成だな」
「賛成致します」
「先ずはアールとマスタング両軍の剣士から出陣してもらう。法撃は前衛に気をつける事、友好国の者達は今回参戦しなくて良い。疲弊し切ったところを叩く時に先陣を切ってもらう」
「兵糧は気にするな、アールが全面的にバックアップするし同じくマスタングにも定期的に運んでもらう手筈だ」
「相手の数は多いが出来る限り同数以上で戦え、兵は少ないが各国の停戦協定が結ばれれば増員がある、消耗戦になればこちらにも勝機が見えて来る」
「教国からの医療班は無茶をしないよう努めてください」
僕が捲し立てるように作戦内容を話すと大の大人達は少しづつ熱を帯びた。
各隊長が持ち場に戻り作戦内容を伝える。
「元帥殿、これでよかったでしょうか?」
「総大将がそんな事言ってはいけませんよ。それに私達が考えていた作戦とほぼ同じかそれ以上です。文句のつけようがない」
全員が持ち場へ付いた。
後は魔族軍を待ち受けるのみ。
ゴゴゴゴゴッ・・・
「総員戦闘態勢!前衛剣士隊から出陣!」
「うぉーーー」
1つの国を飲み込み壊した魔族、一方的だったとは言え休息もなく動ける筈もなく初戦に大打撃を食らう。
ライオネルは大声で指揮を執る。
「砲撃隊前へ」
「うぉーー」
「僕も前線砲撃部隊を鼓舞してきますね」
「殿下何を?総大将が持ち場を離れるとは・・・」
「ワハハ・・・彼もマスタング一族だ止められまい」
「陛下そっくりで困ります」
そうマスタング王家は後ろでどっしりと待ってられない性分で前線で兵と同じく汗水流し血をヘドを吐き闘うのだ。
総大将、それも一国の主人がそんな事をすれば兵は自ずと高揚し何がなんでも総大将の首を取られまいと力を発揮する。
これが負けを知らぬマスタング一族の性分なのだ。
ライオネルも総大将にされた親心もわかっていた、わかっていたがマスタングの血が前線へと足を向けたのだ。
「皆さん頑張りましょう」
「殿下も同じく我々と戦ってくれるぞー」
「勝ちましょう皆で勝ちをもぎ取りましょう」
「うぉーー!」
砲撃部隊から兵を鼓舞したライオネルはそのまま最前線へ突撃する。
「大規模な地魔法を使う。前に出るな」
「阿鼻地獄」
そう詠唱すると大地が割れマグマが噴き出す。
割れた大地に飲み込まれる魔族、吐き出したマグマに焼かれる魔族。
味方ですら戸惑う光景だった。
しばらくすると割れた大地が元に戻る。
魔族の前線が半数も減る事態に慌てて逃げる魔族もいた。
「このまま進め」
「うぉーー」
ライオネルも刀を抜き1人また1人と斬り伏せる。
何時間経っただろう、魔族が引いていく。
こうして第1日目が終わった。
帰り際、味方の死者を丁寧に時空間に収めた。
こちらの死者数は約200人、魔族は一陣の前衛をほぼ失った。
初日は快勝。
だがまだまだ序盤である。
虚空に詰め込んだ簡易風呂をいくつも取り出し湯船に魔法で湯を張る。
簡易ではあるが兵士全員が入れるよう相当数持ち込んだ風呂に皆歓喜したようだ。
本陣にも設置し隊長クラスもこちらで入浴を楽しんでもらった。
夜はベッドや家具を揃えた虚空で休む。
ベッドに入り今回の初戦を振り返っていたらこの世界には騎馬隊がいない事に気づいた。
馬はいるし今回も、ここまで馬でやってきた。
なのに皆馬から降りて剣や魔法で戦う・・・そうか槍も無いのか・・・。
弓は魔法が代用しているものとして騎馬隊を作って槍を持たせたら・・・。
そんな事を考えながら眠りについた。
2日目
「おはよう」
「殿下、おはよう御座います」
「皆さん集まったかな?」
「はい」
「それでは軍事会議を始める」
「今日も変わらず両軍剣士隊から出陣、後を法撃隊、教国隊と進む。友好国隊は本陣守備として残ってもらう」
「はっ」
「まだ大きく動く時ではないな。殿下に賛成する」
「同じく賛成だ」
「ではよろしく頼む」
「殿下、一つ忠告致します。今日の前線への参加はおやめください。昨日の事で今日は殿下の首を狩る部隊が必ず出ます」
「わかった」
こうして5日目まで本陣から出ず見守るだけの日々が続いた。
5日目終了までに死者数約1万に及んだ。
魔族軍は魔人半数の5万が死に魔人5万と魔獣、魔物が合わせて5万合わせて未だ10万の兵がいるのである。
そしてこの状況を打破する知らせは6日目の朝届けられる。
「急報、急報」
「話せ」
「はっマスタング、アール両国王からの伝令です。今回の停戦協定合意されました。なお、全国から友軍が参戦する予定とのことです。友軍総数5万が明日以降順次到着予定です。以上です」
「わかった。ありがとう」
そうかやっと増援か。
これでなんとかなる。
6日目の朝
「皆おはよう」
「殿下、おはよう御座います」
「今日から援軍が順次到着する。到着した兵は休ませること。明日以降投入する」
「今日まで頑張ったアール、マスタング両軍も今日は前線から外れて休むように。今日はようやく友好国軍の出番となる」
「はっ」
「相手は消耗しているから一気に行って前線を撃破してくれ」
「わかりました」
そうしてようやく出番が回ってきた友好国軍は今か今かと会戦を待つ。
「今日だ、今日凌げば勝機あり!出陣」
「うぉーーー」
勢いのある友好国軍団が疲れの見える魔王軍を圧倒。
魔王軍の前線は壊滅的な被害を受けた。
しかし数で勝る魔王軍は徐々に立て直す。
膠着状態になった。
今日はこれでいいと思った次の瞬間、魔王軍は味方ごと敵を斬った。
第2軍だった。
あっという間に魔王軍の前線は死滅し友好国軍も押されて下がる。
「第2軍、第3軍出撃」
後退する前線と入れ替わるようにアールとマスタング両軍が魔王軍とぶつかる。
それからはもう狂乱だった。
そして続々と到着する友軍はそれを見て尻込みするのだった
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