第88話 〜再会〜
再び
いきなりだが二人は今かなり危険な状態にある。
俊也
「や、やばいな・・・」
千夜
「やばいわね・・・」
二人が今どんな状況になっているかというと時間は数分前に戻る。
―10分前―
二人は崖の淵を目指して岩石地帯を歩いていた。
俊也
「こういう所も結構つらいなっと。」
俊也は一つ先の岩に飛び移った。
千夜
「それはあんたが単純に弱いのよっと。」
千夜も俊也に続き同じ岩に飛び移った。
千夜
「わっ。」
千夜はバランスを崩し倒れそうになった。
ガッ。
俊也
「気を付けろよな。」
俊也は千夜の手を掴んで引き戻した。
千夜
「あ、ありがと・・・」
俊也はこの頃千夜が素直に反応する回数が増えている事に驚いていた。
俊也
「あ、あぁ・・・」
二人は何ともぎこちなく黙り込んでしまった。
どうするか、何かすっげぇー微妙な空気が・・・
こーゆの本当苦手だな・・・
ど、どうしよう、何か気まずくなっちゃったわ・・・
私、何か変な事したかな・・・
と二人が試行錯誤している時に事は起きた。
「ウッヒーン!!!」
俊也&千夜
「「!!!」」
ガッ!!
二人は突然現われた馬猿に気付かず鷲掴みにされた。
俊也
「ぐぁ・・・・」
千夜
「ふぁ・・油、断し、た・・・」
馬猿
「久々の獲物だ・・・」
俊也
「喋った・・・?うぐ・・」
千夜
「あんた、誰、よ・・・」
二人は鷲掴みにされながら会話する。
馬猿
「獲物に教える事などない、死ね。」
馬猿はそう吐き捨てると二人を掴む力をさらに強める。
俊也
「ぐぁぁぁぁ・・・・」
俊也の体から軋む音が鳴る。
千夜
「ぐぅ・・・・・・・」
千夜はなんとか耐えているようだ。
馬猿
「ほぉ、こちらの女は中々の強さを持っているようだな、が男は駄目だな。」
俊也は今にも意識が飛びそうになっているが必死に耐える。
俊也
「うぅ・・・・」
千夜
「俊、也・・・・」
千夜は振り絞って俊也に呼び掛ける。
馬猿
「まぁ次で終わりだ、ふんっ!!」
馬猿はさらに力を強めた。
バ、キ・・・
千夜の耳に嫌な音が聞こえた。
自分からではなく俊也からだった。
俊也
「がっ、・・・・」
俊也はどこかの骨が折れたのか気を失った。
千夜
「と、し・・・や・・・」
千夜は必死に耐えながら振りほどこうとするがほとんど頭しか出ていない状況により動く事が出来ない。
馬猿
「こいつは死んだな、後は女だけた。」
馬猿は俊也を岩に投げ捨てる。
投げられた俊也は岩に叩きつけられた。
千夜
「俊・・・・ぐぁぁ!!」
千夜はまた突然に力を強められ声を上げる。
馬猿
「まだ耐えるか、仕方ないすぐに楽にしてやる。」
馬猿はそう言うと千夜の頭を下に向きを変えて上に持ち上げた。
千夜
「んな・・・・」
くそ・・・
このまま叩き潰されたら確実に頭が潰れる・・・
馬猿
「死ね。」
千夜
「くっ。」
千夜が諦めようとした瞬間馬猿の振り下ろす手が突然止まった千夜の頭が岩に当たる寸前で。
馬猿
「男、生きていたか。」
千夜はその言葉に耳を疑いながら俊也の方に目を向ける。
千夜
「俊、也・・・・?」
千夜が見た先には俊也が脇腹を右手で支えながら立っていた。
俊也
「守るんだ・・・自分、で・・・」
俊也は顔を上げ馬猿を睨む。
馬猿
「男、睨んだ所で我には意味はないぞ。」
馬猿はそう言いながら右手を振り上げる。
俊也
「あぁ、わかってるよ・・・そんなのよ!!」
俊也が言い終わった瞬間俊也を中心に風が吹き荒れた。
馬猿
「な、何だ!?」
馬猿は驚いて千夜を掴む力が弱まる。
千夜
「は、ぁっ!!」
ガッ。
千夜はその隙を突き馬猿の手から脱出した。
千夜は何とか態勢を整え俊也の隣に並ぶ。
千夜
「俊也、力を使えるようになったの?」
俊也は両手に感じる風を確認し、千夜を見た。
俊也
「みたい、だ。下がってろ、千夜。」
千夜は何故か逆らう事なく後ろに下がった。
馬猿
「貴様、何者だ??」
俊也は左手を開き馬猿に向けてから答えた。
俊也
「俺?ごくごく一般的な高校生。」
馬猿は理解出来ていないようだ。
馬猿
「まぁ、いい男、貴様は殺す!!」
馬猿はそう言うと飛び上がった。
俊也
「せーのっ!!」
ドカッ!
俊也は飛び込んできた馬猿の腹を左手で殴った。
馬猿
「!?!」
馬猿は余りにも突然で為す術もなく遥か彼方に吹き飛ばされた。
俊也
「ふぅ、う、わぁっ!?」
千夜
「え?、きゃっ!?」
二人は俊也が馬猿を殴った時に起きた風で後ろに吹き飛ばされた。
俊也
「千、夜・・・!!」
俊也は吹き飛ばされながら千夜に手を伸ばす。
千夜
「俊、也・・・!!」
千夜もそれを掴もうと手を伸ばす。
ガッ。
二人は何とか互いの手を掴んだ。
俊也
「千夜、大丈夫、・・・!?」
千夜
「何とか・・・え!?」
二人は同時に下を見た。
二人の下に地面は無く宙に浮いていた。
という訳である。
千夜
「ちょっ、ガキ!!さっきの力で・・・」
俊也は左手を振って見せてから答えた。
俊也
「見ての通り、無理みたい。」
次の瞬間二人は急降下し始めた。
千夜
「どどど、どうすんのよ!?」
俊也
「ふぬぬぬぬ・・・ふぅ、無理みたい。」
俊也の努力した時間、約3秒。
千夜
「もうちょっとは頑張りなさいよ!!」
俊也
「むぅぅ・・・・、だ」
千夜
「諦めるの早い!!もうちょっ・・・って地面が・・・」
俊也
「え??」
俊也は下を見てみた。
すると下には地面と森が見えてきた。
あと少しで地面に叩きつけられるだろう。
千夜
「ちょっ、本当に死ぬ気になりなさいよ!!」
俊也
「やってるさ!!」
くそっ!!
このままじゃ本当に二人共・・・
頼むから力を・・・
俊也
「う、ぉおぉぉおぉ!!!!」
俊也は千夜を抱え地面に左手をかざす。
駄目・・・
二人は目を閉じた。
ドフッ!!
俊也&千夜
「「え!!?」」
二人は余りにも衝撃が少ない事に驚き目を開ける。
すると二人を包み込むように水色の布が地面にあった。
俊也
「こ、これは・・・?」
千夜
「助かったの・・・?」
???
「あなた達・・・俊也君と千夜ちゃん??」
二人は聞き覚えのある声のする方を見た。
俊也
「し、師匠!?」
そこに立っていたのは俊也にとっては師匠である真実さんだった。
真実
「お久しぶり、なのかしら?」
真実さんはかわらずの独特な不思議な笑顔で笑う。
二人は布から退いて立ち上がった。
俊也
「あ、これ・・・」
俊也は水色の布を拾い真実さんに差し出した。
真実
「あら、どうも。」
真実さんはそれを受け取った。
すると黙っていた千夜が口を開いた。
千夜
「貴女、どうやってそんな布で私達を助けたの?」
千夜は挑発的に真実さんを見ながら言う。
真実
「どうって言われてもこれ、私のじゃないし・・・」
千夜
「え?、どういうこと?」
真実
「私は森に捜し物を探しにに来ていて大きな音がしたからここに。」
千夜は反発出来ずに黙っていた。
俊也
「でも、何でさっきその布、受け取ったんですか?」
真実さんはそれを見ながら答えた。
真実
「貴方が私にくれたのだと思ったのよ。」
俊也
「そう、だったんですか・・・」
師匠、前とかわらずよくわからない人だなぁ・・
真実
「どうかした?お二人さん?」
俊也&千夜
「「い、いえ!?何も・・・」」
どうやら千夜も俊也と同じような事を考えていたようだ。
真実
「そう、でも何でこっちに戻ってきたのかしら?」
俊也
「あ、それなんですが・・・」
と俊也が話そうとすると真実さんは俊也を制止させた。
真実
「その話し長くなりそうだから私の小屋で聞きましょう?、それに二人の怪我の手当ても。」
真実さんは不気味にウィンクをしてさっさと歩きだした。
二人は少し立ち尽くしていた。
俊也
「さすが師匠。気付いてたみたいだな。」
千夜
「本当に得体の知れない人ね・・・」
俊也
「所で千夜も怪我、してたんだな。」
千夜
「こんなの、怪我に入らないわ、行くわよ。」
そう言うと千夜はさっさと歩きだした。
俊也
「痛ててて・・・あーこれ肋骨辺りがやばいかもな・・・」
俊也は右手で押さえながら歩きだした。
しばらく歩いていると見覚えのある小屋が見えてきた。
ガチャ・・・
真実
「さっ、入って?話しを聞く前に怪我を治療しなきゃね?」
二人は素直に小屋な入りこの前にも休んでいた部屋に入って真実さんが来るのを待った。
部屋では千夜は壁に寄り掛かり俊也はベットの上で脇腹の辺りを擦りながらあぐらをかいていた。
これから長い話しをどうわかりやすく説明するかを考えながら二人は待った。
真実さんを。
第89話へつづく
長い長いお話し




