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第86話 〜闘争〜

頑張れ主人公。

俊也は悩んでいた。

ど、どうしよう・・・

このまま千夜にだけ闘わせてる訳にはいかないし・・・

どうにかしてあの時の力を・・・

俊也

「はぁ!!!」

俊也は両手に力を入れてみたが変化はないようだ。

俊也

「くそっ!!」

俊也が頑張っていると銃声が鳴り響いた。

千夜

「つぁっ!!」

ドンドン!!

千夜は一番近い馬猿に銃を放った。

馬猿はそれに見事に当たり砂漠に倒れる。

が後ろから来る馬猿達はその死体を踏ん付けながら尚もこちらに向かってきている。

千夜

「ちっ!!やってやるわ!!」

千夜はそう言うと前方約50m先にいる馬猿めがけて走りだした。

馬猿

「ブッヒヒーン!!」

馬猿達は千夜を確認すると意外にも左右に分散し始めた。

千夜

「なっ!?」

千夜は足を止めた。

これじゃ私一人で全部やるってのは・・・

と千夜は俊也の方に振り向いた。

少し遠かったが何やら頑張っている事だけはわかった。

こうなりゃいっそガキのすぐ側で・・・

と千夜はそこで一旦思考を止めた。

いや止めざるをえなかった。

何故なら自分のまわりには5体の馬猿が囲んでいたからだった。

千夜

「油断したわ・・・でも。」千夜は武器を構えた。

千夜

「私相手に五匹じゃ役不足よ!?」

そう言うと一匹の馬猿が飛びかかってきた。

馬猿

「ブッヒン!!」

ブン!!

馬猿は腕を振り下ろした。

千夜

「甘い!!」

ヒュッ。

千夜はそれを後ろに下がるのではなく相手の懐に飛び込み躱す。

千夜

「死ね!!」

ドドン!!

千夜は馬猿の腹に銃弾を二発撃ち込むとそいつを蹴り飛ばした。

千夜

「おっと!!」

ヒュッ。

と千夜の隙を突いた馬猿の拳はあっけなく躱された。

千夜

「はっ!!」

タッ!

千夜はその馬猿の腕を駆け上がり空高くジャンプした。

千夜

「終わりよ!!」

ドドドドン!!!!

千夜は空中から残った四匹の馬猿の頭を銃で撃った。

馬猿はあっけなく倒れた。

ドフッ。

千夜は砂漠に着地した。

千夜

「弱っ。」

千夜はそう吐き捨ててほかの馬猿を探そうとした時だった。

俊也

「助けて!!!!」

どこからともなく俊也の声が聞こえた。

千夜がそちらを振り向くと千夜が倒した以外の残りの馬猿を全部引きつれて千夜の方に走ってきていた。

千夜

「やばっ、ガキの事忘れてた・・・」

千夜は俊也に聞こえるように叫んだ。

千夜

「何とかここまで逃げなさい!!」

俊也は後ろを一度振り向き物凄い勢いで迫り来る馬猿を確認してから叫んだ。

俊也

「む、無理!!ってかお前が一匹も通さないんじゃなかったのか!!」

千夜は普通に答えた。

千夜

「しょうがないじゃない。」

俊也

「しょうがないで済ますな!!」

千夜は小声で言ったつもりだったが俊也には聞こえていた。

それもそのはず俊也は今し方千夜の元に命からがら辿り着いたのだから。

千夜

「逃げ切れたじゃない?」

俊也は息を荒立てながら千夜を見る。

俊也

「俺だってまだ死にたくないからな!!はぁ、はぁ・・・」

千夜

「んじゃ、その勢いであの力も何とかならないわけ?」

俊也

「勢いだけでなんとかなるのは限度があんだよ!!」

千夜は、はぁ、とため息を付いた。

千夜

「まぁ期待してないからいいわ。」

俊也は少し怒ったが今は疲れてこれ以上怒鳴る気にもなれなかった。

馬猿

「ブッヒヒーン!!」

馬猿達は二人が話している間に輪を作り囲んでいた。

俊也

「か、囲まれた!?」

千夜

「こいつら余程囲み好きなのかしら。」

俊也

「気付いてたなら何で囲まれてんだ?」

千夜

「だってもう逃げるの面倒だし、」

千夜は武器を構えた。

千夜

「ここらで全部殺る。」

千夜の目を見るかぎり本気のようだ。

俊也

「俺はどうすんだよ。」

千夜

「死なないように逃げなさい。」

俊也

「また?」

千夜

「でも二分で終わるからそれまで逃げればいいわ。」

俊也は首を傾げながら聞いた。

俊也

「今度は嘘じゃないよな?」

千夜は俊也にほほ笑みながら答えた。

千夜

「もちろん!!まっかせなさい!!」

俊也は何故こんな状況で笑える上にこんな元気一杯なのかが不思議でならなかった。

俊也

「その元気はどこからくんだよ・・・」

千夜

「分けてほしいなら上げるわよ?」

と千夜は真顔で言う。

俊也

「分けれるもんなら欲しいね。」

俊也はそっぽを見ながら呆れていた。

千夜

「ほい。」

俊也

「は?」

俊也が千夜を見ると千夜は俊也の右手を握っていた。

俊也は思わず手を振りはらった。

俊也

「な、何すんだよ!!」

千夜

「何って元気をあげたのよ?」

さらに真顔で言う千夜。

俊也

「い、意味わからん!!」

千夜

「昔、私のお母さんがやってくれたおまじない、これぐらいしか覚えてないからさ・・・」

千夜は悲しそうに俯いていた。

俊也

「・・・、わ、悪かったよ。・・・ほら。」

俊也は千夜の左手を握った。

俊也

「おまじない、これで元気出るんだろ?」

千夜は少し頬を赤らめたがすぐに俊也の手を振りはらった。

千夜

「ば、バカ!!これは女の子がやんなきゃ意味ないのよ!!・・・たぶん・・」

俊也は微笑しながら言った。

俊也

「それより、今はあいつらな?」

千夜はそう言われるとすぐにさっきの戦闘モードに切り替わった。

千夜

「そうね・・・、じゃ行くわよ・・・」

俊也

「俺は逃げるけどな。」

千夜

「はいはいっ!!」

そう言うと千夜は馬猿達の方へ走りだした。

俊也

「さて、俺も頑張って逃げなきゃな!!」

俊也は取り敢えず周りの馬猿達に警戒しつつ身構えた。

千夜

「だぁぁぁ!!!」

ドドドドド・・・!!!!

千夜は銃を連射した。

馬猿は何匹かは命中し倒れるが数が多いため余り減った気がしない。

千夜

「こう数が多いと面倒ね・・・なら・・・」

千夜は二丁拳銃をローブの中にしまいそれとは違う銃を取り出した。

その銃は両手持ちの少々大きめの銃でいくつかの宝石が埋め込まれていた。

千夜

「久々だけどやるしかないわ!!」

千夜はそう言って埋め込まれた宝石の一つに手をかざした。

千夜

「サーキュレイション!!目覚めよ!!灼蓮の(ブレキス)!!」

千夜がそう叫ぶと宝石が緋色に光、その光が銃を包む。

すると銃が緋色の炎に包まれ激しく燃え、まるで(ブレキス)のような形になっていた。

千夜

「さぁて、斬るわよ・・・」

千夜はその灼蓮の剣を横に構え言った。

千夜

「ガキ!!しゃがんで!!」

俊也はちょうど馬猿の攻撃を躱して逃げ出そうとした時だった。

俊也

「何・・―――、!!?」

俊也が振り向くと千夜の所からバカでかい緋色の炎が噴射されていた。

千夜

「こんくらい、かな・・・せぇーのっ!!」

ブン!!

千夜は掛け声と共にそれを回転するように薙ぎ払った。

俊也

「ひゃっ!!」

俊也は間一髪で砂漠に倒れるようにそれを躱した。

千夜

「っふぅ・・・終わりっと。」

千夜は緋色の炎を縮め元の銃に戻しローブにしまった。

俊也

「あ、あぶねー、って!?」

俊也は立ち上がりながら当たりを見渡すと先程まで自分と千夜を襲っていた馬猿がすべて丸焦げになっていた。

俊也

「(俺、躱してなかったら丸焦げに・・・)」

俊也は心底自分を誉めていた。

すると千夜が後ろから歩いてきた。

千夜

「ガキ、生きてる?」

俊也はその呼び掛けにある事を思い出し駆け寄る。

俊也

「おぉー、生きてるよー、じゃ、ねぇー!!死ぬかと思ったじゃないか!!」

千夜はそれに慌てる事なく返す。

千夜

「しゃがんでってちゃんと言ったでしょ?」

俊也

「だからってあんなの・・・もし俺が丸焦げにでもなってたら・・・」

俊也はそれを思うと背筋が凍った。

千夜

「そん時はどんまいよ。」

千夜は笑顔で俊也の肩を叩きながら答える。

俊也

「どんまい一つか、俺の価値は・・・」

千夜

「まぁ生きてたんだし気にしな・・・れ?」

トフッ。

俊也

「なっ!!?」

俊也は急に千夜が自分の方に倒れこんできたので驚いた。

千夜は俊也に寄り掛かったまま喋った。

千夜

「悪い、ちょっ、と疲れたみたい・・・」

俊也は千夜を慌てて支える。

俊也

「また熱か!?」

千夜は疲れた声で答える。

千夜

「違、う、これは、力の、使いす、ぎ・・・」

千夜はそう言うと気絶してしまった。

俊也

「・・・、え?まじ?本当に気絶?」

俊也は試しに千夜の肩を叩くが本当に意識がないようだ。

俊也

「・・・ま、今回は千夜のおかげだからな。」

俊也はそう呟くと千夜を背負い砂漠を歩きだした。

俊也

「これからは俺も・・・」

俊也は自分がどれだけ非力で腑甲斐ないのかを知った。

第87話へつづく

やっぱり強かった千夜さん。

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