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第75話 〜事実〜

逃れられない現実と、

ぅ、ぅ・・・

千夜は宙に浮きながら膝を付き涙を流していた。

マ、チ・・・

ナス・・・

何であいつらまで死ななきゃならないの?

どうして・・・!?

するとまた部屋に誰かが入ってきた。

ガチャ、バタン。

ドサッ。

何者かが一人の少女を部屋に投げる。


あれは・・・

アメス!?!

千夜は必死にアメスの名を呼ぶが気絶しているようだ。

しかし気絶していなくてもその声が届くことはない。

アメス

「ぅ・・・こ、こは?」

アメスは頭を擦りながら立ち上がるとあるものが目に入った。

そうマチとナスの

死体。

アメスは二人に駆け寄る。

アメス

「マチさん!?しっかり!!ナスさ」

アメスはナスを見て驚愕した。

辛うじて顔は分かるが全身はグチャグチャで人なのかと疑うくらいにひどい。

アメスはマチの死を悟り立ち上がる。

アメス

「誰が・・・こんな、こんなひどいことを・・」

アメスが俯いているとノゾミがアメスの方を向いた。

ノゾミ

「マタ、ワタシヲヒトリ二スルノ?」

アメス

「え?!」

アメスはどこか聞き覚えのある声だが何かが違うと感じつつも顔を上げる。

アメス

「ノゾ、ミさ、ん?」

アメスは半信半疑で聞いた。

それもその筈、今の彼女は全身血塗れで(マチとナスの返り血で)至る所が擦り切れておりかろうじで髪型で区別がつく程に変わっているのだ。

ノゾミはアメスを虚ろな冷たい眼で見つめるだけで言葉を返そうとはしない。

アメスは一歩ずつ歩み寄る。

アメス

「ノゾミさん?ノゾミさんですよね?」

ノゾミは尚も口を開かずに見つめている。

アメス

「あたしです。アメスです、分かりますか?」

アメスがそう言った瞬間小声でノゾミは喋った。

ノゾミ

「ア、メ、・・・ス?」

アメスは自分の名を呼んでくれたことに喜び走りだす、が

ドンッ!!

アメス

「っ!?」

アメスは間一髪の所で銃弾を躱し立ち止まる。

アメス

「ノ、ノゾミさん!?何するんで・・・血?」

アメスは言っている途中にノゾミが持っている銃が血塗れであることにある疑問が浮かんできた。

アメス

「ノゾミさん、もしかして二人を殺したのは・・」

信じたくなかった、

けれどそれを目の前にしては聞かざるを得なかった。

ノゾミはゆっくりとケラケラ笑いながら答えた。

ノゾミ

「アハ、アハハ・・・アレ、ワタシガヒトリニシタ。」

アメスは感じた。

言葉の意味は理解出来ない。

けれど

ノゾミが

二人を殺した。

それだけは今感じている殺気が証明していた。

アメスはいつのまにか(ラズケイド)を構えていた。

アメス

「・・・・・・・」

アメスはただ武器を構え静かにノゾミを見つめる。

ノゾミ

「アナタモ、ワタシヲヒトリニスルノ?」

ノゾミはゆっくりと(ストレイド)をアメスに向ける。

アメスは呼吸を整えてから言った。

アメス

「もう一度聞きます。ノゾミさん、マチさんとナスさんを殺したのは・・・あなたですか?」

ノゾミは何の躊躇もなく答えた。

ノゾミ

「ワタシハ、シラナイ、ナニモ、ワカラナイ。」

バッ!

アメスはそれを聞きおわると同時に突撃を開始した。

銃を・・・弾けば・・・!!

アメスは相手の武器だけを見つめていた。

ドドンッ!!

アメス

「くっ!?」

キンキンッ!!

アメスは(ラズケイド)を回転させ銃弾を弾く。

そしてそのまま(ラズケイド)の回転で(ストレイド)を弾いた、筈だった。アメス

「とっ・・・、!?いな、い?」

アメスはノゾミが既にそこにいないことに気付いた。

アメスは前後左右、上下、すべてを見渡すが辺りが暗い為かいないのかいるのかもわからない。

アメス

「どこに・・・!!」

アメスは焦っていた。

ノゾミの姿は見えない。

けれどノゾミの殺気は常に自分の喉元に突き付けられているような感触。

全身は汗ばみ自分の心臓の音がやけに大きく聞こえる。

一体・・・どこ??

アメスは油断することなく構えていた、が

カ、チャ。

アメス

「っ?!!」

アメスはその音がしてからしか気付けなかった。

自分の後ろで頭に銃口が突き付けられていることに。

そんな・・・

まったく気配を感じなかった・・

すると唐突にノゾミは言った。

ノゾミ

「アナタモ、ワタシヲタスケテハクレナイ。」

アメス

「ノゾミさん!!私はあなたを助けます!!千夜さんだって来てるんです!!」

とアメスが言うと何故か突き付けられていた銃口が外れアメスはノゾミと一歩距離を置き向き直る。

ノゾミ

「チ、・・ヨ?・・・、っ!?」

ノゾミはそう言った瞬間急に頭を押さえて苦しみだした。

アメス

「ノゾミさん!?」

アメスは駆け寄りノゾミの肩を揺らした。

アメス

「しっかりしてください!!ノゾミさん!、目を覚ましてください!!」

ノゾミは尚も頭を押さえ、苦しみながら言う。

ノゾミ

「ゥア、・・グッ、・・ヤメテ・・・ワタシニ、サ、ワ、ル、ナ!!」

ノゾミはアメスの手を振りほどき立ち上がる。

アメスも心配そうに立ち上がる。

アメス

「ノゾミさん!!気を確かに!!ノゾミさん!!」

アメスは心から願った。

ノゾミが

ノゾミが元に戻ることを。

その時だった。

バキンッ!!

扉を蹴り破る音がした。


!!

まさか、私?

千夜は覗き込むとそこには先程までの自分がいた。

ということは・・・、!!

アメス、アメスー!!!


ノゾミ

「キエテ・・?」

アメス

「ノゾミさん!!目を覚ま」

ドンッ。

アメスはまた、撃たれて倒れた。

ノゾミに。


千夜

「う、ぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

千夜はいつのまにか現実に戻って叫んでいた。

千夜はその場に丸まり体をビクビクと反応させ口からは無意識によだれが垂れ瞳孔が開き切っている。

千夜

「ぁ、・・・ぅ・・・ぇ」

千夜はただ嗚咽を発する事しか出来なかった。

するとそれに構うことなくあの声が響く。

―さぁ、君は約束通りここまで来た、遠慮はいらない。彼女を連れ帰ってくれ・・・―

そしてその声は段々遠退いていった。

無論今の千夜に聞こえていたかは定かではない。

すると待っていたかのようにノゾミが眼を開き歩みだす。

ノゾミ

「アナタガ、ワタシヲツレテイッテクレルノ?」

千夜はその声に少しだけ意識が戻った。

千夜

「っ、・・・」

千夜は体をフラフラさせながら立ち上がる。

千夜

「ふー、ふー、・・・」

千夜は息を荒げて叫んだ。

千夜

「ノゾミー!!!」

千夜は物凄い形相でノゾミを睨み二丁銃(ダブルストレイド)をノゾミに向け構える。

もはや今の千夜には仲間を殺された憎しみと憎悪、怒り、負の感情しかなかった。

ノゾミは歩みを止め(ストレイド)を千夜に向けた。




現在

四人の沈黙を破ったのは俊也だった。

俊也

「・・・二人はどうなったんだ?」

千夜は目を背けながら答えた。

千夜

「私は今の所から記憶が途切れてる・・・」

ノゾミ

「私は連れ去られた所から記憶が無くて次に目を覚ました時にいた場所は・・」

そしてまた、語りだした。



ここは、どこ?

とても暗い。

何も見えない・・・

ノゾミ

「っ・・・」

ノゾミは肌に伝わる冷たい石の感触に目を覚ました。

ノゾミはぼやける視界の中そこがどこなのかを把握した。

ノゾミ

「・・・城の、牢??」

ノゾミは確認しようと立ち上がり牢の外を見ようとした、が

ジャラジャラ・・・

ノゾミはその音を聞き自分の両手両足が鎖で縛られていることに気が付いた。

ノゾミ

「鎖・・・、何で?」

ノゾミは訳が分からなかった。

どういう事?

私はたしか千夜とアメスとヴァルケミストと戦って、それから・・・

それから・・・?

思い出せない・・・

ノゾミが俯いていると牢の外から足音が聞こえてきた。

???

「ノゾミさん・・・」

ノゾミは聞き覚えのある声に思わず泣きながら顔を上げる。

ノゾミ

「ヤオ!!良かった!!ねぇ、私何で牢なんかにいるわけ?しかも鎖まで・・・早く出してよ!」

ヤオはしばらく黙り込んでいた。

ノゾミは明らかにヤオの様子が可笑しい事に気付きまた声を出す。

ノゾミ

「ちょっ、ちょっと。ヤオ?どうしたのよ、早くここから・・・」

ヤオは下を向きながら小さく言った。

ヤオ

「それは、出来ません・・」

ノゾミ

「は?訳分かんないよ、早く出して!!」

ヤオは一度深呼吸をして言った。

ヤオ

「それは、・・貴女が三人の兵士を殺し、十数名の兵士を死に近い状況まで追いやったからです。」

第76話へつづく

突きつけられる真実。

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