第71話 〜中断〜
加速する戦いの先に。
千夜
「はぁぁぁ!!!」
ダンッ!!
千夜は突撃する勢いのまま銃を撃った。
ガキッン!
ヴァルケミスト
「かっはぁ!!!」
ヴァルケミストはそれを片手で弾き飛ばした。
ヴァルケミストはそのまま物凄い殺気で千夜を睨む。
千夜
「っ、あッ!!」
シュバッ!!
千夜はその殺気に立ち止まることなく空に飛び上がり体を捻る。
千夜
「だぁぁぁ!!」
ダダダダダ!!!!
千夜はヴァルケミストの背後まで捻り銃を連射する、が
千夜
「な!?」
先程までヴァルケミストが立っていた場所には誰もいなかった。
ヴァルケミスト
「遅ぇ。」
千夜
「え?!!」
バキッ!!
千夜はいつのまにか背後に回られたヴァルケミストに思いっきり殴り飛ばされた。
ズサァー!
ノゾミとアメスは吹き飛ばされた千夜の下に駆け寄る。
ノゾミ
「千夜っ!?」
アメス
「千夜さん!?」
千夜は口から出る血を右手で拭いながら答える。
千夜
「っ、心配ご無用よ。」
千夜はそう答えるとゆっくりと立ち上がる。
ヴァルケミスト
「当たり前だ、まだ死ぬには早ぇ。」
ヴァルケミストは待ちきれないような顔で言う。
千夜
「ふんっ、今度は今みたいにはいかないわよ?」
と千夜が攻撃を仕掛けようとした瞬間二人が前に立ちふさがった。
千夜
「ちょっ、二人と」
ノゾミ
「ここからはあんた一人で戦わせたりなんかしない。」
アメス
「あたし達もやらせてもらいます。」
二人は前にいるヴァルケミストを睨み付け同時に言った。
ノゾミ&アメス
「「千夜は私達が守る(ります)!!」」
二人はそれぞれの武器を構える。
千夜
「結局二人も戦いたい訳ね、わかったわ。でも邪魔だけはしないでよ?」
ノゾミ
「千夜こそ邪魔しないでよね。」
アメス
「そうですよ、千夜さんはたまに危なっかしいですから。」
千夜
「アメスに言われたくない気も・・・」
と三人が話していると嫌気が差したヴァルケミストが叫ぶ。
ヴァルケミスト
「ごちゃごちゃ言ってねぇできやがれぇッ!!!!」
三人はその叫びに話すのを止め静かに向き直る。
千夜
「そう言えばいたわね。」
ノゾミ
「雑草はさっさと刈っちゃいますか!」
アメス
「あれ?お花は雑草?雑草はお花でしたか?」
ノゾミ
「いいのよ、どっちだって。」
千夜
「じゃ、ちゃっちゃと終わらせよっか。」
三人は少し距離を開けて広がる。
ヴァルケミストはそれを見ながら言った。
ヴァルケミスト
「ちっ、面倒だな、おい雑魚共、行け。」
それを合図にギニム達が奇声を上げ突撃し始めた。
千夜
「なっ!?」
ノゾミ
「アメス!!」
アメス
「わかってます!!」
ノゾミとアメスは二手に別れギニムを迎えうつ。
千夜は無言で理解し一人ヴァルケミストに向かい走る。
ヴァルケミスト
「いいのか?てめぇの国が無くなるぜぇ?」
嘲笑うヴァルケミストに千夜は銃口を向けながら言った。
千夜
「生憎この国はそんなやわじゃないのよッ!!」
ダンッ!!
千夜は言いおわるのと同時に銃を撃った。
ヴァルケミスト
「無駄だ!!」
ガキッン!
ヴァルケミストはそれをなんの苦もなく弾き飛ばす。
千夜
「貰ったぁぁ!!」
ズサァァー!!
ヴァルケミスト
「なっ!!?」
ダダンッ!!!
ヴァルケミスト
「ぐっ、はぁ・・・」
ヴァルケミストは腹を抑えながら言った。
ヴァルケミスト
「やるじゃあねぇか。」
千夜
「うっさい。」
そう千夜はヴァルケミストが弾を弾き返した一瞬の隙をつき懐に潜り込み超至近距離でぶっ放したのだった。
ヴァルケミストは右手を天に掲げながら言った。
ヴァルケミスト
「だがよ、調子に乗り過ぎたな。」
と言い終わるとヴァルケミストの右手には巨大な邪気を放つ黒緑の球体が出現した。
千夜
「なっ・・・」
千夜はその球体の凄さを感じ目を見開いている。
ヴァルケミスト
「ほぉ?さすがにコレ、の凄さが分かったか?」
千夜
「まぁね・・・」
ヴァルケミストは態勢を崩さず答える。
ヴァルケミスト
「なら分かるだろ?これを俺様が投げればここいら一帯は焼けの原、だ。」
千夜は額に汗を浮かべながら笑みを浮かべる。
ヴァルケミストはそれを不思議そうに聞く。
ヴァルケミスト
「?何が可笑しい?気でも狂ったか?」
千夜は笑みを浮かべたまま答える。
千夜
「別に?私一人じゃどうしようもないしね。」
ヴァルケミスト
「あきらめたか、ならさつさと終わらせてもらうぜ?」
ヴァルケミストはさらに力を注ぎ込む。
千夜
「でもさ。」
ヴァルケミスト
「?・・・・・・なっ!!?」
千夜
「気付くの遅い。」
ヴァルケミスト
「ば、バカな・・・」
ノゾミ
「いたたた・・・あー疲れたぁ。」
アメス
「まぁなかなかでしたね。」
千夜の後ろに歩いてくる二人。
そしてその背後には無数に倒されたギニムの死体。
ヴァルケミスト
「た、たった二人で全滅だと・・・!?」
ヴァルケミストの表情が焦る。
千夜は二丁銃を握り直し言う。
千夜
「いやー、二人共強過ぎッ!」
ノゾミ
「あれくらい普通よ普通。」
アメス
「やっと準備体操が終わりましたね?」
二人は大した傷ま負っておらずほとんど無傷である。
千夜は切り替えて言う。
千夜
「さて、さっき言った事覚えてる?一人じゃ無理だって。」
ヴァルケミスト
「・・・・・」
ヴァルケミストは黙って聞いている。
千夜はそんな事を気にせずに続ける。
千夜
「でも、私は一人じゃない。二人がいる。」
ヴァルケミスト
「た、たかが二人増えた程度で・・・コレを防げる訳ねぇだろ!?」
ヴァルケミストの右手にある球体がさらに膨張する。
千夜
「ま、確かにね。」
ノゾミ
「そーよ。」
アメス
「あたし達はかよわい少女ですから。」
ヴァルケミストは三人の余裕ぶりにいらつきながら答える。
ヴァルケミスト
「ぐっ・・・ならどうしてそんな余裕があるんだ!?」
三人は同時にため息を付いて言う。
千夜
「あるように見える?」
ノゾミ
「そう見えるんなら間違いね。」
アメス
「そうです!絶体絶命です!」
ヴァルケミストは左手も天に掲げ球体の形を整える。
ヴァルケミスト
「ぐがぁぁ!!もういい!!これで、終わりだぁぁ!!!」
ブンッッ!!
ヴァルケミストは堪忍袋の尾が切れたようで球体を三人に向け投げる。
千夜
「来ちゃったわ。」
ノゾミ
「どうすんの?」
アメス
「どうしましょう・・・」
千夜はを迫り来る球体に銃口を向け言う。
千夜
「ぶつかる前にぶっ壊す!!これが一番!!」
ノゾミとアメスも武器を球体に向けながら答える。
ノゾミ
「ほんっとに千夜らしい作戦ね!!」
アメス
「そもそもこれは作戦なんですか?」
千夜
「っと話してる暇ないわよ!?はぁっっ!!」
ダダダダダッッ!!
千夜は話しながら銃を無茶苦茶に連射する。
ノゾミ
「そうねっ!!だぁっっ!!」
ダダダダダッッ!!!
ノゾミも千夜動揺に銃を連射する。
アメス
「ってあたしはどうすれば?」
一人あたふたしているアメスに千夜が言った。
千夜
「アメス!!来たらあれどっかにぶっ飛ばしてくれる!?」
アメス
「わかりましたぁぁ!!」
とアメスは返事をし槍を高速回転で回し始めた。
球体は千夜とノゾミの連射を受けるがほとんどダメージはないようだ。
ヴァルケミスト
「ひゃはは!!んな攻撃効くかバカ!!」
ヴァルケミストは今までで最高に嘲笑う。
千夜
「よしっ、ここらでいっかな。」
ノゾミ
「だね?」
と二人は連射を止めると球体は勢いを取り戻す。
ヴァルケミスト
「何!!?」
二人はアメスを見る。
千夜
「アメス、準備OK?」
ノゾミ
「アメス、頼んだわ。」
アメスは槍を回すのを止めた。
アメス
「まっかせてください!!」
アメスは瞬く光る矛先を球体に向ける。
そして―――
ゴゴゴゴゴゴ!!!!
アメス
「くぅぅ・・・」
アメスは球体を槍一本で受けとめていた。
ヴァルケミスト
「無駄な足掻きを・・・」
アメスは踏張っているが確実に後ろに押されている。
千夜
「はぁぁぁ!!」
ノゾミ
「だぁぁぁ!!」
二人も連射するが球体は止まらない。
ズガガガガ!!!!
アメス
「駄目・・・・」
千夜
「くそぉ・・・」
ノゾミ
「くぁぁ・・・」
球体が三人を押し潰すか潰さないかの一瞬三人と球体の間に一筋の光線が割り込んだ。
カッ!!
ドォォォォォン!!!
すると球体は大爆発を起こし辺りの木々は抉れ辺りは文字通りの焼けの原。
そしてそこに一人立つ。
漆黒に包まれた―――
何かが。
第72話へつづく
待っていたのは、闇。




