第64話 〜平穏〜
つづく。
何や間やで自分達の部屋に戻ってきた四人はとりあえず(ヤオを除き)布団を片付けていた。
千夜
「よ、っと。」
千夜は布団を大雑把に折り畳んだ。
ノゾミ
「はっ、っと。」
ノゾミは布団の形を整え折り畳んだ。
アメス
「よいしょ、はっ、っと。」
アメスは布団の形を直すだけではなく毛布や枕を綺麗にしてから折り畳んだ。
するとそれを見ていたヤオが唐突に言った。
ヤオ
「あ、あのっ、後は僕が締まっておきますから三人は自由にしていて下さい。」
千夜
「そう?」
ノゾミ
「じゃ、よろしくぅ」
無責任過ぎる二人にアメスは憤慨しながら言った。
アメス
「二人共!!そんな人任せな・・・」
二人は座りながら答えた。
千夜
「いーじゃん、別に。」
ノゾミ
「そーよ。やってくれるって時に甘えとかないとつらいわよ?」
アメスはノゾミの顔が少し難しい感じになったのに気付いたことをさらに千夜は気付いた。
アメス
「・・・わかりました。ヤオ君、私も手伝います!」
ヤオは既に一つ目の布団をクローゼットに締まっていた。
ヤオ
「え?あ、はい。お願いします・・・」
なんともぎこちない返事をした後二人は一緒に布団を締まった。
アメス
「終わりましたね?」
ヤオはアメスの笑顔に少しだ見えている顔の部分が赤くなっていた。
ヤオ
「ひゃ、ひゃい!!」
アメスはその素っ頓狂な声に首を傾げつつも二人がいる傍に座った。
するとヤオは閉めたクローゼットの扉に崩れるように座り込み体育座りをした。
千夜はやっと終わったか、とアメスに言いある話題を持ちかけた。
千夜
「(なぁ、アメス、ひょっとしてヤオの事が好きなのか?)」
アメスは千夜の言った事が小声であることでさらに驚いた。
アメス
「そ、そんなわけないじゃないですか!!」
すると唆すようにその話題にノゾミが食い付く。
ノゾミ
「とか言いつつも、顔が赤いのはどーゆうことかしらねぇ?」
確かにアメスの顔は先程のヤオにも負けないくらいに赤かった。
アメス
「なっ!?そんなことないですよ!!」
慌てて両手で顔を隠すアメス。
千夜
「で、どうなんだよ?はっきり言ってくれよ?」
ノゾミ
「アメス?これは大切な事なんだからはっきりしなきゃねぇ?」
二人の顔は子悪魔のような顔でアメスは詰め寄る二人に動揺している。
アメス
「だ、だから、そんな感情は一切ありません!!!」
二人はアメスが言い切った事に驚いた。
千夜
「アメスが言い切るって事は本当のようね?」
ノゾミ
「なーんだ。つまんないの」
ノゾミは一人でうなだれていた。
その後四人(ヤオは体育座りをしたままだったが)は各々が楽な格好で暇な時間を過ごし、時は昼になった。
千夜
「で、腹減った。」
誰に聞いたわけでもないが千夜は言った。
ノゾミ
「確かに・・・」
アメス
「もうお昼近くですしね?」
二人は普通に答える。
千夜
「ここって食物がないよな?」
またもや適当に聞く。
ノゾミ
「そう言えば昨日から今日の朝も何も食べてないね?」
アメス
「何で私達こんなに元気なんですかね?」
二人は当然のような疑問に少しからず戸惑っていた。
千夜
「たぶん、腹が減ってる事にすら気が付かない程に切羽詰まってたんじゃない?」
ノゾミ
「う、そんなこといいから早く何か食べよーよ」
ノゾミは子供のような顔をする。とは言っても彼女はまだ15歳なのだから仕方がない。
アメス
「そうですね。じゃあ今日は何にもない事だし城下に行きませんか?」
千夜&ノゾミ
「「賛成!!」」
そうゆうと三人は部屋を出、城の門前まで来たのだが・・・
門番
「だから駄目なものは駄目なんだ!!規則だからな!!」
といかにも真面目そうに理屈を言い放つ門番。
千夜
「知らないわよ!!いいじゃない!ちょっと昼食べるくらい・・・」
千夜はかなり反抗的に言い放つ。
門番
「大体貴様ら見習いには食堂があるだろうが!!」
三人はその単語に首を傾げた。
千夜&ノゾミ&アメス
「「「食堂って??」」」
門番ははぁ、とため息を付いてから面倒臭そうに答えた。
門番
「いいか?貴様ら兵士見習いの寮塔にはちゃんと食堂が配置されているんだ。貴様ら説明を聞いていなかったのか?まったく・・・」
千夜
「・・・無かったよな?食堂。」
千夜はノゾミの方を見ながら言う。
ノゾミ
「確かなかったはずよ?食堂。」
ノゾミはアメスの方を向きながら言う。
アメス
「えっ!?あ、はい。確かにありませんでした。」
アメスは自分に振られた事に驚きながら答えた。
門番
「そんなはずはない。ちゃんと確かめてみろ。」
三人は結局言い包められ塔へと戻っていった。
千夜
「とりあえずヤオに聞いてみるか?」
と千夜は寮の階段を上がりながら言った。
ノゾミ
「そうだね、探すの面倒だし・・」
ノゾミは頭の後ろで腕を組みながら答えた。
アメス
「ついでにヤオ君も一緒に誘いませんか?」
二人はアメスの以外過ぎる発言に足を止めた。
千夜&ノゾミ
「「ヤオを誘う??」」
二人はアメスに詰め寄る。
千夜
「アメスあんたやっぱり・・・」
ノゾミ
「ヤオの事が・・・」
そこまで言われた瞬間アメスは遮るように言った。
アメス
「だ、だからそんなんじゃなくて・・・ヤオ君。寂しそうだったから・・・」
顔を俯かせるアメスに二人のふざける気は完全に失せたようだ。
千夜
「なるほど、な。つまりアメスは・・・」
ノゾミ
「あぁゆう独りでいるやつが心配で仕方がないってことね?」
アメスは大体で頷く。
千夜
「わーったよ。なら普通に誘う。それでいいな?」
アメスは今度は答えと共に頷く。
アメス
「はい!!」
ノゾミ
「の、ついでにアメスの事を聞き出す。」
二人はノゾミの悪巧みを考えてそうな顔に苦笑した。そんなかんなで三人は部屋に戻るとヤオは独りで朝と同じように手摺りに腕を乗せ景色を眺めていた。
千夜
「おぉーい、ヤオ。ちょっといいか?」
ヤオは三人が帰ってきたのに気付いておらずかなり体を驚かせながら三人の姿を確認し部屋に入った。
ヤオ
「?お昼、も、もう食べてき、きたんですか?」
ヤオはいつものように挙動不振に聞く。
千夜
「それがね?・・―――」
千夜は簡単に説明した。
千夜
「――って事で食堂はどこにあるの?」
ヤオは軽く思い出しながら答えた。
ヤオ
「確か3階にあったはず・・・です。」
ノゾミはある事を思いついたように会話に割り込んだ。
ノゾミ
「ねぇ!!良かったら案内してよ?そんでお昼そのまま食べましょうよ!?」
アメスはノゾミの考えが分かった様であえてため息だけで反論はしなかった。と千夜は思った。
ヤオ
「い、いいんですか・・・・?」
ヤオはかなり心配そうに聞く。
するとノゾミは即答した。
ノゾミ
「いいに決まってるでしょ!!二人も当然構わないよね?」
二人は一度顔を見合わせて同時にため息を付き答えた。
千夜&アメス
「「意義なし。(です)。」」
ノゾミはよしっ、と握り拳をつくり言った。
ノゾミ
「それじゃ、行こっか?」
三人は頷くと何故かノゾミを先頭に部屋から出ていった。
そして三階に付いた四人は先頭をヤオにかえ、何故か大浴場の脱衣所手前の廊下に来ていた。
千夜は思わず聞いた。
千夜
「ちょっ、どこに行くつもり?」
するとヤオは意外にも普通に答えた。
ヤオ
「違いますよ、こっちです。」
ヤオは右の方を指差しながら歩いた。
そしてそこにはまあまあな大きさの扉が一つ。
ヤオ
「ここです。」
千夜
「こんなとこにあったのか・・」
ノゾミ
「これは気付かなかったのも無理ないね。」
アメス
「何というか、隠し食堂です。」
と三人は各々の感想を言うと食堂に入った。
ガチャ、バタン。
千夜
「なっ・・・・・」
ノゾミ
「広っ!!」
アメス
「人が一杯です!!」
その食堂は右にはカウンターのようなものがありその奥にはちらほらと料理を作っている人が見える。そして左にはかなり奥まで続いている長机、数は四つ。色はベージュで椅子は繋がっているものが使われている。既にその長机には疎らに何人かの生徒がわいわいがやがやしながら昼食を食べていた。
ヤオ
「・・・あ、あの、三人共大丈夫ですか?」
ヤオはあまりにも呆然とし過ぎている三人に心配そうに声を掛けた。
千夜
「っ、はっ!!私は何を・・・」
ノゾミ
「何か見惚れちゃったね?」
アメス
「こうゆうのを平和って言うんですかね?」
と三人は感想を漏らす。
するとヤオは小走りでメニュー表を持ってきて千夜に渡した。
二人は千夜が開いたメニューを見て千夜を含めて固まった。
千夜&ノゾミ&アメス
「「「た、高い・・・」」」
第65話へつづく
つづきますよ。




