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感情

黒い歴史です

第6話

~ 感情 ~


俊也は自分の身体が揺れていることに気付いた。

ん??

揺れてる?

地震か?

俊也は意識がもうろうとしながら目を開けた。


俊也「・・・・ん??」


すると声が聞こえてきた。

ノゾミ「おーい、ご飯出来たよー起ーきーてー!!」


俊也はやっと自分の肩を揺らされていることに気が付いた。

俊也は驚いて後ろに飛んだ。


俊也「・・・う、うわぁあ!?」

ガンッッ!!

俊也は後ろの壁に思い切り頭をぶつけた。


ノゾミ「だ、大丈夫!?」


俊也は頭を押さえながら答えた。

俊也「うぅ・・・痛いに決まってるだろ・・・」


俊也の目には涙が滲んでいた。

俊也は怒鳴るように言った。


俊也「まったく!!起こすならもう少し優しく起こしてくれよ!!!」


ノゾミは心配そうな顔から一変して鬼のように怒った顔をして言った。


ノゾミ「な!?何よ!!き、君が声を掛けても起きないからいけないんでしょ!!」

俊也「だからって・・・この匂いは・・・??」


俊也は香ばしい匂いに言葉を替えた。

するとノゾミが普通に答えた。


ノゾミ「カレーライスだけど・・・・も、もしかして嫌いだった・・??」


ノゾミはかなり心配そうに聞いた。


そ、そんな

たしか少し前の話じゃ麺類しか作れないんじゃなかったのか??

まさかカレーを作れるなんて・・。

俊也は不思議そうに聞いた。


俊也「な、なんでカレー作れるの??」


ノゾミはまた怒った顔に戻った。


ノゾミ「な!?君、本当に失礼だね!!私だってカレーくらい作れるわよ!!」


俊也は考えた。

・・・・おかしい

なんでこんな都合よくカレーなんだ?

ま、まさか!!

これも試練なのか!?

このカレーの中に毒が入っていて、それを見極めろとでもいうのか!?

するとノゾミの声が聞こえてきた。


ノゾミ「や、やっぱりカレー嫌いだったんだ・・・」


俊也は慌てて言い返した。

俊也「い、いや!?そうじゃなくて・・・」


俊也は必死に考えて言った。

俊也「あの、その・・・なんというか・・お、美味しそうだ・・・ね?」


ノゾミは下を向きながら答えた。

ノゾミ「い、いいよ・・・無理しなくて・・今ほかのもの作ってくるから・・・。」


俊也は立ち上がろうとするノゾミの腕を反射的に掴んだ。

俊也「ま、待って!!」


ノゾミは驚きながら答えた。

ノゾミ「な!!どうしたの!?」


俊也は恥ずかしながらも答えた。

俊也「あ、・・その・・・か、カレー・・・嫌いじゃなくて・・す、好きだから・・・」


俊也はほかの意味も含めて言った気がした。

ノゾミは呆気にとられながらも言った。


ノゾミ「そーいうことはもっとは、早く言ってよ!!」


俊也は素直に謝った。

俊也「ご、ごめん・・・・。」


俊也の顔はまだ紅い。

ノゾミはなんとかしてこの空気を替えようと言った。


ノゾミ「ま、まぁ・・あれね!?とりあえず・・・た、食べましょう!?」


俊也は小さな声で言った。

俊也「う、うん・・・」


なんでこんなに

なんでこんなに胸が熱いんだろ?

ただ

ただカレーが好きって答えただけなのに?

なんかそれだけじゃない気がする・・・

するとノゾミの声が聞こえてきた。


ノゾミ「ささっ、狭いけど座って、座って!!」


俊也は黙って座った。


俊也とノゾミ「・・・・・・・・」


二人の間に沈黙が続く。

どちらもカレーには手をだしていない。

するとノゾミが沈黙を破った。


ノゾミ「・・・まぁ・・た、食べよっっ!!いっただきまぁ~すっ!!」


ノゾミはがつがつと食べ始めた。

俊也はそれをすこし眺めてから小さな声で言った。


俊也「・・・い、いただきます・・。」


俊也はテーブルの上にあったスプーン(?)を取りカレーを一口食べた。

すると


俊也「ぅ・・・ぅ・・・」


ノゾミは俊也の異変に気付き慌てて言った。


ノゾミ「ど、どうしたの!?まさか詰まったの!?」


俊也は首を横に振った。


ノゾミ「・・・・じゃあ・・?」


俊也は涙を流していた。

ノゾミは何があったのか心配そうに聞いた。


ノゾミ「どうして・・泣いてるの??・・・・」


俊也はしばらく黙って考えた。


なんで

なんで涙が・・・??

たしかにお腹は減っていたけど・・

そうじゃない

別の、

別のなにかが・・

懐かしい・・・

なんでこんなに懐かしいんだろ??

なんでこんなにも苦しいんだろ・・・

俺は

俺は・・・


俊也はゆっくりと静かに嘘をついた。


俊也「・・・美味いから、つい涙が出ただけ。」


俊也は心配そうに黙って見ているノゾミを見て言った。


俊也「さぁ、食べようよ。」


ノゾミは思った。


なんで

なんで??

なんで君はそんなに無理をするの??

なんでそんなに苦しんでいるの?

なにがそんなに悲しいの?


ノゾミは口を開いた。


ノゾミ「・・・う、うん。」


二人はそのまま黙ってカレーを食べ始めた。





俊也はカレーの最後の一口を食べて言った。


俊也「の、ノゾミさん??」


ノゾミは身体を震わせて言った。

ノゾミ「な、なによ!?さん付けなんかして!!

気持ち悪いっ!!の、ノゾミでいいわよ!!」


俊也は恥ずかしながら言った。


俊也「・・・で、でも一様年上だし・・・」

ノゾミ「別にいいよ!!そんなの気にしてないし、って君年下なの!?」


俊也は答えた。

俊也「おれはまだ17歳です・・・・。」

ノゾミはそーなんだ的に答えた。


ノゾミ「ふーーん。まぁどちらにせよあんまりさん付けされるの好きじゃないから・・・」

俊也は一瞬考えて言った。


俊也「の、の、ノゾミ??・・・・」


俊也は自分で言ったことが凄く恥ずかしかった。

ノゾミは至って普通に答えた。


ノゾミ「何??」

俊也は疑問を打ち明けた。


俊也「なんで見ず知らずのおれにここまでしてくれるんですか?」


俊也は敬語を使った。

するとノゾミはかなり驚いていた。


ノゾミ「そ、それは、その!?な、なんというか・・。」


ノゾミは一度、言葉を遮ってから言い直した。


ノゾミ「困った子犬をほっとけない・・・的な性格なのよ・・・!?」


俊也はさっきよりノゾミの耳が紅くなっているのを見逃さなかった。

だがそこは言わずあえて冷静に答えた。


俊也「ふーん、俺は子犬か。」


ノゾミは慌てて訂正した。


ノゾミ「あ、あくまでもそれは例えであって・・・・」


ノゾミはその後の言葉に息詰まっていた。

俊也はそれを助けるように言った。


俊也「ごちそーさま。カレー美味しかったよ。」


ノゾミはその言葉にすがるように言った。


ノゾミ「あ、・・う、うん・・ありがとう・・・。」


ノゾミはいろんな意味を込めて言った。

俊也はふと時計を見た。


俊也「いつのまにかもう10時になってるな。」


ノゾミは付け加えるように言った。


ノゾミ「そ、そうだね・・・。」

その後、間髪入れずにノゾミは言った。


ノゾミ「きょ、今日はうちに泊まっていきなよ!!」


俊也はあっさり答えた。

俊也「じゃあ甘えさせてもらいます。」


ノゾミは食器を持って立ち上がって言った。


ノゾミ「君はそのベット使って寝ていいよ。私は床で寝るから。」


俊也は言った。

俊也「い、いや、ここは俺が床に寝るから、の、ノゾミがベットで寝て。寝てください。」


俊也は男として引けなかった。するとノゾミが

ノゾミ「いいって、君はお客さんだし、遠慮せずに使ってよ!!」


俊也は負けじと言い返した。

俊也「いいや、俺のほうこそお客なんだから床で寝る!!」


ノゾミは怒りながら言った。

ノゾミ「だからいいって言ってるじゃん!!」


俊也はあきらめずに言い返した。

俊也「だから俺もいいって――――――!!??」

ドゴンッッッ!!!


もの凄い音とともにノゾミの拳が俊也の顔の2、3cmの所の壁にめり込んでいた。

ノゾミ「いいって言ってるでしょ?」

俊也観念した。



俊也「は、はい・・・すいませんでした・・・。」

ノゾミは腕を組んで言った。


ノゾミ「わかってくれれば良いのよ?わかってくれればね?」


俊也は黙ってベットの布団に潜り込んだ。

しばらくはノゾミが食器を洗っている音が聞こえていたが、

音がしなくなりノゾミが部屋に戻ってきた。


ガチャ、バタン。


ノゾミは軽く聞いた。


ノゾミ「君、お風呂入る?よね?」


俊也は勢い良く起き上がって言った。

俊也「お、風、呂!?!?」


まさか

まさか風呂に入るのか!?

女の子の家の!?

ありえない

ありえない、夢でもありえない。


俊也「い、いや・・・え、遠慮しと――――」


俊也の視線の先にはノゾミが拳にグッと力を入れているのが見えた。

俊也は思った。

入ろう。

俊也は答えた。


俊也「―――とかずに喜んで入らさせて頂きます。」


するとノゾミが少し微笑んで言った。

ノゾミ「うん!!わかったよ、今沸かしてくるからちょっと待っててね!!」


ノゾミはそう言うと部屋から出ていった。

俊也は正直に思った。

逃げよう。

逃げなきゃいつ殺されてもおかしくない。

てか怖い。

俊也はそ~っと布団から抜け出そうとした瞬間


ノゾミ「待っててね??」


いつのまにかドアが半開きになっていてそこにはノゾミがいた。

しかも拳を見せながら言われた。

俊也はゆっくり布団に潜りながら答えた。


俊也「待ってます、かならず。」


バタン。

俊也は深くため息をついた。

俊也「はぁぁ・・・・・・。」


なんかこれ無理矢理な気がする・・・

絶対いじめだ

教育委員会に訴えてやる。

いや

やめておこう

そんなことしたら

間違いなく

殺される

確実に。

俊也はそんなことを考えながらお風呂が沸くのを待った。

耳をすませば聞こえてくるノゾミの鼻歌を聞きながら。


第7話につづく

黒い歴史でございます。

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