第59話 〜頂上〜
たどり着いた場所に。
アール
「おいおい、オイラ、今はこんな姿だが昔は人間だったんだからな?」
千夜&ノゾミ&アメス
「「「どう見たって機械、(よ)だ。」」」
アール
「オイラはなぁ、昔はし、・・・じゃ、なくて何でもない。」
千夜
「気になるわ。」
ノゾミ
「気になるね。」
アメス
「気になります。」
アール
「そう言われても、約束だからなぁ・・・」
千夜
「誰と?」
ノゾミ
「まさか・・・」
アメス
「アニキスさんと、ですか?」
アール
「そうだ・・・・・・・」
千夜
「あの人って一体どういう人なの?」
アール
「あの人は凄い。今まで会ってきた人が持ってないものを持っている。」
千夜
「・・・・・」
ノゾミ
「とにかく私達にはわからない、と?」
アール
「まぁな。」
アメス
「あたしにはよくわかりません・・・」
千夜
「まぁ、この際そんなことはどうでもいい。早く階段の昇り方を教えなさい。」
アール
「走れ。」
千夜&ノゾミ&アメス
「「「は??」」」
アール
「あの階段は時間が経つと消える。だから走れ。」
千夜
「い、意外と単純ね・・・」
ノゾミ
「もっと難しい仕掛けでもあるのかと思った。」
アメス
「いいじゃないですか、単純で。走ればいいんですね?」
アール
「まぁそうだ。」
千夜
「じゃ、走るわよ?」
ノゾミ
「うん!!」
アメス
「はい!!」
三人は螺旋階段を走って昇り始めた。
千夜
「はっはっ・・・!!」
ノゾミ
「はぁっはっ・・・!!」
アメス
「はっ・・はっ・・!!」
三人は順調に螺旋階段を昇り50メートル程まで来た。
その時下の方から階段が消えていくのが見えた。
千夜
「くっ・・・」
ノゾミ
「もう!!??」
アメス
「急ぎましょう!!」
三人はスピードをあげる。
階段もどんどんスピードをあげて消えていく。
千夜
「はっ、はっ・・・!!」
ノゾミ
「このままじゃ・・・」
アメス
「追い、付、かれる!!」
三人は塔の半分くらいまで来ていた。
だが階段は既に三人まで30段程しかない。
千夜
「まだ上は見えない・・・!!」
ノゾミ
「やばいわよ!!?」
アメス
「もしここから落ちたら・・・・」
下にいるアールはもはや米粒くらいの大きさ、落ちたら命はないだろう。
階段は残り20段。
千夜
「走るしかない!!」
ノゾミ
「こんなとこで・・・」
アメス
「死ねません・・・!!」
三人は尚走る。
だが階段は残り10段しかない。
千夜
「くっ・・・そ・・!!」
ノゾミ
「くあっ・・・・!!」
アメス
「ふぁっ・・・・!!」
三人の後ろには階段が5段しかない。
塔の頂上まではおよそ100メートル。このままでは間に合わない。
千夜&ノゾミ&アメス
「「「あぁぁあぁあぁぁあぁぁあぁ!!!!!」」」
ボコンッ。
次の瞬間三人の下の階段が消えた。
千夜
「なっ・・・・!?」
ノゾミ
「う、そ・・・・!?」
アメス
「っ・・・・・!?」
三人が死を覚悟した瞬間
カッ!!!!!!!!
三人の目の前は真っ白になった。
私は・・・・
どうなったんだ?
確か階段を昇っていて、
下から階段が消えていった。
必死に、
必死に走った。
けど、
頂上に着けなかった。
間に合わなかった。
階段が消え、
落ちた。
あの高さから落ちたら死ぬ。
私は死んだ。
そのはずだった・・・
千夜
「ぅ・・・・ぁ・・・」
千夜は体が触れている地面の冷たさで目を覚ました。
千夜は仰向けの体を起こした。
辺りはあまり広くもないどこかの上、たぶん塔の頂上だろう、軽く霧がかかっていて下は見えない。
それに二人、ノゾミとアメスの姿も。
千夜は何故かボロボロな体を支えながら立ち上がった。
千夜
「ノゾミ・・・・アメス・・・・」
千夜は本当に何故か動かなくなっている左足を引きずりながらそこにはいないはずの二人を探した。
千夜
「くっ・・・・・」
ドサッ。
千夜は足の痛みにがっくりと膝を付いた。
だめ、だ・・・
何、で・・・だ?
こん、なに体が・・傷、ついて、いて痛い・・・・
けどそれ以上に、
恐い。
二人がいないことが、
こんな少しの間離れ離れになっただけなのに、
寂しい・・・
ノゾミ・・・・
アメス・・・・
私は弱い、
こんなにも弱い。
千夜
「ぅ・・・ぅぅ・・・」
千夜はその場に伏せた。
―よ―・・ば――て―――さん――が・・・―――だ――い・・・―――
千夜
「ぇ・・・・・?」
千夜はその声に顔をあげた。
千夜
「だ、・・・・れ・・?」
千夜はその声の主を探すが辺りには自分しかいない。だが
―ち・・―よ―――ばっ・・て――!!!――――
徐々に聞こえてくる。
千夜
「この声は・・・・?」
この声は、聞いたことがある・・
聞き間違える訳はない。
これは・・・――――
バシュッ!!!
千夜の上で音がした。
???
「「千夜!!平気!!?」」
千夜は上を向いた。
そこにいたのは・・―――――
ドカッ!!
千夜
「痛たたた・・・・んで上から振ってくんだよ・・・」
ノゾミ
「しょうがないじゃない!?頑張ったのよ?」
アメス
「そうです!!頑張ったんです!!」
千夜
「二人共・・・・・!!」
ガバッ!!
千夜は二人を抱き寄せた。
ノゾミ
「なっ!?ち、千夜!?」
アメス
「わっ!?千夜さん!?」
千夜
「ごめん・・・・暫らくこうさせて・・・ノゾミ、アメス。」
千夜の声は震えていた。
ノゾミとアメスは目を見合わせた。
ノゾミ
「ったくしょーがないわね?」
アメス
「何があったか知りませんがはいです!!」
千夜
「あはは・・・・・」
三人は暫らくの間抱き合っていた。
千夜
「・・・うん!!大丈夫!!ありがとね?二人共。」
千夜は手を離した。
ノゾミ
「別にいいわよ!!」
アメス
「私達だって寂しかったんですよ!?」
千夜
「どうゆうこと?」
ノゾミ
「千夜も一人になったんでしょ?」
千夜
「二人もなったのか!?」
アメス
「はい!!一人になりました・・・」
ノゾミ
「でもね?私達はすぐ横にいたのよ。」
千夜&アメス
「「えっ!!??」」
ノゾミ
「私達は光に包まれたわよね?」
千夜&アメス
「「うんうん。」」
ノゾミ
「あれがどういうものだったかはわからないけど私達はここに移動させられた。」
千夜&アメス
「「うん。」」
ノゾミ
「でもまたよくわからないけど私達の間には何か邪魔するものがあった。そのせいで私達はお互いが見えなかった。けど感じあうことだけは出来たみたいなの?」
千夜&アメス
「「・・・んむ・・」」
ノゾミ
「まぁそこを試されたっぽいんだけどね?」
千夜
「でさぁ、どうする?」
アメス
「ここまで来ましたけど下りる階段が見当たりません・・・」
ノゾミ
「しかもアールが言ってた通り何もなかったよね?」
千夜
「あれなんじゃない?私達の絆?見たいなものがより深まったってとこに意味があったんじゃない?」
ノゾミ
「・・・・・・」
アメス
「・・・・・・」
二人は千夜を呆然と見ている。
千夜
「ど、どうしたの?」
ノゾミ
「い、いや・・なんというか、その・・・・」
アメス
「千夜さんがそういう・・・言葉を使うのが・・・変というか珍しい?」
千夜
「わ、私だってたまには言ったっていいじゃない!!」
千夜はほっぺを膨らませた。
ノゾミ
「あはは!!」
アメス
「あはは!!変な顔です!!」
千夜
「ぶぅ」
ノゾミ
「子供扱いされたくないならぶーたれない!!」
千夜
「わーったよ。」
アメス
「それてば行きましょうか?」
アメスは立ち上がった。
ノゾミ
「出口がわかったの!?」
千夜
「まじ!?どこどこ?」
二人は立ち上がりながら聞いた。
アメス
「?あたしは何も見つけてませんが・・・?」
ノゾミ
「じゃあどこに行くのよ?」
アメス
「下に。ですが・・・?それ以外にどこへ?」
千夜
「まぁ、策はあるのよね?」
アメス
「まかせてください!!三人で無事に下に行きましょう!!」
ノゾミ
「だからどうやって行くのよ?」
アメス
「二人共あたしの肩に掴まってください。絶対に離さないで。」
千夜
「うん。」
ノゾミ
「わかったわ。」
二人はアメスの肩を掴んだ。
アメス
「準備します!!」
アメスは槍を取り出し回し始めた。
ヒュンヒュンヒュン・・・!!!
アメス
「はぁぁぁぁあ!!!」
ゴォォォォ!!
アメスの槍に炎がついた。
アメス
「行くよ!!カーフル、ストライク!!炎流突破!!」
アメスは槍を地面に向け放った。
ドゴォォン!!
アメス
「いっけぇぇぇぇ!!!」
ヒュゥ・・・
千夜&ノゾミ&アメス
「ぁぁあぁぁ・・―――」
第60話へつづく
次で塔話終盤です。
予想外の話しが待ってます。




