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第41話〜事件〜

めくられる、過去。

刃界

「く、黒い・・・・、おじさん・・・・」

刃界は意外にもおじさん、と言われた事がショックだったらしい。

それもそのはず、その時の刃界の実年齢は23歳なのだから・・・・

「ははっ!!刃界よ、おぬしも落ち込むのだな?」

ノゾミ

「???のぞみがわるいの??」

刃界は咄嗟に言った。

刃界

「ち、違います!!すみません!!姫様!!」

「まぁ、自己紹介はここまでにしておこう、刃界は準備は出来ていたのだな?」

刃界

「はっ!!その点は抜かりはありません!!」

「うむ、それでは行くとするか。」

ノゾミ

「はぁ〜〜い。」

二人はテラスにいる刃界のもとへ歩いた。

刃界

「それでは私にお掴まり下さい。」

「うむ、ノゾミ?この人を掴んでくれ。」

ノゾミ

「つかまる、つかまる!!」

意味不明に跳び跳ねながら刃界のズボンにしがみ付いた。

王も黙って刃界の片に手を乗せた。

刃界

「では。・・・アンダーアクト!!射撃場へ!!」

その瞬間は三人は光に包まれた。




ドォォォン・・―――

三人はどこかの森の中にいるようだ、そこには射撃の的と思われる木が作られて立てられている。

刃界

「ここです。」

「うむ、よく結界を通り抜けられたの?」

刃界

「いえっ!!王の命令のうえ、あの時だけ結界を外し、合図をしたらまた外すように、と。」

「すまんな、おぬしに頼りっぱなしで・・・・」

刃界

「そ、そんなことはありません!!」

その時刃界のズボンをノゾミが引っ張った。

「ノゾミ?どうかしたのかい?」

ノゾミ

「うぅ、きもちわるい・・・・」

ノゾミはかなり顔色が悪い。

どうやら先程の移動の時に酔ってしまったようだ。

「大丈夫か!?刃界!!城に戻るぞ!!」

刃界

「はっ・・?よ、よいのですか?」

「止むを得まい・・・」

その時ノゾミがまた刃界のズボンを引っ張り今度は刃界に言った。

ノゾミ

「く、くろいおじさん・・・まだ、かえりたくないよぉぉ・・・あそびたい。」

刃界

「え?あ、その・・・王?」

「しかしノゾミの体が・・・・」

ノゾミ

「だいじょぶ・・・すこしやすめばへいきだから・・・おとーさん、おねがい・・・」

王はしばらく黙り込み考えた。

「・・・・わかった、だけど少しでも気分が悪くなったら帰るからな?よいな、ノゾミ。」

ノゾミ

「うん!!ありがとっ!おとーさん、だぁぁいすきっっ!!」

ノゾミは王に抱きついた。

バッ!!

「ははっ!!父さんはノゾミのためなら何でもするさ!!」

刃界は思った。

よかったですね、王。

その後ノゾミは少し休み元気が戻ったようだ。

ノゾミ

「げんきになったぁ!!」

「そのようだな、ではやってみなさい。」

ノゾミ

「うん!!」

ノゾミは一つ目の的に銃口を向けた。

刃界はその時の姫の真剣になった目を見落とさなかった。

ドォォォン!!

「なっ・・・・・・・」

放たれた銃弾は見事に的の中心を撃ち抜いていた。

ノゾミ

「いやっっったぁぁぁ!!!!あたったぁ!!」

ノゾミは飛び跳ねている。

当たった?・・・・まさかな。

まぐれだろうな・・・・

刃界は考え直した。

「ノゾミは凄い!!練習してたのかい?」

ノゾミ

「してないよ?やるなっていわれてたから・・・」

ノゾミは急に落ち込んだ。

刃界

「姫様、もう一度やって頂けませんか?」

刃界はうまくフォローした。

ノゾミ

「くろいおじさんがやってよ?」

刃界

「私、ですか?」

ノゾミ

「うん!!ひとりじゃつまんないもん!!」

ノゾミは銃を刃界に差し出した。

刃界

「い、いえ・・・私はそのような事は・・・」

刃界はめずらしく焦っている。

「刃界、ノゾミの言うとおりにしなさい。」

刃界

「し、しかし・・・銃は使ったことが・・・」

「ならば、その刀で斬るのはどうだ??」

ノゾミは不思議そうに言った。

ノゾミ

「かたなぁ??なぁに、それ?」

刃界は仕方なく腰にある刀を抜いた。

刃界

「これのことです。」

ガチャ。

ノゾミ

「かして、かして!!」

「仕方ない、貸してあげなさい。」

刃界

「・・・・はっ・・」

刃界は姫に刀を手渡した。

ノゾミ

「とっ・・・・うわぁっ!?」

ノゾミは刀の重みに耐え切れず刀の先の方が地面に刺さった。

刃界

「やはり、無理なのでは?」

「うむ、では先程言ったが、斬ってみるのだ。」

刃界は刀を握った。

刃界

「一度だけですよ?王。」

「わかっておる。」

刃界

「・・・・・・・・・」

刃界は二つ目の的の前に立ち集中した。

ズバッ・・・・キィー・・・キンッ。

刃界は刀を鞘に戻した。

すると的はすっぱりと真っ二つに切れた。

刃界

「これでよろしいでしょうか?」

「うむ、さすがだな、刃界。」

ノゾミ

「おじさんすごい!!ねぇ、もっかいやってよ!!」

ノゾミは目を輝かせている。

「これこれ、刃界に無理を言うでない。」

ノゾミ

「ぶぅ・・・・・」

ノゾミは膨れていた。

刃界は城の方を見た。

それそろ時間が・・・

刃界

「王、そろそろ時間です。」

「おぉ、そうだったな。ノゾミ、帰るぞ。」

ノゾミ

「え!!?もうかえるの!!まだあ〜そ〜び〜た〜い〜!!」

「わがままは言わない。母さんに怒られるぞ?」

ノゾミはその言葉で刃界のズボンを掴んだ。

ノゾミ

「かえろっ!!おじさん!!おとーさん!!」

三人はまた城のノゾミの部屋に移動した。

ドォォォン・・・・

刃界

「着きました、王。」

「今日は助かったぞ、刃界。」

刃界

「役に立てたようで、何よりです。」

ノゾミ

「ふぅあぁぁねむい・・・・」

「じゃあベットで寝なさい?ノゾミ。」

ノゾミ

「うん・・・きょうはありがとぅ・・・おとーさん。」

ノゾミはそういうとふらふらと自分のベットに歩いていった。

刃界

「王、私はこれで失礼してもよろしいでしょうか?」

「そうだな・・・ではじ・・――――」

バゴンッッ!!!

部屋の扉を強く開ける音がした。

???

「あなた!!!!」

そこにいたのは綺麗な服を着ている女性がいた。

その女性の髪は黒く、床まで伸びている、容姿は誰がなんと言おうと美人である。

刃界

「お、お妃様!!?」

刃界はその場で片膝、片腕を地面についた。

「か、母さん・・・何でここ・・・――――」

バキッ!!

一瞬の内に妃は王を殴り飛ばした。

ズサァー!!

「な、何をす、・・――――――がっ!?」

ドッ。

妃は足で王の大事な所を踏み潰した。

刃界

「・・・・・・」

お妃様・・・

あの人だけには逆らえない・・・

王、我慢してください。

「あなたぁ・・・どーゆうことぉ?ノゾミを外に連れていって、説明しなさい。」

王は既に悶絶していて答えることが出来ない。

「ぁ・・・・ぅ・・・ぁ・・・」

刃界は正直恐かったが王と妃の間に割り込んだ。

刃界

「お、お妃様、これには深い訳がありま・・――――――」

バキッ。

妃の足が刃界を横に蹴り飛ばした。

刃界はテラスの端まで吹き飛ばされた。

刃界

「がっ・・・・・」

「邪魔、あんたに聞いてない。」

妃は王の方に向き直った。

「さぁ、あなた話して・・・・・れ??」

先程までそこに倒れていたはずの王はいなくなっていた。

ガ、チャ・・・・・

「!!!!!!」

王は部屋から出ようとした時

ヒュッ・・・―――ドゴォォン!!!!

「なっ・・・・・!!?」

王の顔の前の扉の壁には妃の拳が半分以上めり込んでいた。

王はその場で両膝をついた。

ドサッ。

「も、もう逃げませんから許して下さい・・・」

「わかればいいのよ?じゃ、部屋に戻ってゆっ、くり話しを聞かせてもらいますからね?」

「はい・・・・・・」

妃は王の首根っ子を掴みズルズルと引きづりながら部屋を後にした。

バタンッ!!

刃界は顔を押さえながらゆらりと立ち上がった。

刃界

「あ〜、痛い・・・・まったく加減し・・――――」

「いい忘れてたけど、あんたも連帯責任だから後で覚悟しときなさい?じゃっ。」

いつのまにか扉が半開きになっており、その時の王の顔が既に変形しているのを刃界は見逃さなかった。

刃界

「肝に命じて起きます・・・・」

バタンッ!!

その時あまりにも騒がしかったので姫が起きたようだ。

ノゾミ

「んぅ??、なにかおきたの?」

刃界

「いえ、何も。ごゆっくりお眠り下さい。」

ノゾミは返事を聞く前に既に寝ていた。

刃界は黙って部屋を出ていった。

刃界はまたあの手摺りに腕を乗せ沈みゆく夕陽を眺めながら思った。

逃げようかなぁ・・・

その日は夜遅くまで奇妙な爆音が鳴り響き続けた。

間違いなく妃の拳がうねりをあげていたということは刃界しか知らない。

そしてその日は後に『妃最強伝説』の記念すべき日になっておろうとは誰も知らない。

第42話へつづく

その先に待つのは…

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