第40話〜過去〜
次なる物語、それは
二人は月を見上げていた。
ノゾミ
「・・・月が綺麗だね?」
俊也
「そうだな。」
ノゾミ
「まだ・・・怒ってる?」
俊也
「別に?何でさ?」
ノゾミ
「その・・・いろいろあったから・・・」
俊也
「じゃさ、一つ聞いてもいいか?」
ノゾミ
「何・・・・?」
俊也
「ノゾミがお姫様って本当か?」
ノゾミ
「うん。」
俊也
「お城とかに住んでたりしたのか!?」
ノゾミ
「お城?一様いたけど・・・」
俊也
「広いのか!?」
ノゾミ
「ま、まぁね・・・?」
俊也
「お姫様ってどんなことしてるんだ??」
ノゾミ
「う〜ん、大体は普通の子と同じかな?10年も前の事だから・・・・」
俊也
「・・・・・そこに行こう。」
ノゾミ
「はぃ??」
俊也
「ノゾミの故郷『ゼバリース』に!!!」
ノゾミ
「嫌よ!!私はあそこに帰りたくないの!!」
俊也
「その日にあった事件のことか?」
しばらくノゾミは黙っていたが口を開いた。
ノゾミ
「10年前のあの日・・・・私は自分の部屋にいた。―――――」
ノゾミは語りだした。
― 10年前 ―
???
「おぉーい、誰か!!誰かいないのか?」
その人はどうやら城の中にある玉座に座っている。
その人はいかにも王様のような赤いマントを羽織い髭が鼻の下に少しあり、顎の下にも髭が生えており顔全体的にいうと一見優しそうなのだが厳しい面もある、そんな王であった。
そしてどこからか誰かが走って玉座の前で片膝、片腕をついて言った。
???
「王、何か?」
王
「おぉ、刃界か?これこれ、二人きりなのだから顔を上げなさい。」
刃界
「いえ、それはできません・・・」
その刃界と呼ばれる男はまだ二十歳前後で両耳の後ろから髪が三本ハリネズミのように尖っており前髪は虫の触角のように二本、髪が降りている。ほかの部分は髪の後ろで束ねられている。
王
「まぁよい。さて刃界よ、一つ頼み事をしたいのだが・・・・」
刃界
「はっ!!なんなりと思うしつけ下さい!!」
王
「実はな・・・・最近娘が冷たいのだ・・・・」
刃界
「・・・・姫様、ですか?」
王
「うむ。私は先程、部屋に行ったのだが・・――――――」
― 10分前 ―
王は部屋の扉の前にいた。
コンコンッ。
王
「私だ、入ってもいいか?」
部屋の中から声が聞こえてきた。
???
「どーぞ。」
王は部屋に入った。
ガチャ、バタン。
その部屋はまさにお姫様の部屋というほどに広く部屋に散らばっている玩具が小さく見える。
そしてそこには床に座り込んでいる一人の小さな女の子がいた。
その子はまだ10才にも満たないような体で髪の色は黒で、寝癖を直していないのかいろんな方向に飛び跳ねていて、目は大きく口は小さく耳がほんのり紅くなっている。
女の子
「なぁに?おとーさん。」
王
「いやなに・・・ちょっとノゾミと遊ぼうかと・・・」
ノゾミ
「いいよ、おとーさんつまんないし。」
王
「そ、そんなこと言わずに・・・・ね?」
ノゾミ
「べ!!おとーさんなんかとあそんであげない!!」
ノゾミは王にむかってあっかんべぇをした。
王
「ぐっ・・・・・わかった・・・じゃあね?」
王は落ち込みながら部屋を出た。
その時後ろからノゾミが手を振りながらばいばぁーい、と言っていた。
王
「・・・―――ということなのだが・・・」
刃界
「はぁぁ・・・・・経緯はわかりましたが、私は何をすれば・・・・?」
王
「実はな・・・パーティーをやろうと思うてな?」
刃界
「パーティー、ですか?」
王
「うむ、そこでなんとか娘と仲良くなりたいのだがなぁ・・・」
刃界
「勝手な意見、無礼申し上げます!!私が思うに姫様は普通にパーティーをやるだけでは王と仲良く?とはならないのでは・・・?」
王
「うむ、・・・そうなのじゃよ。」
刃界
「無礼なことを申し、すいませんでした!!」
王
「いや、よいよい。して刃界、おぬしに頼みたいことはその工夫を考えてほしいのだが・・・・」
刃界
「工夫・・・ですか?」
王
「何か思いつきそうか?」
刃界
「姫様が好きなものは・・・・?」
王
「・・・・残念ながら私にもわからないのだ・・・」
刃界
「何か・・・姫様が興味が湧くものがあればよいのですが・・・」
王
「う〜む、・・・・やはりあれしかないのか・・・」
刃界
「??・・・あれ、とは?」
王
「射撃だ。」
刃界
「失礼ながら意見申します!!姫様が好きな事は射撃なのですか?」
王
「そうなのじゃ、私が上げた玩具の銃をえらく気に入ってな?しまいには兵から銃を盗ろうとしたのだ。無論それはすぐに取り上げたのだが・・・はっ!!まさかそれが原因か!?」
刃界
「例え、そうだとしても姫様に銃は危険過ぎます!!」
王
「だが・・・・ならばどうすれば・・・」
刃界
「一つ、・・・・提案があるのですが?」
王
「本当か!?申して見ろ!!」
刃界
「はっ!!まず王が姫様に・・・――――」
刃界はその提案を語りおわった。
刃界
「・・―――どうでしょうか?これならば王と姫様が仲良くなれるのでは・・・」
王
「確かに・・・・じゃがそうなると娘が少し危険に・・・」
刃界
「大丈夫です。王もいることですし、私も恐れ多くも影で見まもります故。」
王
「そうだな・・・・それならパーティーをやるよりはよいな。わかった、明日の朝やってみるとしよう。刃界よ、準備を頼んだぞ?」
刃界
「はっ!!勿体ないお言葉です!!かならずや役に立ちます!!」
王
「うむ、期待しておるぞ?・・・ふぅ、私は少し疲れた、今日はもう寝る。」
刃界
「ごゆっくりと、では!」
そういうと刃界は玉座を後にした。
ギィィィ、バッッ・・タンッッ・・・!!
刃界はそこからすぐの手摺りに腕を乗せ、眼下に広がる城下を見下ろした。
刃界
「はぁ、・・・王様って親バ、・・・ではなくあ、あまり子のことを気に掛けすぎな所があったとはなぁ・・・意外だ。」
刃界はどこかに向かい歩き始めた。
刃界
「さぁて・・・明日に備えて準備を始めよう。」
― 翌朝 ―
コンコンッ。
王
「ノゾミ?起きてるか?私だ。」
・・・・・
しばらく返事は返って来なかった。しかし数分後にかなり寝呆けた声が聞こえた。
ノゾミ
「う、こんなあさはやくからなんのよぅ??」
ノゾミは扉を半開きにしながら目を擦っていた。
王
「実はな・・・・・これだ!!」
王は銃をノゾミの前に出した。
するとノゾミの眠気は完全に吹っ飛んだようだ。
ノゾミ
「!!!!!お、おとーさん!!もうそれはあそんじゃだめだって・・・・」
王
「今日はいいんだ、好きなだけ使いなさい?」
王はノゾミに銃を上げた。
ノゾミ
「・・・・・・でも、おかあさんにみつかったらおこられちゃうよ・・・・?」
王
「安心しなさい?お母さんには内緒だから。」
ノゾミ
「ないしょぉ??」
王
「これはお父さんとノゾミだけの秘密だよ?」
ノゾミ
「ひみつ?・・・ひみつ!!ひみつ!!」
ノゾミは両手で銃を抱えたまま飛び跳ねた。
王
「ははっ。ノゾミが喜んでくれてうれしいよ?それじゃとっておきの場所に案内しよう。」
ノゾミ
「とっておきのばしょ??」
王
「そうだよ?行ってからのお楽しみ!!さぁ、行こうか、ノゾミ。」
ノゾミ
「うん!!いこっっ!!おとーさん!!」
ノゾミは王の手を握った。
王
「それじゃ・・・・ノゾミの部屋に入ろうか?」
ノゾミ
「なんで??どうして??」
王
「いいから、いいから?ね?」
二人はノゾミの部屋に入った。
その部屋の大きなベランダ、むしろテラスに刃界が待っていた。
刃界
「お待ちしておりました、王様。こちらの準備は出来ております。」
王
「うむ、ご苦労であったな・・・それでは・・――――――」
その時ノゾミが王の服の袖を引っ張って聞いた。
ノゾミ
「ねぇ、あのひとだぁれ??」
王
「そうだな、あの人は・・――――」
バッ!!
急に刃界が片膝、片腕を地面に付けた。
刃界
「姫様!!私の名は榊刃界と申します!!今回、姫様を見ることが出来て大変嬉しく思います。以後、お見知りおきを!!」
ノゾミ
「さかきじんかぁい??」
刃界
「はっ!!なんなりとお申し付けを!!姫様!!」
ノゾミ
「あなたのおなまえは、なぁに??」
刃界
「はっ・・・・??」
王
「これこれ、刃界を困らせるでない、ノゾミ。」
刃界
「いえ!!滅相もございません!!どんな名でもかまいません!!」
王
「だ、そうだぞ?ノゾミが何かあだ名を付けてあげなさい?」
ノゾミ
「うん・・・・・じゃあくろいおじさん!!」
これがノゾミと刃界の出会いだった。
第41話へつづく
過去を旅する物語。




