第39話〜真実〜
願いを叶えて想いを語る。
俊也とノゾミは抱き合っていた。
俊也
「・・・・なぁ?」
ノゾミ
「ん?」
俊也
「恥ずかしいんだが・・・」
ノゾミは耳を紅くして俊也から離れた。
ノゾミ
「ご、ごめん!?」
俊也
「いや、謝らなくても・・」
ノゾミ
「うん・・・・」
急にノゾミは黙り込んでしまった。
俊也
「・・・・・ノゾミ?」
ノゾミ
「ずっと・・・探してたんだから・・・」
俊也
「あぁ、心配掛けて悪かったな。けど俺だって頑張ったんだからなぁ!?」
ノゾミ
「でも・・・・なんでこんなに時間掛かったの?」
俊也
「い、いやぁ、あの後・・・――――」
その時俊也の後ろから大声が聞こえた。
千夜
「ガキ!!!そいつから離れろ!!?」
俊也
「え?何でだよ。・・―――」
ノゾミ
「!!??と、俊也早く!!」
ノゾミは俊也の腕を掴んだ。
俊也
「だからノゾミまで何で!?う、うわっ!?」
俊也は強制的にノゾミに引っ張られて走りだした。
千夜
「待てっ!!もう・・・もう二度と仲間を殺させるもんかぁぁぁ!!!!」
千夜は追い掛けながら銃を取り出した。
ノゾミ
「俊也!!走って!!」
ノゾミが俊也の腕を引っ張るが俊也は呆然と立ち尽くしている。
俊也
「殺した?・・・仲間を?・・・ノゾ、ミが?」
その瞬間俊也はノゾミの掴んでいた腕を振り払い千夜に向かっていった。
千夜
「ガキ・・!?」
千夜は足を止めた。
俊也は千夜を押し倒した。
ドカッ!!
千夜
「な、何すん・・・―――」
俊也
「さっきのはどういうことだ!!!!!ノゾミが人を殺すなんてあるわ・・―――――」
その時後ろから静かに、だがはっきりと聞こえた。
ノゾミ
「本当よ。私が人を殺したの・・・」
俊也
「ノ、ゾ、ミ・・・??」
俊也は千夜を押さえるのを止め立ち上がった。
俊也
「嘘・・・だよな?」
ノゾミ
「・・・・・・」
その時後ろで立ち上がった千夜が言った。
千夜
「あいつは・・・・私の仲間を殺したんだ!!」
俊也
「千夜!!嘘付くな!!ノゾミがそんなことするわけないだろ!!?」
ノゾミ
「俊也はその人、柳本隊長が言ってる事は本当よ。」
俊也
「なっ・・・・・」
俊也は今、頭の中がこんがらがってしまい理解ができない。
千夜
「そいつは・・・昔私の部下だったんだ・・・・けどあの日、仲間を殺した。私の目の前で。」
千夜は今にも泣きそうな声で言った。
俊也
「・・・・・・」
ノゾミ
「俊也・・・黙っててごめん。やっぱ私の事嫌いになったよね?・・・」
俊也
「・・・・・・」
俊也は黙っていることしか出来なかった。
その時刃界がこちらに走ってきた。
刃界
「おっ!!小僧!!小娘!!それと・・・・・」
刃界は立ち止まった。
千夜
「おい。木偶の坊、今取り込・・・――――」
刃界は突然ノゾミの前に走りだした。
ノゾミ
「あなたは・・・・・」
刃界
「お忘れですか!?私です!!榊刃界です!!」
ノゾミ
「榊・・・・さん?」
刃界
「思い出してくれましたか!?姫様!!」
俊也はその言葉で意識が戻った。
俊也
「姫・・・・様??」
千夜
「ど、どういうことだ!?木偶の坊!!」
刃界
「どうもこうもない。この方は・・――――」
ノゾミ
「さ、榊さん!!黙って!!」
刃界
「はい・・・・??」
刃界は素直に黙った。
俊也はゆっくりノゾミに近づいた。
俊也
「ノゾミ・・・・??」
ノゾミ
「もう、俊也との旅は出来ないね?・・・」
俊也
「なっ・・・・」
千夜
「ノゾミ、説明しろ。」
千夜はいつのまにか俊也の後ろにいた。
刃界
「おい。小娘、口の聞き方に気をつ・・・―――」
ノゾミ
「榊さん。いいです、私から本当の事を話します。」
そう言うとノゾミはどこかへ歩きだした。
刃界
「・・・・・付いて来いだとよ。」
刃界はノゾミについて歩きだした。
俊也
「・・・・・・」
千夜
「ガキ、行くぞ。」
俊也
「・・・・・・・・あぁ。」
二人は後を追い歩き始めた。
しばらくすると一軒の宿に付いた。
刃界
「予約はしてある、入れ。」
ノゾミと刃界は先に宿に入った。
千夜
「・・・・ガキ、その・・さっきはきつく言って悪かった。」
俊也
「・・・・・・・・・あぁ」
俊也はそう答えると宿に入っていった。
千夜
「・・・・・・・」
千夜は少し間を置き宿に入った。
四人は今宿の一室にいる。その部屋にはベットが三つあり窓側のベットに座っている俊也、その横のベットには千夜、最後のベットにはノゾミ、刃界は壁に寄り掛かっている。
刃界
「俺が話そうか?ひ・・・――――」
ノゾミ
「榊さん、ノゾミでいいです。それと私が説明しますから。」
刃界
「わかった。」
千夜
「・・・・・・」
俊也
「・・・・・・」
ノゾミ
「それでは説明しま・・――――」
俊也
「敬語はやめてくれ。」
俊也は窓の外を見ながら冷たく言った。
ノゾミ
「・・・・ごめん。」
千夜
「で、何なんだ?」
ノゾミ
「は・・・うん、私は今は無くなった国、『ゼバリース』という国の姫なの。でも私はある事件をきっかけに逃げだしたの、そして辿り着いたのが『ラクム』王宮がある国よ。私はそこで兵として入隊した、そしてそこで柳本隊長に出会ったの、私はその部下となり前線で国を襲う魔物と戦ったわ、でも私はある日の事件で仲間を殺したの。だから私はその国の牢獄に入れられたけど、脱獄して彷徨い歩き辿り着いたのが辺境の地『レギンピーク』だったの。」
俊也
「・・・・刃界さんが探してたのは・・・?」
刃界
「あぁ、姫だ。王の命令でどんなことがあろうとも連れ帰れ、とな。」
俊也
「・・・殺したのか。本当に。」
俊也は唐突に言った。
ノゾミ
「・・・・えぇ、隊長もいたから。」
千夜
「私は見た、ノゾミがあの銃で仲間を撃ち抜いた瞬間をな!!」
千夜の言葉には怒りと憎しみが込められていた。
刃界
「・・・水を差すようで悪いが姫は連れて帰らせてもらう、すまないが旅にはついていけない。」
千夜はベットから勢いよく降りた。
千夜
「木偶の坊、それはできない。」
刃界
「な、に・・・・・?」
千夜
「私の目的はこいつを殺すことだからな!!!」
ガチャ!!
千夜は銃を取出しノゾミの顔の前に突き付けた。
刃界
「てめぇ・・・!!」
刃界は刀を抜こうとした。
千夜
「動くな。」
刃界
「ぐっ・・・・」
千夜はノゾミな方に向き直った。
千夜
「お前のことは一日たりとも忘れたことはない!!かならずこの手で殺す!!」
ノゾミ
「・・・・・わかったわ。」
刃界
「姫!?!?何を・・・!!」
ノゾミ
「いいの、私は隊長の部下であり仲間を殺した、それは償わなきゃいけない。」
刃界
「し、しかし!?」
千夜
「いい覚悟だな・・・安心しろ、お前を殺した後私は私で始末をつける!!」
その時俊也はベットから飛び降りた。
俊也
「ふざけるな・・・・」
ノゾミ
「え・・・・・?」
俊也
「勝手にどんどん話し進めてさぁ、ノゾミは姫?刃界さんが探していた?千夜はノゾミへの復讐?しかもその後自分で始末をつける?勝手なこと言ってんじゃねぇ!!!!そんな復讐なんてさせない!!ノゾミを連れて帰らせはしない!!お前らは俺の仲間だ!!誰一人として死なせはしない!!」
俊也は言い終わると部屋から出ていった。
バタンッ!!!!
刃界
「・・・・・・・小僧。」
千夜
「・・・・・・・ガキ。」
ノゾミ
「俊也・・・・・・」
千夜は銃をしまった。
千夜
「・・・・行けよ。」
ノゾミ
「え?・・・・」
千夜
「早く追い掛けろって言ってんだよ!!!」
ノゾミ
「でも・・・・今の私には・・・」
刃界
「・・・・行ってくれ。」
ノゾミ
「榊さん?」
刃界
「早く小僧を追い掛け・・・!!!て、下さい・・・」
ノゾミ
「・・・・・はい!!」
ノゾミは部屋から出て俊也を追い掛けた。
千夜
「いいのか?」
刃界
「うるせぇ、・・・てめぇこそ復讐はどうした、あぁ?」
千夜
「・・・知るか!!もう寝る!!」
千夜はそう言うと布団に潜った。
刃界
「けっ・・・・俺も甘いな。」
ノゾミ
「俊也!!!」
ノゾミは走る俊也に言ったが俊也は止まる気配はない。
俊也はついには町の入り口まで来てしまった。
俊也
「・・・・・・」
なんで止まったんだろう?ここで。
するとノゾミが俊也に追い付いた。
ノゾミ
「はぁ、はぁ、はぁ・・・俊也・・・?」
俊也は黙っている。
ノゾミ
「・・・・黙っていてごめんね・・?でも私、」
俊也
「もういい。」
ノゾミ
「え?」
俊也
「ノゾミが誰だろうと、千夜の復讐とか、刃界さんの目的なんかいい。俺は・・・・」
俊也は一度間を開けて言った。
俊也
「俺は俺が守ると決めたらなんだろうと守ってみせる!!!約束する!!」
ノゾミ
「俊也・・・・・」
俊也
「あぁ?もう二度とああいう類の話しは御免だからな?」
ノゾミ
「うん・・・わかってる。」
そして二人は夜空に輝く月を見上げた。
第40話へつづく
行く先に待つ二人の運命。




