第33話〜突破口〜
言葉は人を簡単に傷付ける。
ドォォォン!!!
俊也は目をつぶっていた。
どうなったんだ?
俊也はゆっくり上を見た。
そこには先程の岩がなくなっており周りの岩も破壊されていた。
俊也
「や、やればできるもんだな・・・って早く森へ!!」
俊也は小包みを掴み森に隠れた。
俊也
「ふぅ、あぶなかったぁ・・・」
俊也は近くの木に腰を下ろした。
そして小包みの中の箱を開けた。
俊也
「あ、またサンドウィッチだ。」
箱の中にはあふれんばかりのサンドウィッチが敷き詰められていた。
真美さんって・・・
サンドウィッチしか作れないのか?
いや、たぶん違う。
師匠なんだから信じたい・・・
俊也はサンドウィッチを一つ掴み口に入れた。
俊也
「美味い・・・」
俊也はその後、猛烈な勢いで食べおわった。
俊也
「ごちそーさま!!あー美味かった。」
俊也は腹を叩いた。
俊也
「さぁて、問題はこれからだな。」
とりあえずさっきはなんとかなったけど、あんな偶然が重なる程甘くはない。
と、なると常時使えるようになってた方がいいな。
・・・でもやっぱり使う気が合っても使えないときはまったく使えないしな。
俊也
「う〜ん・・・・」
何か、何かいい方法はないのか・・・?
そうだ!!!
あの力を使って空を飛んでいけば崖を越えられる!!
飛べれば、の話しだけど・・・・
俊也
「とりあえず、練習あるのみ!!」
俊也は立ち上がり木に手の平を向けた。
俊也
「カギよ!!我に力を貸したまへ!!」
・・・・・
・・・・・
やっぱダメか・・・
そうだよな。
これじゃあ何をして欲しいのかもわからない。
なんか目的がなきゃ、使えないのか?
目的、目的・・・・
俊也
「閃いた!!」
俊也はなんのちゅうちょもなく崖の前に行った。
するとまた上から岩が落ちてきた、いや降ってきた。
俊也
「さぁて、一か八か。賭けてやるぜ!!」
ドォォォン!!!
俊也は一つ目の岩の上に飛び乗った。
俊也
「カギよ!!我の風にしたまへ!!」
俊也は落ちる前の岩に向かってジャンプした。
トッ。
俊也は岩を蹴り次に降ってきた岩、また次の岩へと風のように飛び乗りどんどん上に登っていく。
俊也
「なんだこれ!!」
トッ。
俊也
「体が!!」
トッ。
俊也
「めっちゃくちゃ!!」
トッ。
俊也
「軽い!!」
ドンッ!!
俊也は最後の岩を蹴りてっぺんの地面に着地した。
ドン。
俊也
「登ったぁぁぁ!!!!」
俊也は両手を上げて喜んだ。
俊也
「あ?・・・」
俊也は自分がどういう状況なのか理解した。
俊也の周りにはすでにかなりの数の馬猿が囲んでいた。
俊也
「ひ、久しぶりですね・・・げ、元気でしたか?」
俊也は後ろに下がりながら言った。
ガラッ。
俊也
「うわぁっ!!?」
俊也はそこが崖っぷちだということを思い出した。
ぜっ、絶体絶命の大ピーンチ!!
俊也
「み、皆さん?話し合えばわかりあえますよ?ね?」
馬猿達はじりじり距離を詰める。
話しを聞く気はさらさらないようだ。
俊也
「くっ・・・・」
俊也は馬猿の動きに集中した。
俊也
「・・・・・・・・」
馬猿達は俊也に一歩、また一歩近づいていたその時
ポトッ。
俊也は何かが落ちたことに気付いた。
馬猿達もその小さな音で一旦下がった。
俊也
「これは・・・・・?」
俊也が見た場所には真美さんからもらったお守りのようなもの、が落ちていた。
俊也はすぐにそれを拾った。
師匠・・・・
そうだ、ここまで来たらこんなやつらに足止めなんかされてる場合じゃない!!
俊也
「・・・、おい!!」
馬猿達は少し驚いていた。
俊也
「さっさと掛かって来いよ!!腰抜けが!!」
言っちゃったよ・・・
どうやら馬猿達の気に障ったらしく馬猿が一匹、また一匹と俊也に襲いかかってきた。
馬猿達
「ウッヒヒーン!!!」
俊也は一番近い馬猿に狙いを定めた。
馬猿
「ウッヒン!!」
馬猿は腕を奮った。
ブンッ!!
俊也
「ふっ・・・・!!」
俊也は下にしゃがみそれを躱した。
ザッ!
俊也はそのまま馬猿の股の下をくぐりやつの後ろに回った。
馬猿
「ウヒッ!!?」
馬猿は反応出来ていないようだ。
俊也
「はぁぁぁぁぁ!!!!」
俊也は馬猿の左足を思いっきり蹴った。
ドッ!!
馬猿
「・・・・ヒッ??」
馬猿にはまったく効いていないようだ。
俊也
「あ、あはは・・・そううまくはいかないか・・」
次の瞬間もう一匹の馬猿が俊也の後ろに来た。
ザザッ。
馬猿
「ウッヒヒン!!!」
その馬猿は俊也に向けて腕を奮った。
ブンッ!!
だが俊也はそれにギリギリで気付き横に飛んで躱した。
ザッ!!
俊也
「くっ!!」
俊也が移動した先には三匹の馬猿が既に腕を振り上げていた。
馬猿三匹
「ウヒッ・・・!!!」
ブブブン!!!!
俊也
「なっ・・・!!!??」
俊也は後ろに下がろうとしたが先程の二匹が腕を振り上げていた。
俊也は急いでまた横に飛ぼうとしたが既に遅かった。
バキ、!!バキ!!・・・バキ!!!
俊也
「ぁ・・・・ぁ・・・・」
俊也は馬猿三匹の攻撃をもろにくらった。
俊也は体を震わせながら膝を付いた。
ドサッ。
俊也
「がっ・・・・ぁ・・」
俊也は顔面に一発、胴に二発くらっており顔からは血が流れており腹部からも血が滲んでいる。
や、やべぇ・・・
今の三発はかなり効いたぁ・・
くそっ、頭がくらくらしてきた・・・。
俊也は腹を押さえ動けずにいた。
その俊也に追い打ちをかけるように今度は先程の後ろにいた二匹の馬猿達の攻撃が炸裂した。
馬猿二匹
「ウ〜ヒヒッン!!!」
ドゴッ!!・・・バキッ!!
俊也の背中に二発入った。
俊也
「ぐかぁっ・・!?・・・ぁ・・ぁ・・」
俊也は耐え切れずに完全に倒れてしまった。
ドシャッ。
ぁ・・・ぁ・・・
体が・・・動、か、ない。
や、やっぱりあんな修行くらいじゃ・・・
し、しょう・・・
俊也
「・・・ぅ・・・ぅ・・」
その後馬猿が一匹俊也に近寄った。
馬猿は足を上げた。
俊也
「・・・・・・・・」
俊也は意識がなくなりそうだ。
馬猿
「ヒンッッ!!」
ブンッ!!
馬猿は足を振り下ろした。
ドガッ!!
俊也
「ぐぁぁぁぁあ!!?」
俊也は背中から馬猿に踏み潰された。
俊也はあまりの衝撃で口から血を吐き出した。
俊也
「がはっ・・・!!」
血は地面に飛んだ。
俊也は体をピクピクさせている。
か、ら、だ、がう、ごかな・・・い
痛、み、しか・・感、じ、られ・・・ない。
は、はっ・・・体、さ、えう、ごけば・・頑、張ってやる、・・・のに
俊也
「ぢぐ、じ、ょ、う・・・」
俊也の目からは悔しみの涙が流れていた。
カッ!!!!!!
馬猿達は突然の青い光にたじろいだ。
馬猿達
「!!!?!??」
俊也もその青い光で少しだけ意識が戻った。
俊也
「青、い・・・光・・?」
俊也はその光の光源は俊也の手の中だった。
俊也は右手を顔の前に持ってきて手を軽く広げた。
俊也
「お、守り・・??」
俊也の手の中には先程拾ったお守りの青い宝石だった。
なん、で光ってるんだ??
そして一匹の馬猿が俊也に襲い掛かってきた。
馬猿
「ウッッッヒーン!!」
その時だった。
俊也の上を飛び越す二つの影が見えたのは。
俊也は薄れる意識の中で体を起こし目の前にいる二つの影を見た。
俊也
「あ・・・ぁ・・」
俊也の前にいたのは見間違えるはずもないあの二人だった。
う、そだ・・・
そんなはず・・・あるわけない。
何で・・・
何でここにいるんだ?
俺は二人を自分から突き放した。
二人に嫌われれば別れてくれる。
もう会わずに済む。
二人を傷つけないで済む。
そう思っていた。
けど
その二人は今。
俺の目の前にいる。
俊也はただ二人の背中を、なびく赤と黒のローブを見ていた。
第34話へつづく
でも、言葉で人は救われもする。




