第29話〜奇怪〜
気持ちは複雑。
俊也
「なんていうか・・・旅をしていたんです。」
真美
「旅?」
俊也
「実はこの二人の他にあと一人仲間がいるんです。」
真美
「その子は?」
俊也
「今はどこにいるかわかりません。」
真美
「その子を探してるのね?」
俊也
「はい。」
刃界
「俺も聞きたいことがあるんだが、何でそいつと旅を始めたんだ?」
千夜
「それ、私も聞きたいわ。」
俊也
「あいつが王宮に来てくれって言ってそこに向かうために旅を始めたんだ。」
刃界&千夜
「「王宮!!!??」」
真美
「王宮ってあの?」
俊也
「あの?と言われても知らないんで・・・」
千夜
「あんたあんなとこに行くために旅を始めたの!?」
刃界
「あんなところとはどういうことだ!!」
俊也
「ちょっと、二人共落ち着いてください!!」
真美
「千夜さん?あなたからどうぞ。」
千夜
「ガキ、誰に言われたんだ?あいつって誰のことよ!!」
俊也
「ノゾミっていうやつだけど・・・知ってるのか?」
千夜
「・・・・いや、知らない・・・悪かったな。」
何であいつが俊也に・・
まさか・・・
真美
「じゃあ次、刃界さん?」
刃界
「あんなところとはどういうことだ?小娘!!」
千夜
「悪かったな、訂正するわ・・・」
千夜はかなり険しい顔で考えている。
刃界
「ちっ・・・・」
真美
「あらあら、ケンカかしら?だめよ、ケンカは。」
俊也
「真美さん、ここはどの辺にあるんですか?」
俊也は話題をかえた。
真美
「ここはアルマーネから北東にちょっと行ったところにある森よ。」
俊也
「千夜、アルマーネって看板に書いてあった名前だよな?」
千夜
「・・・・・・・」
真美
「千夜さん?」
千夜
「・・・・・・・」
俊也
「そうでしたよね?刃か・・――――」
刃界
「少し風に当たってくる。」
刃界はそう言うと黙って出ていった。
ガチャ、バタン。
真美
「どうしたのかしら?」
俊也
「・・・・・真美さんあの・・―――」
真美
「私、ちょっと用があるから失礼するわ。」
真美も部屋を出ていき部屋には千夜と俊也が残った。
千夜はベットで反対を見て蹲っていた。
千夜
「・・・・・・」
俊也
「・・・・・千夜?」
千夜
「・・・・・・・」
俊也
「・・・何か知ってるんだろ?」
千夜
「え?・・・その・・―――――」
俊也
「いいんだ、言わなくても。秘密のままでいいから。」
千夜
「俊也・・・・ありがとな。」
俊也
「バーカ。」
千夜
「なっ!?」
千夜は振り向いた。
だが俊也は指を千夜のほっぺに当たった。
俊也
「へへっ。引っ掛かったな?」
千夜
「・・・・・ガキ・・」
俊也
「なぁ、ちょっと頼まれてくれないか?」
千夜
「なんだよ?」
千夜は小屋を出た。
千夜
「はぁ、何で私がこんなことしなきゃいけないのよ・・・あ〜私のバカ!!」
千夜は何かを探し始めた。
しばらくすると木に寄り掛かって座っている刃界を見つけた。
・・・・いた。
千夜
「ちょっといいか?」
刃界
「・・・。何だ。」
千夜
「ガキがあんたに伝えたいことがあって動けないから伝えにきた。」
刃界
「・・・、何だ。」
千夜
「ガキは明日にはもう行くらしい。」
刃界
「・・・、そうか。」
千夜
「別れようって。」
刃界
「は?」
千夜
「私達はここでお別れだ。ガキが言ってたんだ。」
刃界
「・・・・」
刃界は立ち上がった。
そして小屋に向かおうとした。
千夜
「待って!!」
刃界は立ち止まった。
千夜
「俊也はもう決めた。一人で行くって。」
刃界
「はぁ!?ふざけんな!!理由もき・・――――」
千夜
「いいんだよ・・・・」
刃界
「あぁ!?」
千夜
「ガキが決めたんだから私達はもういらないんだよ!!!!」
刃界
「なっ・・・・・」
千夜
「伝えたからな・・・」
千夜の目から涙が零れていた。
刃界
「・・・・わかった。」
千夜は小屋に戻っていった。
ガチャ、バタン。
俊也
「真美さん・・・?」
真美
「どうするの?」
俊也
「え・・・・?」
真美
「聞いてなくてもわかるわ。」
俊也
「そうですか・・・」
真美
「・・・私は口出しする気はないんだけど、一つだけ・・」
俊也
「・・・・・・?」
真美
「仲間は大事になさい?」
俊也
「・・・・・・」
すると千夜が部屋に戻ってきた。
ガチャ、バタン。
千夜
「伝えてきたわよ・・・」
千夜の目は少し赤くなっていたが俊也は気付かないふりをした。
俊也
「ありがとな・・・。」
真美
「じゃあそろそろお昼にしましょう?」
俊也
「いえ、そんな迷惑ですから。」
千夜
「いいじゃない。食べときましょうよ?」
真美
「そうよ?千夜さんの言うとおりよ。」
真美はそう言うと部屋を出ていった。
千夜
「久々に飯に有り付けるぅ〜!!!」
俊也
「そう言えばここまで何も食べてないのに、よく来れたよな・・・」
千夜
「・・・・・ねぇ?」
俊也
「何だ?」
千夜
「一つだけわがまま聞いてくれない?」
俊也
「嫌だ。」
千夜
「なっ!?」
俊也
「あいつにも同じ手ではめられたことがあるからな。」
千夜
「そんなことしないわよ!」
俊也
「嘘付いたら?」
千夜
「うーん・・・・」
俊也
「じゃあまた俺のわがまま聞いてくれ。」
千夜
「ちっ、わかったよ。」
俊也
「で何だ?」
千夜
「目、つぶってくれる?」
俊也
「何で・・・――――」
千夜
「いいから。」
俊也
「わかったよ。」
俊也は体を何とか起こして目をつぶった。
すると千夜が後ろに回った事に気付いた。
千夜
「俊也。」
俊也は後ろを振り向いた。
するとほっぺに何かがあたった。
俊也は目を開けた。
そこには俊也のほっぺにキスをしている千夜がいた。
俊也
「!!!!????」
俊也は驚きの余りベットから落ちてしまった。
ドサッ!!
千夜
「俊也!!?大丈夫!?」
俊也
「んなわけないだろ!?あー痛てぇ!!」
千夜
「ごめんね。」
俊也
「あ?何のことだ?俺はベットから転げ落ちただけだ。」
千夜
「そうなの?」
俊也
「・・・・・・」
千夜
「・・・・・・」
ガチャ、バタン。
真美が入ってきた。
真美
「お昼出来たわ、よ?」
千夜
「あ、すいません。」
俊也
「ありがとうございます。」
真美
「二人の位置逆なんじゃない?」
二人はやっとそのことに気付き慌てて元の場所に戻った。
千夜
「わ、私で、木偶の坊呼んできます!!?」
千夜は急いで部屋を出ていった。
ガチャ、バタン。
真美
「お邪魔したかしら?」
俊也
「そ、そんなことないですよ!!?」
真美
「うふふ。」
真美さん・・・
恐いです。
しばらくすると二人が戻ってきた。
千夜
「連れてきたわ・・・」
千夜は先程より暗い感じがした。
刃界
「飯だろ?食おうぜ?」
俊也はベット。他の三人は真美が用意したテーブルの上で昼飯を食べることになった。
真美が用意してくれたのはいわゆるサンドウィッチと思われるものだ。
一同
「いただきます。」
一同黙って食べ、喋る者はいないと思っていたとき
真美
「お口に合わなかったかしら・・・?」
俊也
「そ、そんなことないですよ?うん!!美味い!」
真美
「ありがとう、俊也君。」
結局その後、会話はなく、一同食べおわり真美さんはお皿を持ち部屋を出た。
ガチャ、バタン。
俊也
「・・・・・・」
千夜
「・・・・・・」
刃界
「小僧。」
千夜
「ちょっ!?・・―――」
刃界
「うるせぇ!!!!!」
俊也
「いいんだ、千夜。何ですか?」
刃界
「理由を聞かせろ。」
俊也
「はっきり言いますけど、二人が邪魔なんです。あなた達のせいで俺は助けられもしました、けどそれ以上でも以下でもありません。だからここまで付き合う必要がない、二人のせいで余計に面倒臭い事になってるんです、もう嫌何です。二人に振り回されるのが。それが二人と別れる理由です。」
俊也の胸は今にも張り裂けそうだった。
刃界
「そうか。わかった、じゃあ俺はもう行く。短い旅だったが楽しかった。じゃあな。」
刃界は黙って部屋を出ていった。
ガチャ、バタン。
俊也
「千夜も行けよ・・・」
千夜
「え?」
俊也
「行けって言ってんだよ!!!」
俊也は怒鳴った。
千夜
「わかった・・・じゃあね・・・」
千夜も黙って部屋を出ていった。
ガチャ、バタン。
はぁ・・・
俊也は布団に潜った。
これで、良かったんだよな?
これで二人共自分がやりたいことが出来る。
俺のせいで二人を巻き込んでしまった。
俺は二人に何もしていない。
なのに二人は俺を助ける。
そんな事をしたって、何の得もないのに。
それに命が危険なこともあった。
二人は身を呈して俺を守ってくれた。
二人がいなきゃここまで来れなかった・・・
でもこれからは一人で頑張らなきゃ。
いつまでも二人に頼っていたら俺はいつまでたっても成長なんか出来やしない。
もともと一人で始めたことなんだ。
誰にも迷惑はかけない、
かけちゃいけないんだ。
・・・これで良かったんだよな・・・
俊也は布団の中でただ、ただ一人で泣いていた。
俊也
「・・・・ん?」
俊也はいつのまにか寝ていたようだ。
ガチャ、バタン。
真美
「もう朝です。」
俊也は跳ね起きた。
俊也
「はい!?」
真美
「おはよう、俊也君。」
俊也
「おはようございます。」
真美
「・・・どうしたの?」
俊也は立ち上がった。
俊也
「あの真美さん、お世話になりました。それじゃ」
俊也は真美さんの返事を待たずに小屋の外に出た。
第30話へつづく
けれども想いは純粋に。




