第14話〜旅立ち〜
甘くはない絶対遵守の活動報告の掟…
ノゾミは俊也に話し掛けた。
ノゾミ
「戻った・・・みたいね。」
俊也
「そうらしいな・・・」
俊也はあることに気付いた。
俊也
「あれ?・・・・ヤツがいない?」
ヤツが先程まで倒れていた場所の地面は壊れているのだが肝心のヤツの姿がどこにもない。
ノゾミは冷静に答えた。
ノゾミ
「たぶんあいつはまだあの空間にいるはずよ。私たちだけが元の空間に戻ってきたみたい。」
俊也はなんで建物や地面は戻らないのかを聞こうとした瞬間
ノゾミ
「どうやら建物や地面はどちらの空間ともリンクしているようね・・・それにこの空間移動は生き物にしか作用しないようね・・・」
俊也は一気に話されたので何が何だかわからなかった。
俊也
「ノゾミは何でも知ってるんだな?俺、理解できなかったわ・・・」
ノゾミは、あ。と言い今更どうしようもないのに取り繕い始めた。
ノゾミ
「い、いや!?だ、だからあ、あれよ!!何というか・・・」
俊也はノゾミを助けるように遮った。
俊也
「とりあえずノゾミの家に戻らないか?」
俊也はそう言いながら体を起こした。
ノゾミは心配そうに答えた。
ノゾミ
「体、大丈夫なの!?」
俊也は頭をくしゃくしゃしながら言った。
俊也
「今、ここにいることの方が大丈夫じゃない。」
ノゾミが首を傾げているので、俊也は簡単にきっぱりと言った。
俊也
「周りを見てみろって。」
ノゾミはやっと気付いたようだ。
二人の周りにはかなりの人だかりができてこちらを見てざわざわしている。
ノゾミは小さな声で言った。
ノゾミ
「ねぇ。一旦私の家に戻らない?」
俊也はため息をついてから答えた。
俊也
「だから、俺さっき言ったから。ノゾミの家に戻ろうって、聞いてなかったのか?」
ノゾミは少し思い出してからようやくわかったようだ。
俊也は立ち上がって言った。
俊也
「さっ、早く行こーぜ。」
ノゾミは小さく頷き、立ち上がった。
俊也が歩きだしたのをノゾミは慌てて追い掛けた。
以外にも人だかりで通れそうもなかったのだか、すんなりと町の人々は道を開けた。
俊也は思った。
なんでこいつらは声をかけないんだ?
そう思っていると横からノゾミがまるで心の声に答えるように言った。
ノゾミ
「この町の人は他人と関わるのが嫌いなのよ。」
俊也はある意味で納得し、もう一つで疑問が出てきた。
ノゾミはこの町の人じゃないのか?
ノゾミの言い方は間違いなくこの町の人ではなくよそ者の言い方だ。
俊也はいろんな疑問が浮かびつつもノゾミの家に向かった。
すこし先まで歩いていると二人の周りにはほとんど人だかりがなくなっていた。
ノゾミはやっと話せると言わんばかりに俊也に話し掛けた。
ノゾミ
「ねぇ?さっきは町の人がいて話せなかったけど、なんか聞きたいことがあったんじゃないの?」
俊也は曖昧に答えた。
俊也
「ん?・・・まぁ、な。」
そりゃたくさんあるさ。
話しきれない程たくさん。
でもどれを聞いてもノゾミを困らせてしまう気がする。
だから
だからノゾミから話してくれるときまでは止めておこう。
俊也は考えをまとめてから言い直した。
俊也
「あるけど、そんな大事なことじゃないから。いいよ。」
ノゾミは少し安心したように答えた。
ノゾミ
「そう?それならいいんだけどね・・・。」
そのまま二人は黙ってノゾミの家に向かった。
二人はノゾミの家まであと50メートルくらいの距離まできてノゾミの家の前に少し人だかりが出来ているのに気が付いた。
俊也はおもむろに聞いた。
俊也
「何かあったのか?」
ノゾミは悩みながら答えた。
ノゾミ
「う〜ん、わかんない。」
俊也
「まぁ行ってみればわかることか。」
ノゾミはそれで納得したようで返事は返ってこなかった。
二人は家につくとすぐに人だかりの一人に声を掛けた。
俊也
「あの?何かあったんですか?」
声をかけられた女性は俊也の体の傷に驚いたものの、すぐに返事を返してきた。
町の女性
「これを見ればわかるわ。」
その女性はそう言うとどこかに歩いていってしまった。
二人は女性がいなくなった場所から人だかりの中心を見た。
なんとノゾミの家の壁が半壊していた、まるで何かが叩きつけられた後のように。
俊也はその場所を見て思い出した。
この壁・・。
俺がヤツに吹き飛ばされたときの壁・・・・
ノゾミの家だったのか・・・
俊也はノゾミの方を伺った。
だが以外にもノゾミは普通に眺めていた。
俊也は怒らせないように慎重に喋った。
俊也
「ご、ごめんな・・・俺が吹き飛ばされたばっかりに・・」
ノゾミは平然と答えた。
ノゾミ
「俊也が悪いわけじゃないし・・・謝らなくていいよ。それにここじゃなかったら俊也を助けられなかったし・・」
俊也は不思議そうに聞いた。
俊也
「どういうこと?」
ノゾミは簡潔に説明した。
ノゾミ
「私はあなたを助けようと家にス・・・じゃなくて武器を取りに行っててその時俊也が家の壁に叩きつけられた音がしたの。だからすぐに駆け付けることが出来たの。わかった?」
俊也
「大方な。」
ス・・・何だったんだろ?
ノゾミが隠そうとしたって事は安易に聞かないほうがいいな。
俊也が自分を納得させている内に人だかりはすっかりなくなっていた。
ノゾミ
「さっ、入りましょう?」
ノゾミは人だかりが消えるのを見計らって俊也に言った。
俊也はちょっと驚きながらも答えた。
俊也
「あ、あぁ。」
俊也は部屋に座っていた。
俊也
「はぁ・・・・」
なんか今日がまだ昼前っていうのが信じられない・・・。
あんな地獄を味わったのにあの時間は今で言えば無かったのというのと同じ。
なんか良かったような、良くなかったような・・・
俊也がそんなことを考えているとノゾミが部屋に入ってきた。
ガチャ、バタン。
ノゾミの手には小さいおぼんの上にコップが二つのっていた。
ノゾミはテーブルにそれを置き座ってから言った。
ノゾミ
「紅茶。入れたんだけど飲む?」
ノゾミは紅茶を飲みながらコップを俊也に差し出した。
俊也
「ありがとう・・・。」
俊也はコップを取り紅茶を飲んでいるとノゾミが
ノゾミ
「ねぇ、私と一緒に王宮に行ってくれない!?」
俊也は驚いて紅茶を喉につまらせたがなんとか飲み込んでから答えた。
俊也
「お、う、きゅ、う!!??」
俊也は自分でも驚いた理由がわからなかった。
ノゾミは冷静に言った。
ノゾミ
「なんで、そんな驚くのよ?」
俊也は理由がわからなかったので正直に答えた。
俊也
「いや、自分でもなんで驚いたのかわからん・・・」
ノゾミはそれを無視して話を続けた。
ノゾミ
「で。行ってくれるの?行かないの?どっち?」
俊也は少し悩んだ。
王宮ねぇ・・・
どんなんだろ?
でもなんで王宮に行くんだ?
理由は・・・
いや、ノゾミを信じよう。
どうせ行くところが無いなら、目的地があったほうがいいしな。
俊也は答えを決めた。
俊也
「行くよ。ノゾミがそうしてほしいなら。」
それを聞いたノゾミの顔が先程よりやさしくなった気がした。
ノゾミ
「ありがとっ!!俊也ならそう行ってくれるって信じてたよ!!」
きゅ、急に明るくなったな・・
俊也は答えた。
俊也
「でどこにあるんだ?」
ノゾミは明るく答えた。
ノゾミ
「う〜ん、確かこの町から2000km?くらいだったかな?」
俊也は今度は紅茶を吹き出してしまった。
俊也
「ぶっ!!!!に、2000km!?」
はぁ!?
ふざけてんだろ?
だが俊也はある大事なこと思い出した。
俊也
「ノゾミ。真面目に答えてくれよ?どうやってそこまで行くんだ?」
ノゾミ
「そうね・・・私、・・・・移動用のやつ持ってないから、歩き?になるかな。」
俊也の目の前は真っ白になった。
ノゾミはあえてつっこまず話をした。
ノゾミ
「じゃ、そろそれ行きますか!」
俊也はその言葉でもとに戻った。
俊也
「今から行くのか!!!???」
ノゾミは立ち上がりながら答えた。
ノゾミ
「そうよ?何か問題でもある?」
俊也は縮こまって答えた。
俊也
「な、ないけどさ・・・」
するとノゾミがドアを指を差して言った。
ノゾミ
「じゅ、準備があるから、そ、外で待っててくれる?」
ノゾミは少し顔を赤くして言った。
俊也
「わ、わかった。」
俊也は素直に外に出た。
俊也はノゾミの家の壊れていない壁に寄り掛かった。
何してんだ俺。
俊也は久しく忘れかけていた。一つの目的を思い出して呟いた。
俊也
「希望を叶えるためのチカラ・・・」
そうだ
俺はそのためにこの試練を受けているんだ・・・
一つ目の試練は終わった。
となると今は二つ目の試練か・・・
ん?ちょっと待てよ?
ということは試練が終わったら・・・
俊也はその先を考えるのを止めた。
よし。今はこれからどうするのかを。
王宮まで2000km・・・。
はっきり言って徒歩で行けるのか?
まぁノゾミが一緒だし・・・
それはそれで・・・
そんなこと考えていると、ノゾミが家から出てきた音がしたので迎えに行った。
俊也
「ノゾ・・―――――!!??」
俊也は大きな荷物を乗せられた。
ノゾミは明るく小悪魔のような声で言った。
ノゾミ
「俊也!!それよろしくぅ〜!!」
俊也は踏張りながら言った。
俊也
「な、・・んで・・・お、れ、がぁ・・・――――」
ノゾミはわざと聞こえないふりをしてすたすたと歩いていく。
俊也
「ちょっ・・――――――――待てっ・・・!?うわぁ!?」
ドサッ。
俊也は荷物の下敷きになりながらも言った。
ノゾミは立ち止まり、俊也の方を振り返り笑顔で言った。
ノゾミ
「は、や、く!!俊也っ!置いてっちゃうよ!?」
俊也は最後の声を振り絞った。
俊也
「ノ、・・ゾ、・・・ミ、・・・・―――――」
俊也は力尽きた。
ノゾミが走って戻り座り込んで言った。
ノゾミ
「も〜仕方ないなぁ。」
ポチッ。
ノゾミは荷物にあるボタンを押した。
ボンッッッ!!
という音とともに荷物が手の平サイズまで小さくなった。
俊也は勢いよく起き上がり怒鳴った。
俊也
「最初っからこうしろよっ!!」
ノゾミは立ち上がって答えた。
ノゾミ
「俊也の反応が初久しかったからつい・・・」
俊也
「つい・・・じゃねぇ〜!!!」
ノゾミは手をだして言った。
ノゾミ
「俊也!!行こっっ!!!」
俊也はゆっくりと手を握って言った。
俊也
「あぁ、行こう!!」
ノゾミは手を掴んだまま走りだした。
俊也
「お、おいっ!?う、わぁっ!?」
こうして二人の運命をかえる旅は始まった。
第15話につづく
知らなかったで済まされないのが今の世の中




