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第100話~未来の記憶~

失った記憶を取り戻す旅が終わり

未来を変える、最後の旅が始まる。

天地がつかめない感覚があったかと思えば、

一点、足元の方へ引っ張られる。


瞬間、視界が開けた。


俊也「…、久しぶりだな」


と作者に悪態をつく主人公。

眼下には当然のことながら、見たことがない

それはそれは幻想的な世界が

広がっているわけもなく、

先刻取り戻した記憶からその場所を推察する。


俊也「あそこは確か、アクブラート…」


見た記憶が昔の自分がたどったものだとしたら

そう考えると疑問が一つ浮かぶ。


俊也「いまは、いつだ?」


記憶通りの時間と場所に自分が現れることが

これまでと同じように繰り返されているのか。


俊也「本当にあのタイミングなのか?」


なぜ不安を抱くのか、それは今の自分と

これまでの自分との決定的な違いを理解しているからだ。

過去の記憶をみた、この事実がこれからたどるはずの未来に

どれだけ影響があるのか。


俊也「このラストチャンス、逃すわけには…」


何百、何千何万回と繰り返してきたはずの過去。

そのすべてがこの一回のためにあったのだ。

もう、最後の賽は投げられた。

覚悟を決めるしかない、そう思った矢先だった。


俊也「ん?あれは…」


自由落下する自分めがけて飛来する物体を視界にとらえる。


??「おーい!生きてるってねー!?」


記憶には明確な音はなかった。

しかし、その姿は確かに、見覚えがあった。


俊也「あいつは、、、まさか」


超特急で飛行する箒。

その箒にまたがり、自在にあやつる少女。

その顔は、瞬く間に目の前に。


??「君はいつも意外なところにいるのが好きなんだねってね!」


その声と同時に、首根っこをひっつかまれた俊也は

ぐるりと回転し、箒にまたがる少女の背に回る。


俊也「…、お前、メルト、さん、か?」

メルト「さん??って、あたしのこと、覚えてないのってね!?」


メルトという少女は、慌てふためきながらこちらを見つめる。

その右目の周りには記憶で見たことのある紋様が、確かにあった。

これで、この記憶の正しさと、残酷さが、わずかながらに理解できた。


この少女、メルトは、

この世界でーーー


俺が殺す、仲間の一人だ。



未来の結末を

結末にさせない、それが

この長い旅を繰り返してきた、

唯一の意味なのだから。

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