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あの日の春風は今も  作者: リンダ


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世界一の朝

第33章 世界一の朝


1 目を覚ました世界一の選手


優勝から一夜が明けた。


ホテルの客室には、カーテンの隙間から朝の光が差し込んでいた。


柚月はゆっくりと目を開けた。


目覚めた直後は、自分がどこにいるのか分からなかった。


身体が重い。


肩や腰だけではなく、全身の筋肉が疲労を訴えている。


そして右ふくらはぎには、前夜よりもはっきりとした痛みが残っていた。


「痛っ……」


身体を起こそうとした瞬間、柚月は顔をしかめた。


右脚へ力を入れると、ふくらはぎの内側が強く張る。


ベッドの脇に置かれたテーブルには、金色のメダルがあった。


その隣には、ユリの遺影が置かれている。


柚月は手を伸ばし、金メダルを持ち上げた。


手のひらに、ずっしりとした重さが伝わる。


「夢じゃなかったんだなぁ」


隣のベッドで眠っていた徹が、布団の中から答えた。


「昨日あれだけ騒いでおいて、まだ疑ってたのか」


「だって、試合が終わってから何が何だか分からなかったっちゃ。表彰式があって、インタビューがあって、脚が動かなくなって、そのままホテルに戻ったべ」


徹は上半身を起こすと、柚月の右脚を見る。


「痛みは?」


「昨日より強い」


「立つなよ」


「まだ立とうとしてねぇべ」


「柚月は止めないと立つから言ってる」


柚月は不満そうに徹を見る。


「朝から信用がねぇな」


「決勝で脚を痛めたのに、表彰台で飛び跳ねようとした人を信用できると思うか」


「飛び跳ねてはいねぇべ」


「気持ちは跳ねてた」


「それは世界一になったんだから仕方ねぇっちゃ」


徹は苦笑しながら、チームのメディカルスタッフへ連絡を入れた。


柚月はもう一度、金メダルを見る。


ユリの遺影へ近づけ、静かに語りかけた。


「おはよう、ユリ。世界一になった次の朝だよ」


写真の中のユリは、いつものように笑っていた。


「うちの脚は、だいぶご機嫌斜めだけどな」


胸の中に、ユリの声が聞こえた気がした。


「昨日あれだけ走ったんだから、当たり前だべ。世界一になった朝くらい、ゆっくり寝てればいいっちゃ」


「もう起きちまったべ」


「だったら、二度寝すればいい」


「世界一になった次の日に二度寝って、締まらねぇなぁ」


徹が首を傾げる。


「またユリと話してるのか」


「二度寝しろって言われた」


「俺も賛成だ」


「徹とユリ、こういうときだけ意見が合いすぎだべ」


2 軽度の筋損傷


ほどなくして、メディカルスタッフとチームドクターが客室を訪れた。


柚月はベッドに横になったまま、右ふくらはぎの状態を確認される。


腫れの程度。


熱の有無。


押したときの痛み。


足首を曲げ伸ばししたときの反応。


スタッフがふくらはぎの内側へ触れると、柚月の表情が曇った。


「そこが一番痛いっちゃ」


「昨日より痛みが強くなっていますね」


「帰国はできるよね?」


「帰国はできます。ただし、空港内では車椅子を使ってください。長時間歩かせることはできません」


柚月は天井を見上げた。


「車椅子かぁ」


徹がすぐに口を挟む。


「文句を言うな」


「まだ何も言ってねぇべ」


「顔が言ってる」


その後に行われた詳しい検査で、柚月の右ふくらはぎには軽度の筋損傷が確認された。


大きな断裂ではない。


手術が必要な状態でもない。


しかし、しばらくは試合や強度の高いトレーニングを避け、治療とリハビリを優先しなければならなかった。


チームドクターが画像を見せながら説明する。


「ブラジル戦から疲労が蓄積していました。決勝でもスプリントを繰り返しています。途中で交代したため、重い損傷にならずに済みました」


徹が柚月を見る。


「聞いたか」


「聞こえてるっちゃ」


「交代しなかったら、もっと悪化していた」


「分かってるべ」


「今度は、休むことが仕事だ」


柚月は右脚へ目を落とした。


世界一になった翌日から休養。


気持ちはまだピッチに残っている。


すぐにでもボールを蹴りたい。


所属クラブへ戻り、仲間たちと優勝を喜びたい。


それでも、身体は止まれと告げていた。


「休むのも、選手の仕事なんだべな」


「やっと分かったか」


「頭では前から分かってたっちゃ」


「身体が納得してなかったんだな」


柚月は小さく笑う。


「うちの身体、頑固だからな」


「持ち主に似たんだろ」


「朝からよく言うべ」


3 日本中を包んだ歓喜


日本では、決勝戦の終了直後から大きなフィーバーが始まっていた。


早朝のニュース番組は、予定していた内容を変更し、なでしこジャパンの優勝を大きく報じた。


アメリカの先制点。


黒川真緒が決めた同点のミドルシュート。


藤森彩香の突破から獲得したPK。


渡瀬が冷静に決めた勝ち越しゴール。


そしてアディショナルタイム、黒川がゴール右隅へ突き刺した三点目。


試合終了の笛が鳴り、選手たちが芝へ崩れ落ちる場面も繰り返し放送された。


新聞の号外が配られ、駅前や繁華街では多くの人が受け取った。


スポーツ用品店には、なでしこジャパンのユニフォームを求める客が集まる。


女子サッカーのクラブチームには、体験練習についての問い合わせが相次いだ。


学校の校庭では、子どもたちが決勝戦の場面をまねていた。


「私、真緒やる!」


「じゃあ、私が藤森!」


「PKは私が蹴る!」


「キーパーは菜月と葵、交代でやろう!」


世界一になった選手たちの姿は、次の世代の遊びと夢へ変わり始めていた。


仙台でも、街は歓喜に包まれていた。


駅前の大型画面には、柚月がユリの遺影を抱いて表彰台へ立つ場面が映し出される。


美里がトロフィーを掲げ、青い紙吹雪が舞い上がる。


柚月はユリの遺影を高く上げて叫んでいた。


「ユリ、世界一だっちゃ!」


足を止めて映像を見つめる人々の中には、涙を拭う者もいた。


ユリの家族も、自宅のテレビでその場面を見ていた。


母親は両手で口元を覆い、声を上げずに泣いていた。


父親は画面を見つめながら、何度も静かにうなずく。


「ユリも、あそこにいたんだな」


母親は涙を拭う。


「柚月ちゃんが、一緒に連れていってくれたんだね」


部屋には、ユリの写真が飾られている。


なでしこジャパンに入りたい。


日本代表のユニフォームを着たい。


ワールドカップでゴールを決めたい。


生前のユリが語っていた夢は、形を変えて世界一の表彰台へ届いた。


4 ユリの家族からの言葉


ホテルへ戻った柚月の携帯電話に、一通のメッセージが届いた。


送り主を見た瞬間、柚月の表情が変わる。


ユリの母親だった。


画面には、短い言葉が書かれていた。


『ユリを表彰台へ連れていってくれて、ありがとう』


柚月は何度も読み返した。


続いて、二通目が届く。


『あの子が生きていたら、きっと誰よりも大きな声で笑っていたと思います。柚月ちゃんと、なでしこジャパンの皆さんを誇りに思います』


柚月の目から涙がこぼれた。


徹が隣へ座る。


「ユリのお母さんからか」


「うん」


柚月は携帯電話の画面を見せる。


徹は黙って読み終えた。


「返事、何て書けばいいべ」


「柚月が伝えたいことを書けばいい」


「伝えたいことが多すぎるっちゃ」


「全部書けばいい。短くする必要はない」


柚月はしばらく考えたあと、ゆっくりと文字を打ち始めた。


『こちらこそ、ユリと出会わせてくれてありがとうございます。ユリは大会中、ずっと一緒にいてくれました。苦しいときには声をかけてくれて、最後まで背中を押してくれました。トロフィーを掲げたとき、ユリが笑っている声が聞こえた気がします。日本へ帰ったら、金メダルを持って会いに行きます』


送信する前に、柚月は一度読み返す。


そして最後に一文を加えた。


『ユリとともに世界一を取ることができました。本当にありがとうございました』


送信ボタンを押す。


柚月はユリの遺影を胸へ抱いた。


「帰ったら、ちゃんと見せに行こうな」


5 日本へ帰る日


大会開催国での滞在を終え、なでしこジャパンは帰国の日を迎えた。


ホテルの前には、現地のサポーターが集まっていた。


日の丸を持つ人。


日本代表のユニフォームを着た子ども。


決勝で戦ったアメリカ代表のユニフォームを着た家族もいた。


選手たちがバスへ乗ると、沿道から拍手が送られる。


柚月は車椅子に座り、右脚を固定していた。


膝の上にはユリの遺影。


金メダルは大切にケースへ入れている。


黒川が車椅子の後ろへ回る。


「私が押します」


「自分で動かせるべ」


「駄目です。柚月さん、車椅子でも競争を始めそうなので」


「始めねぇっちゃ」


藤森も隣に並ぶ。


「どうでしょうね」


「お前ら、うちを何だと思ってんだべ」


美里が後ろから笑う。


「世界一になっても落ち着かない人」


「キャプテンまで言うのか」


笑い声がバスの中へ広がる。


世界一になった翌日も、選手たちの関係は変わっていなかった。


長い飛行を終え、機内にアナウンスが流れる。


「まもなく成田国際空港へ到着いたします」


窓の外に、日本の街並みが見え始める。


菜月が窓へ顔を近づけた。


「帰ってきたんですね」


隣の葵が答える。


「世界一になって帰ってきたよ」


「まだ信じられません」


「空港へ入ったら、嫌でも分かると思う」


葵の予想は正しかった。


6 成田空港を埋めた青


飛行機が成田空港へ到着する。


選手たちは入国手続きを終え、到着ロビーへ向かった。


通路の先から、すでに大きな歓声が聞こえている。


「なでしこジャパン、おめでとう!」


「世界一、おかえりなさい!」


「美里!」


「真緒!」


「柚月!」


「菜月、葵、ありがとう!」


ロビーには、数多くのファンが待っていた。


サッカー少年団の子どもたち。


女子サッカーの選手たち。


代表選手の所属クラブの仲間。


かつて日本代表として戦った選手たち。


選手の家族。


大会前から応援を続けてきたサポーター。


そのさらに後ろには、大勢の報道陣がカメラを構えている。


ロビーの正面には、大きな横断幕が掲げられていた。


世界一、おかえりなさい


扉が開く。


キャプテンの美里が、ワールドカップトロフィーを抱いて姿を見せた。


歓声が爆発する。


美里がトロフィーを高く掲げる。


その後ろから、金メダルを胸に掛けた選手たちが続く。


黒川が手を振る。


渡瀬と藤森が並んで頭を下げる。


宮原、宮坂、西野、國武、相沢、日比谷も、ファンの声へ応える。


葵と菜月は肩を並べて歩いていた。


最後に、徹に付き添われた柚月が車椅子で現れる。


右脚には固定具。


膝の上にはユリの遺影。


ファンの一人が声を上げた。


「ユリもおかえり!」


柚月は驚いて顔を上げる。


青いユニフォームを着た少女が、涙を流しながら手を振っていた。


その周囲からも声が重なる。


「ユリ、おかえり!」


「一緒に世界一、おめでとう!」


柚月は涙をこらえながら、ユリの遺影を少し高く掲げた。


「ただいま!」


歓声と拍手が、到着ロビー全体を包み込んだ。


7 帰国記者会見


空港での歓迎セレモニーを終えたあと、なでしこジャパンは記者会見場へ移動した。


壇上の中央には、ワールドカップトロフィーが置かれている。


その両側に原町監督と美里。


選手たちは横一列に並んで座った。


柚月の右脚は固定され、椅子の横には松葉杖が置かれている。


ユリの遺影は、柚月の前に置かれた。


会場には、国内外の報道関係者が集まっていた。


カメラのシャッター音が絶え間なく響く。


司会者が開会を告げる。


「ただいまより、女子ワールドカップ優勝帰国記者会見を始めます」


最初に原町監督がマイクを握った。


「大会期間中、日本から多くの声援を送っていただき、本当にありがとうございました。選手たちは、どれほど苦しい時間でも自分たちのサッカーを信じ、最後まで戦い抜きました」


原町は選手たちの方を見る。


「この優勝は、ピッチに立った選手だけのものではありません。スタッフ、家族、所属クラブ、育成年代の指導者、そして応援してくださったすべての皆さんとともにつかんだ世界一です」


続いて美里が話す。


「成田空港で多くの方に迎えていただいて、ようやく日本へ帰ってきたことと、世界一になったことを実感しました」


美里はトロフィーへ手を添える。


「この優勝が、女子サッカーを始める子どもたちや、夢に向かって頑張っている選手たちの力になれば嬉しいです」


質疑応答が始まった。


「原町監督、今大会の最大の勝因は何でしょうか」


原町は少し考えてから答える。


「自分たちの判断基準を変えなかったことです。ブラジル戦で四失点しても、イングランドの高さに押し込まれても、決勝でアメリカに先制されても、相手の得意な方法に付き合いませんでした」


「決勝ではボール支配率にこだわらない戦い方を選びました」


「アメリカにボールを持たれることは、最初から想定していました。重要なのは、どこで持たせるかです。中央を締め、外側へ動かし、奪った瞬間に速く前へ出る。その約束を選手たちが最後まで守りました」


次に黒川へ質問が向けられる。


「黒川選手は決勝で二得点を挙げました。大会のヒロインになったという実感はありますか」


黒川は少し困ったように笑った。


「ありません」


会場から笑いが起こる。


「私がシュートを打つまでに、誰かがボールを奪い、誰かが走り、誰かが相手を引きつけてくれています。最後のところだけ私が担当したという感覚です」


藤森が隣から小声で言う。


「最後を担当しすぎです」


黒川も笑う。


「自分でも少し驚いています」


菜月と葵には、GK交代について質問が向けられた。


「決勝終盤の交代について、お二人はどのように受け止めていましたか」


菜月が答える。


「私は準決勝から出場が続いていたので、身体に疲労がありました。葵さんなら、最後を安心して任せられると思っていました」


葵も続ける。


「菜月がそこまで守ってくれたので、私は残り時間をつないだだけです。二人で一つのゴールを守ったと思っています」


「交代時に、菜月選手が葵選手のお尻を軽くたたいた場面も話題になっています」


菜月の顔が赤くなる。


「世界中に映るとは思いませんでした」


葵は笑顔で言う。


「あれでスイッチが入りました。任せとけという気持ちになりました」


「実際に『任せとけ〜』と答えていましたね」


「少し軽すぎました。でも、中身は本気です」


会見場が笑いに包まれた。


8 柚月が語った世界一


やがて、柚月へ質問が向けられた。


「大船選手、右脚の状態を教えてください」


柚月はマイクを持つ。


「右ふくらはぎの軽度の筋損傷です。しばらく休養が必要ですけど、大きなけがではありません」


「世界一になった直後に休養へ入ることになります」


「悔しさはあります。でも、今度は休むことが仕事だと、旦那にも言われました」


柚月が徹を見る。


徹は少し笑いながらうなずく。


「勝因について、どのように考えていますか」


柚月はユリの遺影へ手を添えた。


「チーム全員が、自分たちの積み上げてきたものを信じたことです。うち個人としては、東日本大震災で命を奪われてしまった親友のユリの存在が、本当に大きかったです」


会場が静かになる。


「ユリは、なでしこジャパンに入ることを夢見ていました。代表のユニフォームを着て、ワールドカップでゴールを決めたいって、何度も話していました」


柚月の声が少し震える。


「その夢をかなえる前に、震災で命を奪われました。でも今大会では、ユリがずっと一緒に戦ってくれていると思っていました」


「苦しいときには、ユリさんの言葉を思い出したのでしょうか」


「はい。同じ人間がやるんだから大丈夫だべ。自分たちがやってきたことを信じてボールを蹴ればいいっちゃ。ユリなら、そう言うと思いました」


柚月は遺影を両手で抱く。


「ユリとともに世界一を取ることができました」


別の記者が尋ねる。


「特別コーチとして帯同した徹さんの存在も大きかったですか」


柚月はすぐに笑った。


「うちの旦那が、ずっとはっぱをかけてくれました」


徹が隣で苦笑する。


「試合中だけでなく、脚の異変にも気づいていましたね」


「うちより先に気づきました。太ももだけじゃなく、ふくらはぎの張りまで見抜かれました」


徹がマイクを受け取る。


「柚月は、大丈夫と言いながら走り続けるので」


「そんなことねぇべ」


「今の反応が証拠です」


再び会場に笑いが起こる。


柚月も笑いながら続けた。


「準決勝で休むことも、決勝の途中で交代することも悔しかったです。でも徹が、優勝するために休むことも必要だと言ってくれました」


柚月は徹を見る。


「はっぱをかけてくれたし、止めるべきところでは止めてくれました。本当にありがとう」


徹は短く答える。


「おめでとう」


「それだけ?」


「家に帰ったら、もっと言う」


「今言ってけろ」


会場から温かな笑いが広がった。


記者が最後に尋ねる。


「ユリさんへ、今伝えたいことはありますか」


柚月は遺影を胸に抱きしめた。


「ユリ。ユリとともに世界一取ったよ。ありがとう」


目から涙がこぼれる。


「帰ってきたよ。今度は金メダルを持って会いに行くからな」


柚月の髪を、会見場の空調から流れるわずかな風が揺らした。


その風の中に、ユリの声が重なったような気がした。


「おかえり、柚月。よぐ頑張ったっちゃ」


柚月は涙を拭い、笑顔でうなずいた。


「ただいま、ユリ」


世界一の朝。


選手たちは夢をかなえた場所を離れ、日本へ帰ってきた。


けがを治す者。


所属クラブへ戻る者。


次の目標を探し始める者。


それぞれの日常が、再び動き始める。


優勝は物語の終わりではない。


世界一になった選手たちが、その経験を誰かへ渡していく新しい時間の始まりだった。


次回予告


第34章「金メダルを持って、仙台へ」


帰国記者会見を終えた柚月と徹は、仙台へ戻る。


右脚を固定し、松葉杖を使いながらも、柚月は金メダルとユリの遺影を大切に抱えていた。


仙台駅には、ユリの家族をはじめ、かつてともにボールを追った仲間たちや、地元の子どもたちが待っている。


大歓声に迎えられる柚月。


だが、最初に向かいたい場所は決まっていた。


ユリが眠る場所。


柚月は墓前へ金メダルを置き、静かに語りかける。


「ただいま。約束、守ったよ」


一方、徹はベガルタ仙台へ戻り、特別コーチとして見た世界一の経験をチームメートへ伝える。


そして、柚月の金メダルへ触れた一人の少女が、新たな夢を口にする。


「私も、いつかなでしこジャパンに入りたい」


次回、

第34章「金メダルを持って、仙台へ」


かなえられた夢は、そこで止まらない。


その輝きを見た誰かの胸で、

次の夢として走り始める。

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