第三話 ホトトギスは食べてない
産業革命チキンレースは俺はやるつもりはないんだよね。あの辺全部すっとばして真空管を繋げるのが一番強い。
と、理屈は分かってるんだが真空管までが結構遠い。だって16世紀なんだもん。
色々と検討したが、ショートカットでいけそうなのは意外にも電話、というか電信だった。
いや遠いんだけどね。もしかしたらっていう話。
あと電球もいけるかも。けどフィラメントは竹を使えとしか転生者は言わない。アホだからエジソンのエピソードのそこしか知らんのである。京都の竹って言いたいだけだよ、あいつらは。
あと一応写真もなんとかなりそうだよね。スマホあるからいいけど。
もちろん産業革命を起こしておいたほうが良いが、蒸気機関が面倒臭すぎる。コストが重い。物流改善はやった。Amazon隊を配置した。それで本当に改善した。面白いものである。
そもそも蒸気機関車とか、ああいうCO2を排出するものはあまり良くないよな。いずれ世界温暖化で大変になるし。
太陽光が良さそうだとか令和・乙組は言うが、令和・甲組は「あれが一番環境破壊してるまでありますよ」とか言い出したりする。
山の木を全部切って、パネルを並べまくって、メンテできなくなって放置するのが太陽光発電というものらしい。
クリーンエネルギーとかいっても、それを取り出すまでのコストや作ったり後始末するコストを考えたら、いうほどCO2削減に役立ってるかとか言い始める。
別に令和の甲乙の話じゃなくてこいつらの思想の話じゃねえかと。
つまり全員がネットの知識の断片を持ち寄ってるだけなので、あまり当てにならないんだよね。
16世紀に来てまで環境問題でレスバするの辞めて欲しい。レジ袋どころかレジもビニールもないのだ。つーか貨幣だってまだ渡来銭使ってんのに。
「そろばん隊5000人を並べてビットコインのマイニングをやりましょう!」
これを言われたときは手打ちにしてやろうかと思った。そんなもんじゃ足りねえんだよ演算能力が。小説「三体」に出てきた人間コンピュータでもやったろかいな。
「パンピーやワナビーが何人来たって役に立たねえんだよな」
いや役に立つのだってもちろんいる。タイムスリップしてきた中でもおっさん連中は実務能力があって、これが意外と役に立つのだ。
会計処理とか行政も結構いい感じで改革されてる。財務官僚なんかこっちの方がやりやすいという。
「未来の税制は建付けが間違っとるんですわ」
織田信長に愚痴るなという気もするが。
しかし実際問題、俺についての知識がいくらあっても俺の方がよく知ってる。当たり前だけど。
「はい、君は織田信長をどのくらい知ってる?」
「えーと、長篠の戦いと、楽市楽座と、本能寺の変……」
「うんオッケー、『最低限チーム』だね。はい次の人」
「ってゆーかー、ホトトギスを食べた人? みたいな」
ギャル可愛いな。俺はホトトギスを食ってもないし、ホトトギスの俳句も詠んでないけどさ。
「俺はホトトギスを殺す人ね」
「で、ホトトギスを鳴かせてみせるのがそれがしです」
「ギャル可愛いからって出てくんなよ秀吉」
ギャルは取り敢えず『義務教育チーム』に入れておいた。




