本当に、ここどこですか?
俺は今、城の外を出る大きな扉の門の前に立っている。
前をスタスタと歩いていく神官。それに遅れないでついて行こうとしている途中で、俺は辺りをキョロキョロと見まわしていた。床は石畳、壁も石壁・・いや、石のブロック‣石のレンガだな。そして壁レンガにくっついて、石の丸い柱が1m置きに柱がずっと続いている。
こんなの見たことがないぞ。いや、映画とか洋画ドラマなら見たことはあるけど。実際に洋風の城なんて、お目にした事なんて今ままでない。大阪城とか日本の城なら見たことはあるけど、石造りの洋風の城なんて、今まで生きてきた人生の中で・・・・・一度も見たことがない。
「待ちなさい!リィオ・アーナミ」
俺がキョロキョロしながら歩いていると後ろから声を掛けられたので振り返ると、ベリンダと呼ばれる王女が俺を追いかけて来ている。王女にはいろいろ不満はあるし言いたい事もあるが、そんなこと口にしたら荒れ果てた村に派遣されるどころではなく、命さえなくなるかもしれない危険がある。俺はサービス業の店員みたいに笑顔を作って話しかける。
「何でしょうか王女様?」
「リィオ!あなたに、どうしても言っておきたい事があるのよ」
王女は下を見ながらそう言う。表情がよく見えないなと思っていると、王女は顔を上げる。その王女の顔は赤くなっていて、まるで親の仇を見るような目つきと怒りの表情で、とても低い声で言い放つ。
「・・・あなたには、がっかりよ」
今度は大きい、声に変わっていき。
「あなたのせいで、私が大恥をかいたじゃないの!!あなたのスキル何だと言うの!あたため?あたためる?本当に・・・・・・・・・・・・・使えない。使えません。
まったく、つかえませんわ!! 」
「どうしてくれるのです、お父様にも失望させてしまったじゃないの!!それもこれもあなたのせいです!使えないスキルしか持っていない、リィオ・・あなたのせいだわ!!
どうしてもらるのかしら?」
「・・そんなこと言われても、イルア村に派遣される身としては。そんな俺に・・・どうしろと?」
「あぁあ・・・もう、いいですわ!!本当に使えないわね!あなたの言葉なんかもう聞きたくもありません!」
まるで彼女が激高して、こっちが何を言っても聞いてくれない。そして自分が抱いている不満をヒステリックに、気が済むまで叫び続けないと気が済まないという状態だ。
「リィオ!もう・・・行ってくれるかしら。あなたにはもう、ようはないですし。正直に言わせてもらいますけど、二度と顔も見たくありません。早く私の前から消えて頂ける。
この城から早く・・・出て行ってもらえるかしら!!」
「・・っづ、なんでそ・・」
俺も怒りがこみ上げて来て、大声を上げようとしたときに肩を掴まれる。振り返ると神官が俺の肩を掴んでいる。
「リィオ・アーナミ・・・行きましょう」
「いやっ・・さすがに、いいすぎっ・・」
「リィオ・アーナミ!!」
俺が気が済まないで怒りかけていると、神官が強い声で制す。神官が何を言いたいのか正直わからないが、でも‥神官の目が『止めとけ』と言っているように思えた。怒りがまだ消えていないが,それでも俺が俺自身を取り戻すことが出来た。だが、自分の感情が整理できなくて、しばらく押し黙っていると。王女の姿は気づいたら、影も形もなかった。
「リィオ・アーナミ、行きましょうか」
俺は黙ってうなずき、神官の後を追って歩き始める。
それにしてもムカつく。あなたのスキル何だと言うの・・・知るか!私が大恥かいたじゃないの・・知らん!お父様にも失望させてしまったじゃないの・・・知るか!あなたのせいだわ・・知るかぁあ!!どうしてもらえるのしから・・・しっるかよぉおぉおお!!!
そもそも俺を呼び寄せたのは、王女の方だろうが!俺の事情も考えずに勝手に呼び寄せといて、勝手に期待しといて、俺のスキルで勝手に失望して、自分の溜まった怒りをスッキリするまで俺にぶつけ続けやがって!
思い出して来たら、ムカつく・ムカつくわ・むかつく・ムカつくんっんだけど!!いっやぁあぁ・・・・・本当に、腹立つわ!!あぁんのぉお・・・・・王女!
ふっざぁけぇんじゃねぇえよぉお!!!
と、歩きながらずっとムカつき続けていると。気が付いたら、城の外を出る大きな扉の門の前に立っていた。




