召喚された理由 ⑥
「何事です。また、大声を出しているのですか?」
俺が思わず大きい声で叫んでいた事に、王女様が即座に反応をする。
「ちょっと待ってください。その辺境の村のイルア村に、医師みたいな・・・治癒役の替わりとして俺が行くことになるんですか?」
「先程からイルア村に派遣すると言っていたでしょ。聞いていなかったのかしら?」
「俺は今、ここに来たばかりなのです。この国の事やスキルの事とか、わからない事ばかりなんです。それなのに辺境の村、イルア村に行くことは決定ですか。絶対なんですか?」
「お父様が決めたのですから、決定です。決定事項なのです」
「でもですね、そのイルア村で。俺は、いったい何をしろというんです?」
「ご自分でも言っていたでしょ、治癒役の替わりです。とは言っても、あなたに治癒魔法が使えるとは誰も思っていません。あなたがやれる事をおやりなさい」
「この国の事もわからないですし、イルア村がどんな所かもわからないですし。俺が、イルア村で何ができるかもわかりません」
「それは、イルア村に行きたくないという事を、言いたいのかしら?それでは、リィオ!
あなたを、鉱山の方に強制労働行きにしてもよろしいのですよ。リィオは、鉱山の強制労度を望むのかしら?」
鉱山の強制労働を望むかだって、いやだよ。強制労働なんて、いやに決まってる。という事は、辺境のイルア村に行かなければいけない。わからないことだらけだと言うのに、辺境の村なんか行きたくない。しかし、鉱山の強制労働か辺境の村行きの二択しかないのかよ。理不尽だ、日本の常識がまるで通じそうにない。
「いえ・・・、鉱山の強制労働は望みません」
「それでは、イルア村に派遣するという事で良いのですね・・・。意見もないみたいですし、イルア村行きは決定よ」
どうやら辺境の村のイルア村行きは、回避できそうにない。ならば、せめて・・・・・。
「イルア村行きは、どおうしょうも出来なさそうなので。それは、わかりました。でもせめて・・・・、一つだけ聞き入れて欲しい事があります」
「何です、聞き入れて欲しいと言うのは?まだ、何か言いたい事があるのかしら?」
「私の前に召喚された者、聖女と呼ばれる者と会わせて欲しいんです」
「聖女に合わせて欲しいですって、聖女に会って何を話す事があると言うのです?」
「同じ召喚されて呼び出された者なんです。直接会って、話しがして見たいのです」
「聖女は教会で、治癒行為を行っているのです。その聖女にあなたごときが会いたいですって?」
「俺を召喚したのは、あなた方です。わかららない事ばかりなのに、イルア村に行くことも承諾したんです。せめて、聖女に会って話をしたいと言う。一つの望みを、聞き入れて頂いても良いのではないんですか!!」
最後の聖女に会わせて欲しいと言う所は、それだけはゆずれないという気持ちを込めて喋る。
「なんて言い方をするのです、いい加減にしてくださるかしら!!あなたなどには、聖女に会う権利があると思っているのかしら・・・。」
「ベリンダ、少し落ち着きなさい。・・・リィオ・アーナミよ。」
俺と王女様が、言いあいになりかけてる時に。国王が話に割って入ってきて王女を抑えようとしており、王女は「お父様・・」と言ってから、押し黙っている。
「そうだな・・・、ベリンダが私の事を気遣って召喚して呼び寄せてくれた者だしな。その者の一つだけの願いだったら、叶えてやっっても良いか」
国王が、とても小声でボソボソと言っている。
「召喚して呼び寄せのはこちら側だ。お前の一つだけの、望みくらいは聞き入れてやっても良いだろう」
「ゼギルよ、リィオ・アーナミと聖女が会える場を作ってやってくれるか」
「わかりましたぞ。それならば・・・、今日は聖女のいる教会で一緒にいさせて、翌日にはイルア村に向けてリィオ・アーナミを出発させるという事で、どうでしょうかな?」
「それでい良いだろう、ゼギル手配を頼むぞ。」 「わかりました、国王様」
「リィオ・アーナミよ、今日一日聖女のいる教会で一緒にさせてやる。その間に話したいことを話しておけ。それで、翌日からイルア村に派遣のため出発となるからな。このドギア国の帝都には、二度と戻れないと思っていろよ」
「・・・わかりました。聖女との手配、ありがとうございます。」
「話しは終わりだ、誰かリィオ・アーナミを連れて行け」
司祭の後ろに立っていた神官が俺の所までやって来て、扉の方へと急かされる。
「行きましょうか、リィオ・アーナミよ」




