召喚された理由 ②
声がした方に、顔を上げようとして見ると。俺の下に書かれている魔法陣のそばでは、前身が紺色っぽいフードを着た、なんか・・・魔術師ですみたいな人達が数人いる事に気づく。その近くには西洋の鎧を着た集団が何人も両脇に立っている。その奥の方に立派で豪華そうな大きい椅子が二つあり、そこには西洋の王族と言うような風貌をした、50代くらいの男性と20代くらいの女性がいて。2人で今も何かを話している。その横には神官のような人も2人くらい立っている。
(ここ・・かなり広いな、大広間なのか玉座なのか知らないけど。本当にどこなんだよ?)
(フード着たやつとか、鎧着たやつとか、王族みたいなひととか、実物で見たことがないぞ。今まで生きてきた中で、一度もお目ににかかったことがない)
静かに起き上がって、服のほこりを払いながらあたりを見渡す。
(ここは・・・どう見ても日本じゃないな?中世のお城の中・・・・・・って感じがする)
「お父様。召喚した者が気づいたようですわ。
そこのあなた、名前を名乗りなさい 」
辺りを見回して見るが、周りにのみんなが俺のこと見ている。やっぱり俺か、名前を名乗れって言われているのって俺か?
「何を辺りを見回している、お前の事だ。ベリンダがお前の事を聞いているのだから、早く答えよ。お前の名前は何だ?」
一番偉そうで王族みたいな人がしびれを切らしたようで、俺に強い口調で言いはなつ。
「・・・あぁ・・ら・なみ、・・龍人です。」
多くの人たちに好奇な目、いや疑い・敵意のような目で見られ、非常に緊張する。その上強い口調で名前を名乗れと強要されて、なまえをなのるときにどもってしまった。
「アァーーナァミ・・それが、お前の名前か?」
「いや、違う。名前は・・りゅ・・う・・と。苗字があぁ・・らぁ・なみ、荒波」
睨まれているような気がして、どうしても緊張してどもってしまう。
「リュウオ、それが名前だな?」
「ちがう・・、俺の名前はり・・ぃ・・」
名前を言うときに大きい声を出そうとして、舌を嚙んでしまう。
「いぃ・っ・・おぉ・・・」
イタイ・・、痛い。舌が痛い。
「リィ・・オ・、お前の名前はリィオだな。」.
「いやいや・・違う。名前がりゅ・・うと、苗字があぁ・ら・なみ」
「あなたは、リィオよ。」
必死に俺が、龍人・荒波だと伝えようとしている時に。ベリンダと呼ばれる女性が横から口をはさんでくる。
「いいわね。あなたが何と言おうと、名前はリィオよ。
リィオ・アーナミ。ここにいる皆の者も、良いわね。この者はリィオ・アーナミ。
リィオ・アーナミよ。私が決めたのだから、他の意見は受け付けないわ!!」
そう言い切った女性は、有無を言わせない圧力を放っている。それが俺以外に、波及していって。とてもじゃないがこの場で、異論・反論できる状況じゃない。
「お父様が言っていたではないですか。聖女を召喚出来たのは良かったが、できることなら戦闘に参加させることが出来るような者を召喚したかったと。
だから私、自分の力で召喚を成功させて。お父様のお役に立てればと思い必死で頑張ってみたのです。」
「ベリンダ、さすがは我が娘よ。そんなに私の事を思って、我が娘みずから召喚の儀式を行い成功させるとは。これほど嬉しい事はない」
横にいる父親は、娘が自分を思って行動してくれた事に、両眼に涙を溜めるほど感動している。
ってそんな事はどうでも良い。いまとても、聞き流せない言葉を言ってたぞ。
「聖女を召喚出来たのは良かったって、どういうことだよ!!
それって、つまり、・・・・・・」
「何ですか!いきなり大声を出して、迷惑極まりないわ!!」
俺がいきなり大声を出したことに怒っているようだが、俺はそれに構っていられない。なぜなら、どうしても聞きたい事があるからだ。
「 それって、つまり・・・。
俺の前にも召喚して、呼び寄せた者がいるってことか?」




