召喚された理由
「うぁぁああぁぁぁぁぁあぁぁぁ」
真っ白い空間から、白い雲のような気体を通りすぎて青い空間に出る。見渡す限りの青一色。
(これって青空、って青空から下に落ちって行ってるのか?)
俺の周りには光の粒が、粒子が見える。いや・・・俺が・・。
俺が光ってる、俺自体が光に包まれてるんだ。
そんなことを考えているうちにも、空から落ちているのは変わらない。だんだんと不安になってきた、このまま落ちていったら地面に。どこかにぶっつかってつぶれて・・・・・、ダメだ・・・怖い。俺が助かる想像が思いつかない。
「これ・・どうしたらいいんだよ・・。どうすりゃ・・いぃいぃいんだよーーーーー。」
叫んでも事態は変わらず。そうこうしているうちに、落下方向の先に緑や茶いろい部分が見えてくる。や・・ま、山だ。それにつち、そろそろ地面が見えて来たんだ。
(まずい・・・、本格的にまずいぞ・・・。あれ・・・・。)
丸いのに囲まれた、ま・・ちか。建物ぽっいのが集まってる。あれ・・大きい建物も見える。って言うか俺、そこに向かって落ちて行ってないか。
あぁ・・・近づいてきたからわかってきた。囲んでいる丸いのって、・・塀じゃないか。街を塀が囲んでいるんだ。いぃや・・ぁ、この街大きいぞ、街じゃない。これは・・・街じゃなくて都市だ。それに・・・大きい建物に見えてたのって、し・・ろ・、これ・・・城だぞ。だんだんと近づいてきたからわかる、あの大きい建物は中世の城のように見える。
いやぁ・・・待て。俺って街、都市じゃなくって、城に向っかって落ちて行ってないか・・?。きっとそうだ・・、もっと城が大きく見えるようになって来た。まぁて・・待て・・、せまっって・・えぇる・。迫って来てるって・・、いやぁ・・ぶ・・つかぁ・・る。
もう目の前まで、とてつもなく大きい城が迫ってきている。俺は思わず目を閉じる。
(ぶつかる・・、ぶつかる・・・ぶつかる・・・・。)
次の瞬間、床のような硬い地面に。胸や顔、前側に『ドン』と衝撃を受けた。・・ヒキガエル状態になってしまう。
あれ・・でもそんなに痛くない。死ぬほどではない。もっと痛いと思ったが・・・、前身がジンジンしてるけど・・わりと大丈夫そう。だが・・・。
「い・・づっ・つぅつっっう・・・・。」
前身がジンジンだけでも、痛いのは痛い。手を動かそうとして指に力を込めて、手を握りしめることに成功する。そして・・・・・。
目蓋も開けて見ようと・・、ゆっくりだが目を開けて見る・・・・・。
石畳の床が見える。しかもこの石畳に白色で何かの文様みたいのが描かれている、これって・・いわゆる魔法陣ってやつなんじゃないか。今まで見たことがない。さっき落ちている途中に見た街、いや・・都市も。大きい城も実物で見たことは・・・今までに一度もない。
たぶんここは俺の知らない土地、知らない場所。俺が生活してきた世界ですらない可能性もある。
まずは情報を得ようと、両手に力を込めて起き上がろうと。上半身を起こそうと体を動かす。
「ほら・・お父様、私にも出来ました。私にも・・・召喚する事ができたのです」
「さすがはベリンダ、私の娘。この国の王女にふさわしい。」
誰かの話し声が聞こえてくる。それに俺は、心の中で大声で悪態をつく。
(誰だよ、俺に空をスカイダイビングさせたやつ。いや・・・空から落下させるようなことしたやつは!)




