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17.絶望の王座

 広場は、もはや歓喜の場ではなかった。それは、極度の恐怖と裏切りによって引き起こされた、集団的なパニックと狂乱の地獄絵図と化していた。民衆の顔から、信仰の光は消え失せ、残されたのは、自己の破滅を悟った者の、純粋な絶叫と慟哭だった。

ララは、その狂乱の中心で、勝利の宣言を上げた。

「皆様は、私を聖女として崇め、私に全てを委ねました。私に、この呪いを仕込む絶好の機会を与えたのは、神でも悪魔でもなく、他ならぬ皆様自身の浅はかな信仰心です。皆様は、母アンナを処刑することで、自分たちの未来を呪う、真の魔女を自ら作り上げたのです!」

彼女は、着ていた白い法衣を、自らの手で引き裂いた。鮮血の包帯が露わになり、その下に隠されていた彼女の冷酷な本性が、全ての人々の前に晒された。彼女は、聖女の仮面を打ち捨て、真の魔女として、復讐の王座に君臨した。

法皇と聖職者たちは、あまりの出来事に言葉を失い、祭壇の上で震えていた。ヴォルフ博士は、分析結果の紙片を強く握りしめ、叫びたかった。しかし、彼の理性的な警告は、狂気に満ちた数千の絶叫に掻き消され、何の力も持たなかった。

ララは、満面の、そして凍えるような笑顔を浮かべた。その笑顔は、母の悲劇から生まれた、完全なる復讐の化身のそれだった。彼女の復讐は、単なる死ではなく、世代を超えた、永遠の絶望という形で、今、完遂されたのだ。

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