1.異世界転生
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「えっ、生きてる」
アスファルトの陥没でそのまま落下したはずなのに
何故か生きている
痛くも痒くもない
周りに広がるのは草原
まぁなんとも綺麗な景色だこと
全身を触って確かめてみたが
特に違和感もなく怪我もしていない
しかし着ていたはずのスーツだけがどこかえ消え
アニメで見るようなThe農民!
みたいな服に着替えられている
もしかしてだけど
もしかするともしかしてだけど
元の世界で死んで異世界転生しちゃったやつだこれ
とりあえずこんな所で座り込んでいても意味が無いので
散策をしながら人がいそうな場所でも探すことにした
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俺が目覚めた場所は標高高めの
丘のような場所だったため
周りの景色を一望できた
あれ、そういえば
コンタクトつけてる感じでもないのに
めちゃくちゃ視界がクリアに見える
為にしに目をグリグリ擦ってみたが
コンタクトがズレる感覚もしないため
やはり裸眼のようだ
転生物ってなんかこうもっと
とてつもない力とか付与されて
いや、転生する前に綺麗な女神様とかに
欲しい能力とか与えられて!みたいな感じじゃなかった?
唯一付与されたのが視力アップて
なんかもっとこう他にあったろ
しばらく丘の上を散策していると
「あ、街だ、でかっ」
丘の麓のさらにしばらく先の方に
壁に囲われたとてつもなく大きい街?いや国?
を発見した
「歩くかぁー、だいぶ距離あるなこれ」
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歩くこと1時間
いや、時計もスマホもないから
実際にはどれだけ歩いたのか分からないが
だいぶ歩いたそれだけは間違いない
近づくと見えてきたのは立派な門構えと
何やら慌ただしそうにこちらを見ながら様子のおかしい
衛兵2人
すげぇほんとにプレートアーマー着てるよ
めちゃくちゃ重そうそして動きづらそう
「あ、あの~ここはなんという街?国?でしょうか...?」
「!?何者だ貴様!!止まれ!動くな!!」
「え、いや、あの怪しいものじゃn」
「動くなと言っているだろう!!!それ以上動いたら即刻貴様を切りつける!!!おい!!魔道士か騎士団かとりあえずなんでもいいから応援を呼んでこい!」
なんで?The農民!みたいな格好の俺を?
何もしていないのに?何故に?
「怪しいものじゃないんですって!!気づいたら丘の上にいて!やっと人がいそうなところを見つけて歩いてきただけなんです!!」
「怪しいものじゃない!?そんな莫大な魔力を撒き散らしながら何を言っている!!」
「魔力!?なんですか魔力って!?」
「とぼけるな!!アウリーガ王国には1歩も足を踏み入れさせん!!!」
まてよ、もしかして異世界転生物っぽくなってきた?
視力回復だけじゃなくて
チート級の魔力付与されちゃってる感じか?
「何事だ?」
衛兵と揉めていると
テッカテカに輝く白馬に乗り
エメラルドグリーンの綺麗な髪をなびかせた
気の強そうなエルフの女性が門の中から出てきた
「っ!?」
騎士団長と呼ばれたそのエルフは俺の顔を見ると
驚いたような顔をして
こちらに近づいてきた
「お前、名は何という」
「ミヤオカ シュウト...です」
「我の知っている服装、髪型とは少し違うが、お前もしやサムライだな」
「さ、さむ、サムライ?」
何を言ってるんだこのエルフは
どう見たってサムライなわけなかろう
「いやサムライじゃないですけど」
「隠さんでもよい。サムライと知ったからと言ってお前の魔石を奪い取ろうだなんて思ってはおらぬ」
「魔石?え、俺の中に魔石があるんですか?待ってじゃあ俺魔物ってこと!?」
「?なに?お前もしやサムライを知らぬのか?」
「サムライは知ってますけど、解釈不一致ですかこれ」
「もういい、とりあえずお前は我と一緒に来てもらう。乗れ」
「乗れ?とは?
ひぇぇ!?」
あろうことかそのエルフは
身長175センチ65キロの俺の首根っこをつかみ
軽々と持ち上げ自分の後ろに座らせた
「しっかり捕まっておけよ」
「え、どこに」
「我以外何につかまるんだアホ」
「あっ、失礼します」
初めて女の人に抱きつかせて頂く
24歳 宮岡 柊斗 (童貞)
颯爽と走り出す白馬
想像の20倍の振動とスピード
「ゔっ...ぎもぢわるい..うぅっ」
「サムライとは思えぬ貧弱さだな、なんとも情けない」
「だからサムライじゃないんだって...」
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