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【完結済】神風勇太はたった一人の勇者となる  作者: みおゆ
第二章・バンゲッデトウ
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第12話・お前ら! 少しは俺を勇者として扱えー!!

「Awesome!  I want to stay here forever!!」


 俺はその声を聞いて、バッと目を開いた。

 明るい太陽が登り、目の前には活気に満ちた光景が広がっている。


 ……戻ってきた。


 俺は、ゆっくりと周りを見渡した。

 ケンはもちろん、マキとリアムもちゃんと生きてそこにいる。


「? どうしたのですか、勇者様? わたしの顔に何か付いているの――」


 俺はマキに抱き着き、そのままいっしょにリアムにも腕を回し引き寄せた。


「わわっ! 勇者様!」

「Whoa!! どーしたユータ!?」

「お前らぁぁぁ! 会いたかったぞ!!」


 俺は精いっぱいの力で抱き締めた。


「なんなのですか〜。さっきからずっといっしょにいるのですよ〜」

「そーだぞ。アツクルシイってやつだ〜」

「お前らはそうかもしれないけど、俺にとっては違うんだよ!!」


 ああ、二人はちゃんと温かい。

 よかった。


「ユータ。もしかするとこれは戻ってきた……という感じか」


 俺の様子を見ていたのだろう。ケンはそう話しかけてきた。

 俺はようやく二人から離れて、ケンを見た。


「まあな。前回はお前とヒヤヒヤもんだったぜ」


 俺は明るい感じで答えると、ケンは少しだけ眉尻を下げた。


「ユータ。あまり無理するな。僕は何も覚えていないが……」

「全力で俺に協力してくれるんだろ? 前もそういうこと言ってたぜ、ケン。……ありがとな」


 ケンは何も言わず、照れ臭そうに目を逸らした。

 時間を繰り返しても、こうして励まそうとしてくれるのは、きっと、これがケンの本心だからなのだろう。


「戻ってきたって……そうだったのですか!? ……うぅ、前回何が起きていたのか、サッパリなのですが……。でも、今度こそ先へ進めるように頑張るのです!」

「オラもだ! 考えるのはニガテだけど!」


 マキもリアムも、文句も言わずに俺に協力してくれる。


 ――本当に、いい仲間を持ったぜ。


「……そうだ。お前らにひとつだけいい報せがっ……」


 現実世界の俺らは生きている――と、魔王との会話のことを話そうとしたら、言葉が出てこなかった。


 話したいのに、話せない。話そうとしているのに、なぜかまったく機能しない。

 いくらゲームのコントローラーを操作しても、画面の向こうは何も反応しない時のような。


 ――……魔王が、喋らせないようにしたのか?


「勇者様、よい報せってなんなのです?」


 ――クソっ、魔王め。一体どうしてこんなこと……。


 ……しょうがねぇ、ここは諦めるしかない。

 俺は、別の話題でごまかすことにした。


「いや〜、えっと……それがさ。ここに戻る前に、なんともかわいい姉妹のパジャマ姿を拝んできましてね。しかもまだまだ若い猫の半獣人で……」


 うん、この話はちゃんとできるらしい。


「……よい報せとは、それなのですか?」


 マキは、笑顔のまま杖を握りしめた。


「Japaneseはこんな変態ばかりなのか」

「いや、ユータだけだ」

「違う! これはしかたのないことなんだ!」


 声を上げるが、時すでに遅し。


「煩悩勇者様にはおしおきなのですーっ!」


 ……ゴツン!!


 一体、何度目になるのだろうか。

 マキの杖による制裁を受け、俺は地面に倒れ込んだ。


「……もう! リアムさん、ケンちゃん、あそこに見えるソフトクリームみたいなのを食べに行きましょ、なのです」

「了解した」

「Come onユータ! お金いるから!」


 三人はそう言って、さっさと先に行ってしまった。


「お前ら! 少しは俺を勇者として扱えー!!」


 そう言ってすぐに立ち上がり、急いで三人を追いかけた。

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