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【完結済】神風勇太はたった一人の勇者となる  作者: みおゆ
第二章・バンゲッデトウ
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第1話・いやらしいことは厳禁なのです!

 ギラギラと輝く太陽。

 透きとおった真っ青な海。

 気持ちのいいカラッとした暑さ。


 俺たちは、南エリア――もとい南の国〈バンゲッデトウ〉へと辿り着いた。


「綺麗なとこだな! 早速、海で泳ぎたい気分だぜ」


 俺は浜辺に立ち、海を眺めた。

 海風は肌に帯びた熱気を払ってくれて、それが心地いい。


「アツイし、海にdiveしたい!」

「わたしも泳ぎたいのです! あーでも、水着がないから無理なのですね、ちょっぴり残念なのです」


 マキの言うとおりだ。この格好のまま海に入るわけにはいかないしな――って、待て! 水着か!!


 すぐに脳内でマキの水着姿をシミュレートする。


 王道のビキニタイプ。

 可愛らしいワンピースタイプ。

 オフショルダータイプもセクシーで最高だ。

 ま、待て。ガッツリ攻めたマイクロビキニだって捨てがたいぞ!


 ――ユータ。スクール水着なるものが、Japanの文化にあるだろ!


 ――確かに! ロリ体型のマキにはピッタリかもしれな……。


 ゴンっ!!


 と、そこまで思考を巡らせたところで、後頭部に重い衝撃が。

 俺とリアムは、二人揃って砂浜の上に倒れた。


「いやらしいことは厳禁なのです!」


 マキは杖をブンと振り、〈ITEM〉の中へしまった。アホな男の煩悩はすべてお見通しらしい。


「……まったく。これから魔女の子二人目を倒しにいくというのに、二人とも緊張感がなさすぎなのです」


 呆れ顔のマキに、ケンも「そのとおりだ」と、同意した。


「僕たちがこうしてうつつを抜かしている間にも、魔王の魔の手は少しずつ忍び寄ってきている。僕たちは、一刻も早く魔王の悪事を止めなければならない」


 俺とリアムは立ち上がり、「はいはい」と返事した。


「……で、元(・)魔女の子のケンさんよ。二人目の魔女の子とやらは、一体どこにいるンスか?」


 と、俺は聞いた。


〈バンゲッデトウ〉に来たのも、元々はケンの提案だった。それに、魔女の子であったケンなら、それぞれ誰がどのあたりにいるかなんて、知っているものだろう。


 ケンは首を傾げ、答える。


「どこにいるのかまでは知らないが。南の国担当はドンキーフールのはずだから、きっとこの国のどこかには、いるだろうな」

「……え、どのへんにいるとかまで、知らないのか?」


 俺は間抜けた声で聞くと、ケンはただ頷いた。


「知らないな。そもそも僕ら魔女の子は、仲間としての意識も低い。基本的に、お互い干渉はしないんだ」


 ――なーるほど。


「……んじゃ、イチから情報収集していって探すしかないってわけか……。なんだよ、お前がここに行こうって言うから、ドンキーフール? って奴の居場所まで知ってたかと思ったぜ」

「僕はただ西エリアから反時計回りで回ったほうが効率がいいと思っただけだ。僕は一度も、奴らの居場所まで細かく知っているとは言っていない」


 ここで雑談ばかりしている場合ではない、とりあえず村へ向かうぞ、とケンは言い、歩き出した。


「っておい! なんだよ、リーダーぶりやがって! 一応、俺が勇者なんだかんなっ!」


 俺は言いながらケンの横についた。


「言い忘れていた、ユータ。その〈セーブ〉という力がせっかくあるんだ。村へ入る頃には、保険として、しっかり一度は〈セーブ〉しておけよ」

「そんなのわかってるっての!」


 そんなやり取りをしながら、村へと歩いていく。

 マキとリアムの笑い声が後ろからついてきていた。

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