第15話・ああ、最高に地道で汚いやり方をな!
「勇者様ー。どうしたのですか、早く行くですよ」
「ユータ! オナカいっぱいなって、ねむくなったか!」
二人の声が聞こえ、俺は我に返った。
周りを見る。城下町入口に立っていた。
ところ持金は……やっぱり1200ゴールドしかない。格好もボロボロの衣装のままだ。
――あーあ。またテオドロス王女にお願いしにいかないとな。
「勇者様。その感じだと、また戻ってきた……って感じなのです? 勇者様、また死ん……」
「ああ! 大丈夫! 今回は死ん……だんだけど! まあ大丈夫だ! とりあえずお前ら、今からテオドロス王女のところへ戻るぞ!」
俺が言うと、リアムは「Are you sure!?」と喜びの声を上げた。
「ゆ、勇者様? いきなり王宮へ戻るなんてどうしたのですか?」
不思議がるマキに、俺は答える。
「もちろん、お小遣いをもらいに行くんだ!!」
◇
「ずーうーずーうーしーいーのーじゃーーーー!」
と、テオドロス王女は声を荒らげたが、最終的には施しを受けることに成功した。
まったく同じ話もしっかり聞いてきたぜ。
武具屋で新たな装備も購入し……準備は完璧だ!
「新しい武器ゲットなのです!」
マキはルンルンと喜んでいる。
そのかわいらしい姿を二度も見られたってんなら、このやり直しも悪くない。
もう間違いなく〈セーブ〉はしたし、ミスったとしてもそこまでやり直さなくてもいい。
さて、次はどう狼男と戦うか、だが……。
「ユータ! HerbsとかPotionとかを買えるだけ買って――」
「その作戦は却下だ」
「What!? キリステが早いぜ、ユータ〜」
――悪いな。あんまりモタモタしてると、狼男が先に来ちまうからさ。
「勇者様! 勇者様!」
マキが声をかけてきた。
「わたし、ここでちょっと戦ってみるうちにレベルアップして、新しい呪文を覚えたのですよ!」
俺がああ、〈ミラーネ〉か……と内心思うと、顔に出てしまっていたのか、マキはシュンとした顔をしてしまった。
「そうですよね、勇者様はもう知っているのでしたね……」
「ああごめん! マキ、そんな落ち込まないで……! お、俺、もっかい見たいな〜?」
「マキ! 新しい呪文ってなんだ!?」
しょんぼりマキに、興味津々リアムに……ああ、二回目の時間は中々に混沌と化している。
――あ、そうか!
そんな中で、俺は閃いた。
……と、その前にひとつだけ確認しておこう。
「マキ、『魔法弾』っていうのはさ、弾の回数とか決まっているもんなのか?」
「魔法弾なのですか? ……えっと、確か説明書にあったのは、使える上限は回数ではなく、本人のMP――マジックポイントですね――が、尽きるまで、なのです。人それぞれのMP次第なのですよ」
なるほど。つまり、攻撃の終わりは必ずあるってわけだ。
「勇者様、何か魔女の子を倒す策を思いついたのですか?」
俺は頷いた。
「――ああ、最高に地道で汚いやり方をな!」




