第6話・勇者様の想いは、〈リセット〉という力も超えるのです!
〈アンノウンダイチ〉で、確実にしなければならないこと――それは、リアムさんと、ケンちゃんを仲間にすることなのです。
わたしはそうなるようにさりげなく仕向けてきましたが……今や、それも必要ないのです。
ハンドレディが手柄を独り占めしようと、〈アンノウンダイチ〉に現れるようになってからは、リアムさんと仲間になるシナリオが安定したのです。何度か負けて死ななければならないのですが、別に苦痛じゃないのです。その先の展開を知っていれば、なんの恐怖もないのです。
城下町のレストランで、リアムさんが仲間から抜けてしまいかける危機が毎回訪れてしまいますが、そこは情に訴えれば問題は回避できるのですよ。リアムさんも、なんだかんだお人好しなのですから。
もうひとり、ケンちゃんですが、最初のほうこそ全然仲間になってくれなくて、戦力が足りなく、大変なときもあったのですが、あのときの勇者様の訴え――『……お前の意思はねぇのかよ!!』という叫び――が通じてから、仲間になってくれるようになりました。
――勇者様の想いは、〈リセット〉という力も超えるのです!
……ですけれど、その力をすばらしく思う反面、厄介だと強く感じたのは、この最後の冒険をしているときなのです。
いつもどおり〈ニードル王宮〉へ行き、本来ならそのまま魔女の子の話を聞いて終わるはずだった……ですが、テオドロス王女は魔女の子の話をしなかったのです。
それどころか、テオドロス王女は王家に伝わる剣なんてものを勇者様授けたのです。
こんなの、今まで一度だってなかった。
だって、この世界を治める王女といっても、所詮ただの〈NPC〉なのです。そんな勝手なことができるわけ……。
――いいえ。わたしだって、そうなのです。
……あなたも、わたしと同じ 〈心〉 が発生してしまったのですね。
きっと記憶になくても、長い間、勇者様と言葉を交わしたから。
しかし、見たところ剣はただの剣――特別なものは感じなかったのです。
大丈夫。おそらく、この剣がわたしに不利益をもたらすことはないのです。
予定外に物語は動き出したのですが、一周遅れて、テオドロス王女の口から魔女の子の話も聞け、自然と魔女の子を倒していくルートができたのでよかったのです。
魔女の子を倒しながら強くならなければ、魔王を倒せない。
何度もゲームオーバーすることがあって大変なのですが、それよりも、魔女の子を倒すという目標ができたおかげで、より長く勇者様といられるのはうれしいのです。
それに、勇者様だけじゃなくて、リアムさんとケンちゃんという仲間も増えたのです。
たくさんの仲間に囲まれて冒険するのは、すごく楽しいのです。
ずっといっしょにいるためにも、わたしは乗り越えつづけなければならない。
魔王の用意したイベントをクリアして、最終的に魔王に打ち勝たなくてはならないのです。
わたしたちは、海を渡って次なる大地へ進みます。
さっそく、最大関門といえるイベントの登場なのですよ。
あそこには、ひとつだけ先の読めない運の絡んだ要素があるのです。
さて……今回は、上手くいくといいのですが。




