表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第3章 聖王国脱出
91/129

11 訓練のお時間

明日は投稿休みます。

次回投稿予定日は21日です。


 夕食を終えると、今から訓練のお時間です。まずはアレッサとマノンが1人ずつロッタに挑み、最後に2人がかりでロッタに挑む。


「じゃあルールはロッタの頭、首、胴、腕、そして足を強く攻撃することができれば2人の勝利、2人がまいったと言うか戦闘不能で2人の敗北だから」


「さすがに首をナイフで斬られると死ぬんだけど……」


 細かいルールは戦いながら決めたらいいよね。


「審判は委員長にやってもらおうかな、危なくなったら止めてね」


「分かったわ、ロッタは素手だし大丈夫だと信じているわ」


 さすが委員長、ロッタに危ないことをするなと遠まわしに言っている。……たぶん。


「いや、あたしじゃなくてナイフが大丈夫じゃ――」


「そして2人は最後に2対1で戦ってもらうのだけど、負けたら罰ゲームがあります!」


 やっぱり罰ゲームはお約束ですよね。


「は? 2対1? 聞いていな――」


 でも今回は衣装系ではないです。だけど、かなり恐ろしい罰ゲームです。


「2人が全て負けた場合、マノンの明日の朝食が1品減ります!」


 マノンが驚き固まる。そして静かロッタを睨み始める。

 かなり効果的だね。マノンも本気でやるに違いない。


「おい! どうしてあたしが睨まれる――」


「そしてっ! アレッサは明日の朝食が少し多くなります」


 我ながらなんて恐ろしい……。


「うん? 我の朝食が少し増えるのが罰ゲームになるのか?」


 アレッサは不思議そうな顔をしているので、マノンを指差してやる。アレッサがマノンのほうを見ると、マノンがアレッサを睨みつけている。


「え? どうして我が睨まれているのだ?」


 食べ物の恨みは恐ろしいからね。


「マノンの1品が、アレッサの朝食に追加されるからだよ。当然、マノンにあげるのは禁止。アレッサはマノンの前で、その朝食を美味しそうに食べてね」


 ようやくこの罰ゲームの恐ろしさをアレッサも気がついたのだろう。マノンの殺気を受けながら、青い顔でプルプルと震え始める。


「なんて恐ろしいことを考え付くのだ……、トーカは名のある大悪魔に違いない!」


 クックックッ、否定はしないよ。自分でもこの罰ゲームを考え付いたときは、震えが止まらなかったよ。


「はっ! たかが朝食が1品減ったぐらいで大げさな」


 ロッタが鼻で笑う。そしてそれを聞いたマノンの目の奥には殺意と言う名の炎が燃え盛っている。

 なんてことを言うんだこの盗賊女は……。


「じゃあアレッサとロッタ、始めるよ」


 早く始めてマノンの怒りをロッタにぶつけてもらおう。


「うむ、問題ない」

「いいぜ!」


 審判の委員長に後は任せる。委員長が2人に近づく。


「じゃあ、始めて」


 委員長の合図で勝負が始まった。

 先に攻めたのはアレッサ。杖を剣のように持ち上段から斜めに振り下ろす。ロッタはそれをギリギリで避けると下がる。

 その後もアレッサが杖を振り攻撃を続けるが、ロッタはそれを全て最小限の動きだけで避けている。


「どうした? そんなんじゃ、いつまで経っても当たらないぜ」


 こうやって見てると僕も勉強になる。アレッサ目線や体の動きでアレッサがどこを攻撃するかを理解しそれに合わせてロッタが上手く動いている。僕もオークキングに敗れたときは、こんな風にオークキングに動きを読まれていたのかもしれない。それなら勝つにはどうすればいいか……。

 手数? ……違う。フェイント? ……必要だけど少し違う。意外性? ……1度目は効果があるけど、2度目はない。そうなると防御……だよね。僕は攻撃よりも防御のほうが得意だ。性格的に防御が好きでないけど、障壁や看破を使ってしまえば絶対に負けない自信がある。だけど、面白くないからそれをしたくないというただの我がままだ。


 でも……負けるのは嫌だ! だけど、障壁や看破に頼りきった戦いはしたくない! だったら防御を鍛え上げるしかない!

 うん、僕の方針はなんとなく見えてきたね。あとは訓練あるのみかな。委員長にも手伝ってもらおう。


 そういえば戦いは……うん、アレッサが疲れてふらふらしてるね。ロッタは余裕でそんなアレッサを見てる。アレッサが使い物にならなくなると、2対1の戦いに支障をきたすからもういいだろう。


「委員長、アレッサの負けで」


 委員長ももう無理だと思っていたのだろう。アレッサに敗北を伝える。


「そうね、じゃあアレッサは下がって」


 だがアレッサは納得せず、まだ戦おうとする。


「まだだ、まだ戦える!」


 いいね。オークマジシャンとの戦い以降、アレッサの戦いへの心構えが少し変わった気がする。でもだからこそ、今は下がるべきだね。


「アレッサ、今は勝てないのが分かっているでしょ? だから、次のマノンとロッタの戦いを見てどうすればいいのかを考えてみるといいよ。そして最後の2対1の戦いで勝つために、今は悔しくても休憩すべきだよ」


 ちょっとずるい言い方だけど、ロッタの戦いを見ることはアレッサにとってもいい勉強になると思う。


「うむ……、そうだな。マノンしっかり見てるから、ロッタの弱点を探してくれ」


「分かった! 全力で斬りつけてみる!」


 全力で斬りつけてどうするの……。マノンの怒りはまだ収まっていないようだ。アレッサも悔しさを忘れて、ちょっと引いている。


「マノンも準備はいいようね。じゃあ、2回戦始め」


 委員長の合図と共に、マノンがロッタに接近して斬りつける。躊躇なく首を狙うところはマノンらしい。


「おいおい、いきなり首かよ」


 ロッタも少し引いている。マノンが持っているのは本物のナイフだからだ。とはいえ冷静に攻撃を避けているのはさすがと言える。

 マノンの攻撃は止まらない。首や顔を執拗に攻め立てる。だがアレッサのときと同様にロッタが最低限の動きだけで避けている。

 これはアレッサの二の舞かなと思ったら、顔や視線は首を見ながら腕を狙い斬りつけた。これにはロッタも驚き、一瞬回避が間に合わず、軽く腕を斬られる。

 怒りながらもちゃんと冷静さを持っていたんだね。


「ずっと首や顔を狙っていたのはこのための布石だったわけか。だがもうあたしには同じ手は通用しないぜ!」


 ロッタも斬られて本気になったようだ。マノンが近づくと、足払いでマノンを転す。マノンもすぐに立ち上がるが、無理に突っ込むのはやめたようだ。

 マノンがゆっくりとロッタに近づくと、しゃがんで足を狙い斬りつける。ロッタも下がって避けるが、下がった分マノンも近づき斬りつける。


「地味だが戦い難いな」


 ロッタがマノンを攻撃するには足で蹴るしかないが、それはマノンも理解しているだろう。うかつに蹴ると、ナイフで斬りつけられるから、ロッタもなかなか攻撃ができない。


「おい審判! これはどうなんだ? あたしは続けてもいいけど、勝敗がつかないまま終わるぞ!」


 そうだね発想は悪くないけど、実践的ではないね。相手が武器を持っていれば、この戦法は使えないし。


「そうね、マノン立って。戦闘の合間にならしゃがみ攻撃はいいけど、ずっとは駄目よ」


 委員長も僕と同じ考えだったようだ。たぶんマノンの戦い方を見ながら、自分だったらどう戦うかを考えていたのだろう。


「分かりました」


 マノンも立ちながら少し困った顔をする。おそらくロッタに勝つ手段がもうないのだろう。


「マノン、降参する? 最後にアレッサとの2対1が残っているから、それで勝てばいいんだし」


 マノンが少し悩み決断する。


「降参します! アレッサと2人で勝ちにいきます!」


 こういうところはマノンらしいね。どうすれば最適かをちゃんと考えている。まあ訓練だから、もう少し頑張ってもよかったんだけどね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ