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僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第3章 聖王国脱出
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03 いらない人

誤字報告、本当にありがとうございます。


明日はおそらく間に合わないので、次回の投稿は11日予定になるかと。


 以前、第3王女に喧嘩を売ったから、それが原因かもね。

 むふふ、なかなか熱い展開になりそうじゃないか。


「今夜は……、長い夜になりそうだね!」


 ちょっと決めてみた。3人のほうをチラッと見ると、何故か僕を無視して話をしている。


「ちょっと? 気を抜いては駄目だよ。今も僕達のことを見られていることを自覚しないと」


 3人とも少しはしっかりしてほしい。油断大敵だというのに……。


「分かっているわ、だから今夜からの夜の見張りについて話し合っているんじゃない」


 ん? それなら僕も話し合いに参加すべきだよね? もしかして、僕には別の何かを期待されているのかな?


「それで、僕は何をすればいいかな?」


「あなたは、寝ていてもいいわよ」


「うむ、我らがしっかり見張っているからな」


「私も見張りは得意ですから!」


 あれ? なんだろ……、何も期待されていない空気なんだけど……。


「そ、そう? じゃあ、お言葉に甘えて……」


 ……おかしいな。ここは夜中に襲撃されて、仲間と力を合わせて撃退するところじゃないのかな?

 このままだと3人が戦って、そのまま撃退してしまいそうな雰囲気なんだけど……。


 周囲を警戒しながら宿に帰ると、アレッサとマノンがすぐにベッドに横になる。

 しばらくすると2人の寝息が聞こえてくる。


「2人とも、寝るのが早いね」


「あなたはいつも、気がついたら寝ているわよ」


 そうだったかな? でも眠るべきときに眠れるのは冒険者として必要な技術だよね。


「委員長は、今夜にも来ると思う?」


「そう思うべきよね。来ても来なくても、明日の朝にはこの街を出ましょ」


 のんびり観光とはいかなくなってきたね。できれば獲れたての魚介も欲しかったんだけど……。


 仕方ない、追ってくるなら逃げるのが筋だもんね。

 問題は次の街リノートに行くべきか、それとも行かずに別のルートを進むべきか。そして、国境がどうなっているか分からないので、簡単に通れるか分からないことだ。

 国境さえ通ってしまえれば、簡単には手出しできなくなるだろう。それでひとまずは僕達の勝利という訳だね。


「委員長はどの逃走ルートを考えているの?」


「逃走ルート? 予定通りリノートに向かうつもりだったのだけど……」


 あれれ? 何も考えてないの?


「えっと……、おそらく相手もそう考えているんじゃないかな? 逃げた先に待ち構えている可能性もあるけど……」


「……それは考えていなかったわね」


 仮に今夜襲撃があってもそれはなんとかなると思う。でも問題はその後だ。リノートに向かうとして、2つのルートがある。正確にはもっとあるが、他のルートは距離が遠くなり、現実的でないので除外しておく。

 まず北に進み、その後に西へ行くルート。もう1つは海岸沿いに進み、右折して北へ行くルート。

 前者は、僕達がどの国に向かっているか分かりにくくする利点があるが、少し遠くなる。後者は距離は近いけれど、目的の国を確実に知られてしまう。


「まずは北に向かうか、西に向かうかだね」


「北西にあるのよね、真っ直ぐは無理なのかしら?」


「山があるから無理!」


 委員長、料理は手順を踏んで、量もちゃんと量るのに、地図は大雑把なんだね……。

 山の中なんて、木が生い茂っているから徒歩ならともかく、馬車では絶対無理だよ。


「そ、そうよね……。じゃあ北かしら?」


 それ、適当に言っているよね。何が正解かは分からないから、どちらでもいいのだけど。


「じゃあ委員長の直感を信じて、明日の朝は北ルートで行くよ」


「え、ええ、そうしましょ」



 ◇



 予想通りと言うべきか、トーカは熟睡しているな。襲撃が来る可能性が高いと知っていながら、どうしてこう平然と眠れるのだろう。

 カレンには眠ってもらい、今は私とマノンが起きて警戒をしている。


「トーカは今夜もメイド服です!」


 カレンはいつでも戦えるように、皮鎧を着て蛇腹剣をすぐ側に置いて眠っているが、トーカは皮鎧どころかナイフの1つも出さずに眠っている。


「トーカには恐怖心というものが、欠落している気がするのだが……」


「きっとトーカは私達を信頼しているのです!」


 そうかしら? いえ、ある意味そうなのかもしれないわね。


「……来ました! アレッサ、カレンを起こして!」


「分かった」


 マノンが床に耳を当てて、足音で数と位置を探っている。

 私もカレンの下に行き、揺らして起こす。一応トーカも一緒に揺らしておく。


「来たのかしら?」


 カレンは目を覚ますと鞘から蛇腹剣を抜きながら、周りの様子を確認している。


「はい! 近づいてくる数はおそらく6です!」


「そう、ありがとう」


 カレンは入口に近づくと、そのままドアを開けた。


「ちょっとカレン、何を?」


「ドアを壊されたくないもの」


 凄い自信。負けるなんて微塵も考えていないのでしょうね。

 私達の部屋のドアが開いたので、襲撃者達が集まってくる。服装は黒めで手にはナイフを持っている。

 私達が武装して待ち構えているのを見ると、一瞬怯むがそれでも部屋に入って来た。


「昼間の人達とは違うのね。どうやらお金で利用された人達のようね」


 それならこの人達は街のごろつきか、闇ギルドの人間って訳よね。


「何のことだかよくわからねえな、お前ら4人には……って3人しかいねえじゃねえか!?」


 襲撃者が1人少ないと騒いでいる。目の前に立っているのが私達だけなので、3人だと勘違いしたのでしょうね。残りの1人は普通にベッドで寝ているのだけど……。


「くそっ、隠れてやがるのか、他の部屋にいるかもしれねえから十分注意しろ!」


 この部屋に全員揃っているのに、まるで意味のない周りの警戒をし始めましたわ。なんて哀れな人達……。

 そして悪党達が騒ぐので、他の部屋の人達がドアを開け、その音に過敏に反応して隙だらけになっている。

 その隙をカレンとマノンが逃すわけもなく、瞬く間に倒され襲撃者は残り1人になってしまった。


「それで、いったい何をしに来たのかしら?」


 カレンが残った1人の首に蛇腹剣を当てて、尋問を始める。


「しょ、賞金だ! お前らには懸賞金がかけられている、それが欲しくて来たんだ!」


「懸賞金? 誰がかけたのかしら?」


「そりゃ国だろ、金額も大きかったしな!」


 賞金首って訳ね。まさか私達が賞金首になるなんて。


「ちなみに我の懸賞金はいくらなのだ?」


 ドキドキ。500万ぐらい、いっているのかしら?


「お前は50万だ。そっちの弓使いが500万だな」


 …………え? 聞き間違えかしら? 私が50万で、マノンが10倍の500万って聞こえたのだけど……。


「……よく聞こえなかったのだけど、我の懸賞金はいくらと言ったのだ?」


「お前は50万だよ。だから別にお前はいらなかったんだよ!」


 私いらない人!? 50万って賞金首って言わないわよね。同じパーティーメンバーだから、ついでに懸賞金付けておきました感が凄いんだけど!


「アレッサ、懸賞金をかけられて落ち込む気持ちは分かるけど、少額だから落ち込む必要ないわよ!」


 カレンが慰めてくれるけれど、少額だから落ち込んでいるの……。


「……カレンはどうなのだ?」


「この女は1億、そしてもう1人の女が1億3000万だ!」


 カレンは私の200倍なのか……。それならマノンもきっと私と同じで、ついでに懸賞金がかかったのでしょうね。

 ……金額は10倍違うけれど。


 納得いかないわーーー!!!


いつもお読み頂きありがとうございます。


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