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第十六話 帰宅

第十六話 帰宅


自転車のおかげで思ったよりも早く家に帰ることができた。

15分くらいはかかったんだろうか。


普通なら車や人を気を付けながら走るはずだが、誰もない車もない道路をただ走るだけだから通常よりも速いかも知れない。

真はマンションの前について、自転車の前と後ろのバスケットから荷物をおろした。

そして自転車はマンションの壁際に置く。

普通だったら近所迷惑でちょっとうるさく言われたかも…。

今だからね…。言われる人は誰もない。


そういえば、下の階のキツイ目のおばさんからそんなことよく言われたんだよな。

ゴミを出す日とか、燃やせるゴミの分類とか…。

引っ越しに来て最初は散々言われたのを思い出した。

よくもない記憶なのに…。


マンションに入り、エレベーターを通じて自分の部屋に戻った真は両手に持って来たレジ袋やリュックをおろしたその後、玄関の閉めた。

ロックもちゃんとしたか確認も…。

誰もないからそこまでしなくてもいいのに、真としてはまだドアの鍵をかけない方が慣れてない。

いきなり大丈夫って言っても慣れないのは普通だろう。

まさかのこともあるかも知れないし…。


家に帰った真はお腹が空いて来た。

持って来たものの中にはお米もあるけど、今から炊飯器でご飯を炊くにはあまりにも時間がかかりすぎる。

それにそんなに動いていないのになぜか疲れているし…。


真は気付いてなかったが、実際は思ったより歩いたり、スーパーマーケットなかで驚いて転んだりしてせいで疲れていたのも当然だった。

でも彼はなぜ疲れるのかよりは転んだせいで、服や自分が埃だらけなのを気付き、ご飯よりはシャワーから浴びることにした。

体が汚いままでは食べる気もしない。


本音ならばシャワーではなくお風呂に入りゆっくりと休みたいが、そうするにはやはりお腹もすいていて、真は体をきれいにするくらいで妥協した。


真には今日は意味通り「長い長い一日」だった。


シャワーを浴びると体が温まる。

二月はやはりまだ寒い。


シャワーを浴びた真は残っていたコンビニの弁当を食べようと冷蔵庫から弁当を取り出した。

唐揚げと野菜てんぷらが入っている弁当だ。

電子レンジに弁当を入れて温める。


温まった弁当の唐揚げはつやさえもあった。

本当は賞味期限がまだ大丈夫だけど、でき建てのものではないのに…。


パクパクと箸でご飯を口に運び、唐揚げをかむ。

お腹が空いていたせいか、唐揚げがおいしい。

唐揚げがまずいのも相当ないことだけど…。


そういえば、明日からは前のコンビニももちろん、周りにコンビニのお弁当も持って来よう。

そのままいても賞味期限で食べれなくなるし、もって来て家の冷蔵庫の冷凍庫に入れといた方が後で食べられると真は思った。


真は周りのコンビニの位置や冷蔵庫に入れられる空間などを頭の中で考えながらお弁当をあっさりと食べつくした。

お腹がいっぱいになるとやっと「生きた」と自分も知らずに一人ことをした。


ペットボトルのお茶の飲みながら真は考えた。


今からスーパーマーケットには行けない。

日もそろそろ落ちる。

暗いのが嫌いとかではないけど、今日は勘弁してほしい。

やはりスーパーマーケットのマネキンはショックだった。


その代わりに周りのコンビニくらいは行こうかと思ったが、それもやめた。

お腹がいっぱいになったからか眠くなってるし、疲れて体が重い。

結局、今日はもう出ないことにした。


真はお茶の飲みながら、自分の部屋から出て、自分の目で見た町の光景を思い出す。

誰もいない道、店などは全部閉まっている駅。

自分で体験して来たことなのに、まだ実感がしない。


今までとは違って、明日からは今までとは大きく変わった生活をしなければならない。

何日も部屋にこもっていたり、買いたい、食べたいものがあれば自分で探しに行くしかない。

ほしいものが手に簡単に入れることなのかさえも分からない。


まず、周りに出かけることが増える。

多分だが、ほとんど出かけているかも知れない。


そんなことなどを考えていたら真は頭が痛くなった。

飲んでいたペットボトルのお茶を飲み干した。

冷蔵庫からほかの飲み物を取り出してふたを開けた。


冷蔵庫から出したのはコーラーだった。

ふたを開けるとシュワーと音がしながら甘い香りがした。


コーラーを一口飲んだ後、真はまず明日にすることを考えた。

優先順位がはっきりしていない。

でも、確かなのは食料が必要で、道具が必要だからホームセンターに行くのは決まりだろう。


そう言えば、話が飛ぶけど、お隣さんたちはどうなったんだろう。

真が住んでいるマンションは「口」の形になっている建物だった。

入り口側にはエレベーターや階段があって、ほかの三面には二戸ずつ、総六戸だった

真ん中は一階から空いている空間になっていた。そして一階の入り口傍にはゴミ箱、郵便箱などがあった。


真が見たこのマンションは美的センスがある設計だと思った。

でも、普通の人が見れば、ちょっと住むにはあいまいな構造だといわれたかも知れない。

真としては何年も住んでいても不便なところがなかったために特にマンションの構造などに文句などなかった。

お隣さんも同じだったのか、真が引っ越しに来てから今までお隣さんが引っ越しをした記憶はない。

ただ、時間がずれて分からなかったかも知れないし。

生活パターンの問題とかで何年だっても真がお隣さんのみんなを知っているわけでもない。


真としてはお隣さんは「名前はおぼえてはいないものの顔くらいはわかる」の程度だった。

その中で、いろんな理由で会話が結構ある方々は下の階に住んでいる、ゴミ出しにうるさいキツイ目のおばさん。そういえば、引っ越しに来たばっかりの時から結構ひどく言われたもんだ。

今はちゃんとゴミを出しているけど、たまに会うとじっと俺がゴミを出すのを見ていたんだな。

そのおばさんの旦那さんは普通のサラリーマンっぽい。

そのほかには本当の意味で「お隣さん」のおなじ面の隣のおばあさん。

苗字は忘れたが、名前がミチコだったのでミチコさんといつも呼んでいた。

真が引っ越しに来た際にはミチコさんの息子さん夫妻は近くに住んでいたが、2-3年くらいしたんだろうが、ちょっと遠くに引っ越ししたようだった。

おばあさん一人で住んでいて、週末には息子さん夫妻と孫さんが遊びに来る様子だったが、遠くに引っ越ししたと聞いたころには1-2月に一回くらいに減ったと思う。

お隣さんだし、おばあさん一人で住んでいる部屋だから普通は静かで、孫さんが来るとうるさくはないけど、賑やかなのを分かるくらいだったから…。


俺は結婚もしなかったし、どう見てもたまにあったミチコさんの息子さんよりは年下だろうと思う。

なのに、ミチコさんはいつも息子の顔が思い出すとか言って、最近は会ったら孫さんのタクロの写真などをスマホで見せてくれたりする。


俺としてもミチコさんとの会話が嫌いではなかったから、わざと避けたりはしなかった。

本当に会うのはゴミを出す日くらいだったりして、そんなに多くもなかったし。

それにゴミを出すときにキツイ目のおばさんから俺を救ってくれる方はマンションの中にはミチコさんしかなかった。

俺が一人暮らしをしているのを分かってからは漬物や佃煮などをたまに分けてくださったこともある。

思ったより量が多くて、たまには遠慮するのも大変だった。


ミチコさんのお宅にお邪魔してみようかと思って時計を見た。

夜9時が過ぎていた。

もしミチコさんがいたら、今まで静かなのがおかしいし、いたとしても夜9時はちょっと遅い時間だ。


本当にお隣さんたちはいなくなったんだろうか?

明日、出かける前にお隣さんのミチコさんのお宅にお邪魔しようと真は思った。


夜9時。

通常ならば、真としては遅い時間はむしろ、今から「活動時間」に近い時間だった。

でも、今日は長い一日だった故に眠くなった。

結局、真は明日のこともすべて決まらず、寝てしまった。


明日のことは明日になって考えよう。



いきなりの出張、行ってきました。

色んな意味で結構大変でした。

ネットができないくらいではなく、電気が使えない場所でした。涙


戻ってきたら、読んでいただく方のブックマークがすごく増えてびっくりしました。

読んでいただいてありがとうございます。

嬉しいです。


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