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51.派生スキルと複合スキル

 



 

 ver9.9になったにもかかわらず、スキルを進化させることができない。

 しかしだからといって、これ以上強化できないというわけでもない。


 なぜならば進化させて、強化できるとなんとなく・・・・・わかる・・・からだ。

 ならば何故進化しないのかと考えた。


 考えられる理由は大まかに3つだ。


 1.特有のスキルは進化に特殊アイテムが必要だと言うこと。


 2.パラメータが足りない。


 3.他の関連するスキルが足りなくて、スキルツリー的に進化できない。


 単純にゲーム知識での考えだが、あながち間違っていないような気がする。



 1に関しては正直どうにもならない。

 ギルド階級ランクを上げて、スキル情報を手に入れられるようになるかもしれないが、何時になるかわからないしな。

 そもそも特殊アイテムが必要なパターン(ゲーム)は、スキル自体がアイテムとして封じられているケースが多いからな。



 2に関してだが――万遍なく上げてなかった為に今回は無理だった。

 いずれ上げたときにわかるから、無意味に使うつもりもない。

 もしそうならば心配することなどはない。



 そして問題は3だ。


 実は一番可能性が高いと睨んでいる。

 理由は単純だ。


 レイニーちゃんや軍曹殿が度々、「派生スキル」なる言葉を呟いていたからだ。

 それと固有能力ユニークスキル【???】が増えたとき、"派生した" みたいな感覚を味わったからというのもある。


 スキルが派生すると言うことは、スキルツリーの可能性が高い。

 そして今回派生するモノがでなかったということは、他のスキルが取得条件となることもスキルツリーではよくあることだからだ。


 たとえばスキルAからはB・C・Dが派生するとしよう。

 次にスキルEからはF・Gが派生するとする。

 そしてスキルHを取得するには、スキルDとFが必要とするような場合がゲームでは当たり前の様にありふれている。


 もちろん、この世界はゲームではない。

 だからといって、それが否定の材料になるわけでもない。

 架空のものが実は平行世界に存在していたなども、フィクションではよくある話だからな。


 むしろその方がコレクター魂に火が付くともいえる。

 俺はコレクターなどではないが、悪い気はしない。

 ただ生きていくよりも、目的が多い方が人生彩るからな!


 逆にスキル所持数の限界がある方が困りものだ。

 だが、スキル効果を遮断するようなことはできても、スキルを消すようなことは自己能力ステータスからも無理だ。

 《操作》が足りなくて、スキルを還元できないということもあるが、少なくとも100まで上げた現在においても無理だった。


 スキルの還元ができれば要らないスキルをいっぱい取得して、還元することでSkillPointを稼ぐという手段があり得そうだ。

 

 これからの目標のメインを、大量のスキル取得に変えてもいいかもしれない。

 幸いにして固有能力ユニークスキル好奇心旺盛みようみまね】がある。これを使って人間観察をしていれば素養が手にはいる。

 そうすれば簡単にスキルを習得できるわけと来たもんだ。



 ――――神は言っている……スキルを集める定めだと――――




 まぁもっとも、誰がどのようなスキルを持っているかは、わからねーんだけどな!!

 他人の自己能力ステータスを覗ける様なスキルがあれば完璧だったんだが、ない物ねだりだな。



 俺は一通りの推察を終えた後、【疲労耐性】を下げるように意識し、【熟睡】を使って眠ることにした。

 ver1にもなってないが、ある程度疲れているために睡魔を呼び寄せる程度ならできるからな。

 いつでも眠れるという事は一つの才能である。スキルだけどな!


 そうして俺は眠りに就いた。






 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 コロナは知らなかったが、確かにスキルから《派生》する《派生スキル》。

 複数のスキルを統合――《複合化》という――してできる《複合スキル》と言うものがあった。

 たとえ複合化しても以前のスキルの効果は失われず、それぞれが強化されたスキルとなる。

 また元のスキルが《複合スキル》になってなくなっていたとしても、他の《複合化》に必要な場合は問題なく習得できる。

 スキルは強化されただけで、元の影響がなくなったわけではないのだから。


 また派生についても、派生させるときにスキルはなくならず新たなスキルを習得するだけである。



 これらは自ら訓練などで身につけることはできず、たとえ固有能力ユニークスキル好奇心旺盛みようみまね】が意味を成さないのだ。


 それと、当然だがスキルの還元などは有りはしない。






 ――数日後。



 コロナは休暇を楽しみ、味っ気なく殺風景でもある室内をコーディネートしていた。

 その際スキル【美的感】なるものを習得したが、正直どう意味があるのかいまいちよくわからなかった。


 そもそもスキルの説明に『スキルが低い内は独創的』など書かれていて、不安をあおられるのだ。

 ついでに木材を購入してきて、小物を作った時に、【木工】なるスキルを得た。

 かつてアルバイト時代にスキルを得ることはできなかったが、おそらく【好奇心旺盛みようみまね】を得てから、このスキルの所持者を観察したことがあったのだろう。


 最初はただ漠然と切って、削って組み立てて靴箱を作ってみたのだが、このスキルを得てからはスキルを使うと設計図が頭に浮かび、身体が勝手に動くようになった。

 もっとも、スキルのverが低すぎる為に、使える木材が一番安いやつだけだったのだが……。

 それでも一般的なものなら、時間短縮して作ることができた。



 料理はその限りではないが、他の生産系スキルも、自動で身体を動かすタイプがあるはずだろうとコロナは思った。

 アレンジするためにはそれに逆らって、自分で動かさなければならない。

 しかし、なんとなくこれをしてはいけないというのがわかるので、失敗するようなことはない。



 次には囲炉裏から連想して、『傘張りだ!』とコロナは思いついた。

 【木工】で骨組みを作って、何かの役に立つかと『魔布』を数量残しておいたそれを貼り付けていた。

 その最中に非常に重要なことに気付いた。

 この世界に来てから雨の日を見たことがないのだ。


 水は魔法で作り出していることから、雨水など必要としていない可能性に気付いてしまったのだ。

 だが、途中で止めるのもなんだか悔しく感じたので、ひとつだけ傘を完成させた。

 ついでとばかりに草鞋と笠も作ってしまったのだが……。


 そしてそのときスキル【細工】なるものを習得した。

 このスキルは、小物などを作るときに使われるスキルで、本来は飾り物――指輪などの装飾品を作るときに使うものだったのだ。

 なのに草鞋やら笠で手に入れるとは、何となく世知辛い実情を知ってしまったかのようで――少し、しんみりとしてしまった。


 作ったものはどれも、収納道具ストレージに収容可能で、何時引っ越しても問題ないものばかりだった。


 そう思うと、引越もいいかなという気分になってしまった。

 そろそろ気分転換に新しい住処を探してみようかと思って住民課に向かった。



 だが、途中で呼び止められた。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「おい、あんた。コロナっていう名前だったよな。儲け話があるんだが……乗らないか?」


 いきなり儲け話と来たものだ。これは詐欺の手口である。

 見た目も異様に怪しく見え、いかにもらしかった。


 しかし、俺は暇を持てあましていた。

 そのためにわざわざ引越でもするか、などと考えていたくらいだ。


 ――――まぁ、暇つぶしにはなるか。



 俺はそう考えて、男に着いていくことにした。





「これで揃ったようだな」

「おい……ずいぶんと大物を連れてきやがったな」

「まぁ……な。そこでたまたま見かけたんだよ。つい声を掛けちまったぜ」


 向かった先には4人――男3女1が待ち受けていた。

 声を掛けてきた男以外、特に変わった風体ではなかった。


(こいつらは――モブか……)


 だが俺は、そのような失礼な言葉は吐かない。


 ――――少なくとも初対面の相手には……。


「それで、いきなり連れてこられたんだが、儲け話って何だ?」


 俺としてはこのメンツから美人局の可能性を真っ先に排除した。

 これまでの経験から漠然と、美女に会えるかもしれないと多少は期待していた。しかし違った。だから既に興味の半分がなくなっていた。


 また俺の眼力程度では、こいつらがどの程度の実力者なのか図る事はできない。

 仕方ないので、おとなしく定番の反応をしてみることにしたというわけだ。

 わからないことを尋ねるのは恥じじゃないからな……答えてくれるかは別だが。


「あぁ、儲け話は……だなぁ」

「上手く良きゃ、かなり儲かるぜ」

「間違いないわね」

「腕が鳴るぜぇ」

「フッ……」


 随分と勿体ぶるものである。引っ張りすぎるとしらけるということを知らないのだろうか。

 この時点で既に話を聞かずに帰るつもりになっていた。

 特に最後の格好つけが、『ガキの癖に何雰囲気を出そうとしてやがる』などと少しイラッとしたのが主な理由だ。


 似合わないやつの格好つけはキモいし、ダサいし、怒りを呼び起こす。

 俺の頭の中では、既にこの鼻持ちならぬガキを既に3度ほどシメていた。


 それから気持ちを落ち着かせるためにも、少し様子を見たが、一向に話を続ける様子はない。

 



「……話す気はないようだな。失礼させて貰う」

 

 

 

 

 

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