第2話 転生眼、照合率13%
全身に強い衝撃が走った。
「いってぇ……」
目を開けると、そこは見たこともない森だった。背の高い木々が空を覆い、湿った土の匂いが鼻をくすぐる。
「ここが……異世界?」
そう呟いた瞬間、右目に熱が走る。
《転生眼 起動》
照合率:12%
「また頭の中に文字かよ……。」
目の奥がズキズキと痛むが、何とか立ち上がる。
「とりあえず街を探すか。」
そう歩き始めた矢先、草むらがガサガサと揺れた。
「……なんだ?」
飛び出してきたのは、小型犬ほどの大きさをした緑色の魔物だった。
「ギギッ!」
「うおっ! スライムじゃなくてゴブリンかよ!」
木の枝を拾い、とっさに構える。
ゴブリンは一直線に飛びかかってきた。
「うわっ!」
ギリギリで避け、枝を振り下ろす。
バキッ!
枝は折れたが、ゴブリンも地面へ転がる。
「まだだ!」
近くに落ちていた石を拾い、何度も殴りつける。
やがて魔物は黒い霧となって消えた。
すると再び文字が浮かぶ。
《レベル2》
照合率:12%
「え? 上がってない?」
レベルは上がったのに照合率はそのままだった。
「そんなバカな……。」
その後も森を歩き続ける。
小さなスライム。
牙ウサギ。
角ネズミ。
どれも決して強くはないが、一匹倒すたびに体の動きは軽くなっていく。
レベル3。
レベル4。
レベル5。
しかし――
照合率:12%
「また12かよ!」
思わず叫ぶ。
「これ、本当に上がるのか?」
女神らしき女の言葉を疑い始めた頃、新たな敵が姿を現した。
体長一メートルほどの灰色の狼。
鋭い牙をむき出しにして唸っている。
「こいつは今までより強そうだな……。」
逃げようか迷った。
だが、このままでは何も始まらない。
「やるしかない!」
狼が飛びかかる。
横へ転がり、落ちていた木の槍を拾う。
突き。
避ける。
また突く。
何度も攻防を繰り返し、最後は喉へ槍が深く刺さった。
狼は静かに崩れ落ちる。
その瞬間――
右目が焼けるように熱くなった。
「ぐっ……!」
頭の中へ大量の文字が流れ込む。
《レベル6》
《照合率:13%》
《新機能 解放》
【弱点解析】
「……弱点解析?」
目を開く。
近くの木に止まっていた鳥へ視線を向けると、その身体に赤い点が浮かび上がった。
さらに少し離れた草むら。
そこにはこちらを狙う牙ウサギが隠れている。
しかし今度は、胸元に赤い光が見えていた。
「なるほど……。」
陽太は自然と笑みを浮かべる。
「そこが急所ってことか。」
牙ウサギが飛び出した瞬間、陽太は迷わず木槍を投げる。
一直線に飛んだ槍は赤い光へ吸い込まれるように命中した。
一撃だった。
「これが……転生眼。」
たった1%しか上がっていない。
それでも確かな変化があった。
「13%でこれなら……100%になったら、一体どうなる?」
期待と興奮を胸に、陽太は森の奥へ歩き出す。
だがその背後、高い木の上から――。
赤黒い瞳を持つ何者かが、静かに彼を見下ろしていた。
あとがき
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
ついに陽太が異世界へ転生し、「転生眼」が少しずつその力を発揮し始めました。
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それでは、また次のお話でお会いしましょう!
ありがとうございました!




