さてどうしようか6
大器晩成型ね。また面倒なものを選んだということかな。
恋歌からのセリフを聞いて、苦笑いをする。
「言語持っている人見たことないの?」
「残念なことに。お姉ちゃんに言えるのは、使えるのは魔法じゃなくて魔術ということくらい」
やれやれ、と呆れた様子の恋歌だけれど、私は知っている。恋歌は私の行動パターンを読んでいるということを。
呆れている様子の恋歌を認識し、[鑑定]をかける。
「で、マガミヤは素材を集めようとしているのかな」
恋歌の動きが止まり、演技をなくす。すぐに調子を戻したようだけれど、雰囲気は少しはりつめる。
「むう、なぜばれたし。鑑定ではそこまで分からないはずなんだけど」
私も分からないかな。私がやった事は単に魔力を目に纏うといったことをする。そういったことをすれば効力が強まるのではないかな。そう思って試しただけだからね。簡単に言えば[魔力操作]を試しただけ。
「まあいいや。で、ええと。どこまで言ったっけ?」
「私も貴女も、話が脱線ばかりするということが発覚しただけかな。重要なことは話してないよ」
多分ね。そんなに覚えている訳ではないけれど。
話の流れが一度途切れたことで、二人の間に静寂が訪れる。
恋歌は手持ちぶさたになり店の外を見る。そして、あることに気づいたのか私を呼ぶ。
「あ、お姉ちゃん。外の状況変わってるよ。誰か割って入ったみたい」
そう言われて外を見ると、確かに少年が間に入っている。少年の髪色は遠目には黒としか言えない。
「へえ、ゲームの初心者かな。わざわざNPCを助けるなんて、好感度システムが入っているか分からないのにする必要あるのかな」
その少年は剣士系の初期装備なため、私と同期だろう。
私の横で恋歌は溜息をついて呟く。
「お姉ちゃんも私のこと言えないだろうに」
「何か言った?」
私がそう言うと恋歌は慌てて首を振る。
失礼な。私は好感度システムが好きではないだけだよ。あんな上げるのに時間がかかる癖に落とすのは簡単って、今までの苦労は何だったってなるでしょう。
「コミュニケーションが嫌いなだけでしょ、お姉ちゃんは」
それには黙秘をさせてもらうよ。
少年は、まあ私と同世代なようだけれども、運営という権力を使って撃退させたようだ。
少年は助けた少女に話しかけられて、どこかに行く。
「おお、あれはフラグがたったんじゃない?」
「マガミヤ、それはともかく、外に散歩行こうよ。気になるからね」
あれがフラグか。プレイヤーに依存してフラグが発生するとは思わなかった。
少年がいなくなった後、恋歌を連れて町の外に出ようとする。恋歌は口元が歪んでいて私に言う。
「なに? お姉ちゃんってば先にフラグを回収していたあの少年に嫉妬してるの?」
「うるさいよ。普通に助けるという行動なんて誰でも思うことでしょ、あんなの」
「思うことと行動することは違うよ」
そんなことは知ってるよ。だから、先を越されたのはしょうがないことではある。認めたくはないけどね。




