次は何しようかな16
「この袋ね。入る容量に制限が無いんだよ。それに時間経過もない」
「……何でそれを初めに配ってないのかな」
「さあねえ」
恋歌と一緒に町に戻る途中に聞いた袋の性能がこれである。教会の場所は少し大通りから外れている為、人から聞くか探索をしなければ行けない。
その癖、教会が行っていることはプレイヤーにとって有用というのはちょっとどうかと思うんだけどな。
「そういや、お姉ちゃんは私と別れてから何をしてたの?」
「町の探索かな。他にあったことは戦闘というところかね。何かって語れるのは少ないよ」
町に戻るまでは残り十分といったところだろう。
適当に恋歌と別れてからの出来事を伝える。記憶喪失の少女に出会い依頼を受けたことや、冒険者ギルドでの本が読めない事による説明不足等を話した。
恋歌は相槌を打ちながら私の話を聞いていた。私は恋歌が話を聞いているところで、内心疑問を持つ。
なんだろう、何か反応がおかしい様な気がするんだけどな。こういうときは何も分からないと知ってはいるんだけどね。
疑問があるとは言え、漠然としたものである。どこまでも曖昧なその感覚は町に着くころには消え去っていた。
あの違和感はなんだったのか、というのはもう分かることはないかな。分かるとするならかなり後のことだろう。
「あ、お姉ちゃん! 町が見えてきたよ」
「よく見えるね。私は殆ど見えないんだけど……」
「ふふん。暗視系のスキルは夜に活動すれば手に入ったのだよ」
自慢気にしているのは恋歌のその口調でも分かる。スキルは行動でも手に入るというのは恋歌の言葉で確定と言っても良いだろう。
町は明かりが殆どないせいで周りの闇と同化しかけている。分かりづらいことこの上ない。
「そう言えばお姉ちゃん。私は一つ、あることを意識しておこうと思うんだ」
「何を?」
私の方へ振り向きながら恋歌は笑顔を浮かべて言う。
「世界の流れはプレイヤーだけに任されたものではなく、この世界に存在する全てが関わりあっているということ」
「……」
そのセリフを私が言い換えるとするなら、この世界は元から存在しているものである。私たちは余所者でしかないと言うところかな。
珍しく真面目な雰囲気を纏っていた恋歌だが、すぐにその空気は霧散していつも通りとなる。
「じゃあ、お姉ちゃん! 町に戻ろうよ」
「……。まあ、そうだね」
わざわざそれを私に言うということに意味が有りそうなんだよなあ。テンプレートを好んでいる恋歌が言った言葉だからね。問題があるとするならいつ起こす予定のテンプレートにかかっているかが分からないことだけど。




