次は何しようかな13
というか、なんでそもそも狙われなければいけないのかな。ここに来たのは恋歌が座標を送ったからであって、別に何かをしようと目論んでいた訳ではないのだけれど。
敵の攻撃は悉く私の方へ的確に飛んできている。回避を試みるが体勢が整っていないときもあり、何回か掠めている。
相手が飛ばしているのは、普通の短剣か。毒とかはついていない。まったく、武器なんて魔術くらいしかない私がなんでかね。
魔術を行使しようにも、展開した時点で崩される。
展開するのを邪魔されたら何もできないんだけどな。よくあの少女は狙われていたのに魔法陣を展開できたな。
魔力だけが一方的に減っていく。体力もついでとばかりに少しずつ減っていた。
これはある意味詰みじゃないかな。魔術しか行使できないけど、その素振りを見せただけで邪魔してくるからね。
距離が分からないため、よしんば魔法陣を展開できたとしても意味が無い。
「負けが確定しているにしても諦めるのはさっきしないと決めたから駄目だしなあ」
一矢を報いるにはどうするかな。相手の正体を知るというのが無難かね。
なぜ私が狙われているのかというのは、多分教会で受けた依頼が原因だと思うんだけど。
短剣が装備していた帽子を掠める。外れかけたのを手で押さえながら考える。
場所がばれているのは、それこそスキルでどうにかなってしまう。教会の依頼を受けられて困るのは、普通に考えるなら世界を破滅に導こうとしている者の手下かな。教会はプレイヤーである異邦人に対して期待をしているようだからね。
残りの体力が半分を切る。掠めているダメージだけなので一応ましな方である。
このペースなら後五分は持つとは思うけど、直撃が無ければだからな。
これは座標の示す場所が近いところでの戦闘である。魔法陣が何回か崩されているため魔力が崩壊したときの光はある。
というかこの静寂が続いていた空間でここだけ歪なんだよね。近くにいるなら恋歌も気づくと思うんだけどな。
明かりの届かない位置にいるのは分かるが姿形すら分かっていない。なのに短剣はしっかり飛んでくる。
良くも悪くも状況が変わらないか。
短剣を躱していられるのは方向が分かっていることと、飛んでくる間隔が均一なためだ。牽制があるわけでもないから直線上から離れれば良いだけなんだけどね。
「考えも堂々巡り……状況を変えるにはある程度無理矢理動かなければいけないのかな」
溜息を吐いて小声で呟く。状況は未だ変わらずにいる。




