次は何しようかな9
次の日、これでゲームを始めて何日目だったかな。まあ、関係なんてないか。
今日は何をしようかな。
いつも通り、噴水広場にログインする。時間は昨日と変わらずに夜の七時くらいだろう。
そのとき、突如として後ろから声がかかる。
「あ、お姉ちゃんだ! やっほー、何か久しぶりなんだけど」
その声と私に対する呼び方で、その声を掛けてきた人物が恋歌だということが分かる。
久しぶりというけど、そこまで時間経っていないはずなんだけどな。
恋歌の服装はどこかで見たような見た目の初期装備ではなく、黒色と黄緑色で構成されたワンピースを着ていた。
「お洒落な服装をしているけど、どうしたの?」
「ふふん、この私がまともな装備を作る訳がないでしょう。なんと、絶対領域を付与できたのだ!」
恋歌は得意気な笑みを浮かべて私にそんなことを言ってくる。
何で絶対領域なんて概念を付与してるのかな。私、その絶対領域のことは名前しか知らないけどさ。
「今まで何をしていたの?」
「それなんだけどね。教会に行くと移動時間が短縮できるということが分かったから、頼み事をクリアしてやろうと思って外に出ようとしてるんだ!」
「それは今の内容だよね?」
というか、恋歌も同じ事しようとしていたということだよね。あの教会への行き方ってかなり面倒だったから、少ないとは思っているんだけどな。それにしては重要な施設だけども。
テンションが高い恋歌に呆れつつ、その行動に驚く。
「お姉ちゃんもやろうよ」
「薬草を私の分も集めてくれるならいいよ。魔術の試し打ちもしたいしね」
私が薬草という言葉を出した途端に驚いた顔をして目を見開く。すぐにそんなことがなかった様子になったが、私はその様子にどこか言いしれない程度の違和感を覚える。
「お姉ちゃん、いつの間に魔術の使い方を……」
「有能だったのはこの世界の住民ということが分かるね」
違和感は気の所為だと思い、触れずに会話を進める。これを逃すと、羊はともかく薬草は手に入らないという方が怖い。雑草と思って見つからなさそうだからね。
魔術の使い方を教えてくれたのは、記憶喪失なあの少女だからな。教会はいつ行っても対応は同じだろうけど、あの少女はそのくくりには入っていない気がする。
「くっ、NPCめ。余計なことを……。せっかくお姉ちゃんに魔術について教えてあげようと調べたのに……」
崩れ落ちて嘆いている恋歌を見て、私は呆れて溜息を吐く。
どれだけ私に教えたかったのかな、ここって比較的人通りの多い場所なんだけど。周りの目が怖い。
「こんなところで嘆かないでくれるかな。教えてくれたと言っても触りくらいだよ」
「なら他に教えられることがあるね! なら外行こうよ、依頼のついでになるけど」
いつも通りだし、私も人のこと言えないけど、話題の切り替わりが激しいな。話題じゃないとするならテンションの変化と言えばいいのか、自分でも分からないところがあるけどね。




