さてどうしようか18
戦況が動かずに十分くらい経過する。少女やカリンは動かない戦況に疲労が目立ち始めてくる。
疲れでミスが増えてくる可能性が高いな、というか普通は疲れるのか。これはあれかな、ゲームの肉体だから疲れが反映されないと考えてしまっている私が悪いかな。
ボスの動きは変わらず、突撃だけを繰り返している。
体力は残り三割といったところかね。やっぱりボス戦は持久戦だな。このパーティーには火力持っている人が欲しい。
特筆する様な事態もなく、ボスの体力が二割になる。
二割になった途端にボスがカリンを振り切って此方に向かってくる。
今までの疲れが響いたのか、カリンは咄嗟のことに反応できずに通してしまう。
そのままの勢いでボスは私の方へ、いや違うな。ボスが狙っているのはこの少女か。
横に逸れて回避を試みるが、ボスは軌道修正をしてくる。
確かに体力が減ると行動パターン変わること多いけどね、執拗にこの少女を狙うなあ。
段々私とボスの距離が縮まる。何も起きなければ、後数秒で接触することとなるだろう。
「ねえ、何か相手を混乱させるものある?」
私は何もできないので、少女に藁にもすがる様な思いで少女に問いかける。
このままだと少女も巻き込まれて死ぬのでね。私の死は一時的に過ぎないけれど、流石にNPCの死は一時的ではなくて一生だからなあ。
流石に目の前で死なれるのは寝覚めが悪い。
少女はまた魔方陣を展開する。今度は中央の文字は変わっていない様だが、他の六芒星の周りに書かれた文字のほとんどが変わっている。
やっぱり、中央の文字だけは認識できないな。魔方陣の周りの文字多いけど、その中に変換に相当しそうなところがないのかな。うまくいくと幻想属性の魔術の効果が分かるね。
その魔方陣は白く光る。そして、そのまま虚空に溶ける様にして消える。
消えるのか。消えるとは思わなかったな、効果知らないけど発揮しているんだよね。
ボスの動きを観察していると、途中から私達の方を追尾してこなくなる。残り僅かで接触するため、全力で横に避けることになったけれども。
そしてそのまま、ボスは私達の横を駆け抜けた。
「あの魔方陣の効果は幻覚といったところかな」
ボスの追尾はあれ一回なのか、またまっすぐ突撃を行う。
速くこの少女連れてきたプレイヤーこないかな。前衛かどうか、というのは分からないけどあと一人は欲しいね。
そのとき、ボスではない足音が近づいてくる。ボスの方に警戒心を向けたまま音のした方に目をむける。
その方向には剣を握った少年が走ってきていた。
私はその少年に対してあることに気づく。
この少年、あのナンパされていたNPCを助けた少年だな。こんなところで繋がるとは思わなかった。




