さてどうしようか16
ボスの方に向かうと、そのボスは牛の姿をしていた。体長が十メートルあることを除けば現実に存在している様な姿である。
私はボスの姿を認識しつつ少女に教えて貰った魔方陣を展開する。
「魔方陣の制作ができても発動までのラグも大きいな、それに踏まえて座標を指定しなくちゃいけないのか」
これはもう、先手で不意をつく形にしないと駄目かな。出し惜しみしている暇はないね。
必要な幻想属性の魔力は私の中にある。このことは、前に自分の魔力を[鑑定]したときに確認している。
座標指定と作動させるために必要な動作はなんとなくでいけると私は思っているので、気負うことなく作動させる。
まあ、作動させると言っても魔力を込めて空中に線を引くだけだけどね。
「これが初の魔術展開になるということかな」
起動した魔方陣は、白い光が中央に集束して、赤い光に変わる。そして、赤い光が弾けたと思ったときにはボスの体から爆発音が聞こえてくる。
その効果が発揮されるまでの時間は十秒だった。
「なんて時間差のある攻撃なことで」
まったく、先を予測して座標指定しなければいけないとは思わなかったな。それもこの一発で幻想属性の魔力ほとんどなくなったしね。
私が攻撃したことで此方にボスが向かってくる。カリンからヘイトをとれるくらいには高火力だったのだろう。
カリンはボスが此方にきたことで私に気づいたのかな。カリンは驚いた顔をするが、すぐに我に返り私にフレンドチャットがとんでくる。
『それが魔術かしら?』
『変則的な魔術なようだけどね。さっきカリンが守っていた少女から教えて貰った』
ボスが突撃してきたのは横に行って避けて、チャットを打ち込む。
ボスの動きが単調で良かったな。流石にチャット打つ暇がある程とは思わなかったけどね。このボスのAIってそこらのNPCより悪いという可能性があるな。
魔力を使って線を引くことはできるが、あの少女が教えてくれた魔方陣は、本当に幻想属性でなければ反応しないのだろう。他の属性ではまるっきり作動する気配がない。
「だからこそ、魔力の属性を変換する文字が必要だったのだろうけどね」
空気中の魔力成分を見ると、幻想属性の魔力は全体の二十パーセント程しか混ざっていない。案外、回復に時間はかからない様子だが効率を考えると微妙である。
ボスの巨体が私の横を駆け抜ける。大きな物体が横を通ったことで風が抜けて恋歌から貰ったコートがはためく。
私は帽子を深くかぶり直し、ボスの行動を観察する。
こういう動作をするときにお洒落アイテムは優秀というのは認めるね。恋歌もこういう動作するキャラになりたいとか言っているときあったからなあ。
それはさておき、大体、十秒おきくらいに突進を繰り返しているのかな。基本的にはヘイトをとっている人に向けて五十メートルくらいといったところか。




