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作業に飽きやすい少女のVRMMO  作者: 頭の軽い奴
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さてどうしようか15

 

  そのNPCの少女は私に振り向くと、空中に文字を書く。


『誰』

「喋れないのかな。まあいいや、私はサクラだよ。あそこで牛と戦っているカリンの友達」


  そう言うと、少女は私の顔とカリンの方を交互に見る。

  そして、また空中に文字を書く。


『カリンを助けに行かないの』


  それを書く少女の顔には友達なら助けに行かなきゃいけないと言った焦りはなく、疑問の表情だ。だが、疑問符を使わない主義なのか、文字からだと質問かどうかが微妙に判別がつかない。


  NPCという割にはこの少女冷静だな。普通、プレイヤーの命でも守ろうと焦ると思うんだけどね。


  まあ、私は元から打ち明ける予定だったので隠すことなく本音を言う。


「私はこの世界に来たばっかでね。魔術がないと戦闘できないんだけど、魔術式が分からない」

『魔術式があれば戦えるの。なら教えるから助けて欲しい』


  その言葉に私は内心、予定通りになったと喜ぶ。


  よし、魔術式があれば戦えるし、ボスの行動パターンを当てるだけの予測ゲームにならない。


『この魔術式を使えば弱点としてあれに通る。ただ幻想属性の魔力でしか動かないらしいからそれだけ気をつけて』

「ありがとうね。これ以上は戦闘が終わった後に話そうか」


  その言葉に少女は頷いてかえす。


  その魔術式、という名の魔方陣の形は先程軽く見た魔方陣とは違っていた。メモはしたが、複雑過ぎて正直間違えそうである。


  なんで回路の枠組みですら違うのかな。多分、それが幻想属性でしか動かない原因だと思うんどけども、あのNPCは周りの常識を知らないの。


  その魔方陣は六芒星を描いて、その頂点と交点を結ぶ形で円を書くといったものだった。

  それだけなら良かったのだが、その周りの文字がやたらと多い。文字が世界に対して働きかける指標という予測はたつのだが、この魔方陣の文字は属性をわざわざ変換するところからやっているのだろう。


  あの周囲の文字量はなにかな。あれ多分そんなに複雑化しなくてもできると思うんだけどな。


「効率の悪そうな魔術式だなあ。まあ、この後で改良していこう」


  それにあのNPCの少女には絶対何かあるだろうからね、話しかけたのは正解だった。


  でないと、ボスのヘイトがあんなに高い訳がない。普通攻撃も何もしていないなら邪魔をしているカリンにしか向かない。

  けれど実際は、何回かあの少女に向けてヘイトが向いていた。


  (おとり)としてなら話は変わるんだけどね。今回の場合、ヘイトが前触れなく変わるというのはカリンにとっては不利でしかないんだよ。

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