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吸血
漆黒の炎に身体が浸食されていく中。
半人半魔の目からしとどに溢れ出ている血の涙を目にした時。
何故か思ったのだ。
この血の涙は吸血しなければならない。
自分の肉体に、精神に、魂に遺さなければならない。
(運命の相手ではないが、それでも)
(私が運命の相手ではない血を取り入れてしまったら、どうなるのか。最悪、死に至るのかもしれない)
(遺すどころではないのかもしれない)
(が、)
そっと、
普段は身の内に隠している漆黒の翼を背中から出現させては遠ざかる半人半魔との距離を一気に詰めてのち、半人半魔の両頬に東雲の両手首を添えた東雲。顔を寄せ、唇をしとどに半人半魔の目から溢れ出る新鮮な鮮血に触れさせては、静かにほんの僅かだけ吸血をし、東雲の中に取り入れた。
その刹那。
肉体、精神、魂と東雲を形成するすべてに、言い表しようがない激痛と闇が襲いかかって来たのである。
(2026.11.1)




