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チョコと不動産屋  作者: 夢丸力丸


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8/12

8 シャッター商店街

24年ぶりに再会した元カレは不動産屋になっていた。15年ぶりに帰国した私(主人公・コト)は様々な社会問題を、不動産で解決してゆく。

そして、大人の恋のやり直しはできるのか。

チョコを食べると活性化する脳で、町の活性化からシングルマザーの疲弊、幼児虐待、老人の孤立にどんな解決策を出すのか。

誰にでもある青春のやり残しをやり直す、人生・社会問題解決バラエティ


チョコと不動産

7 シャッター商店街


いつものようにアニメやの賄いを作っていると、「そういえばあしたコスプレ撮影会するんだけど、参加しない?」と社長から声をかけられた

「なんか楽しそうですが、こんなオバサンでもいいんですか?」

「メイクしたら関係ないもの、ちょうど一人足りなくてさ」

「いいですけど、どうすればいいんですか?」

「えっと、衣装はここにあるし、メイクはマリリンがくるから、場所は商店街の写真館。時間は午後7時から、ここにいる全員が行くんで」

「で、なんのコスプレですか」

「次の企画のヒントつくりかな、ジャンルは和風ファンタジー」

「なんだかわからないけど、行きます」


写真館は商店街の中ほどにあり、周りはほとんどシャッター街になっていた。日本中どこもそうだけど、少子化、高齢化でコミュニティが壊れていく。

写真館も今や写真はスマホ、デジタルの時代で証明写真すら街角のボックスにとられてしまっている。

このコスプレ会もスタジオレンタル料として稼ぐばかりだ、まあレンタルの方が写真を撮らないので楽だけれども。


「マリリン、久しぶり、このあいだはどうもね」

「まだバレてないでしょ」

「そうそう、あの翌日、ネットニュースを見てね、メディア関係者が来たけれど、全く私に気が付かなくておかしかったわ」。お茶も出したのにね。


コスプレ会は私を含めて5人が扮装し、社長はスタイリストになってあれやこれや指示を出し、皆交代でカメラマンになり、それぞれのキャラクターをバシャバシャと撮影していた。

私はお姫様風の戦士もどきでよくわからない設定ながら、どうやら後からアプリで色々盛るようで様々なポーズを要求された。

こうして2時間半にわたって撮影は無事終了した。一応これは極秘情報なので他の人は入室禁止になっている。


写真館のオヤジさんはそういうことで、終わったころを見計らってお茶を出してくれた。「この頃はもうさっぱりでね。そろそろ閉めようかと思ってるんだけど、スタジオとして生き残れるものかね。」そんなことを社長たちと話していた。

そういえば朝に私の一番大好きなポップスのチョコレートケーキを食べてきた。元カレが赤坂からくる友達に頼んでくれたようだ。なので脳が元気に活性化している気がする。

片づけまだ途中のスタッフを見ながら、マリリンと写真館のオヤジさんが

合体するビジョンが見えた。

「こんなのはどうですか?」私は思わず二人に声をかけた。

「何?」

「オヤジさんは写真館を存続させたいですよね、本音は。でマリリンは定職がほしい。

そして今は高齢化。すべてを解決させるいいアイディアがあります」

「それは?」オヤジさんが言う

「それは?」社長が乗り出す

「それは?」マリリンが繰り返す


「それは変身フォトの遺影撮影です」

「一時期ハワイでも観光客相手に流行ったことがありました、変身フォトが。

メイクをしたシニアを撮影し、デジタルに取り込み修正してプリントアウトをするんです。それを遺影サイズと小さなサイズのシールにしてセットで販売します。

ひとりメイク込みで2万円で一日4人で8万円それが10日で80万円になる計算ですが、どうです。

メイクさんは定期の仕事になり、写真館も潤う、そして何よりシニアに喜ばれるのではないでしょうか? 遺影という響きが暗いならお誕生日フォトにしてもいいと思いますよ。子供向けのこういうサービスがあるのだからシニアだってきっときれいな遺影を飾ってもらいたいはず。」


「なるほどね」

「試しに一回やってみたらどうでしょうか?」

「衣装はどうするの?」

「大丈夫です、上半身だけなので、羽とか薄いベールとかでごまかせます」

「なるほど」

「面白そうね。やってみる価値ありですよね」

・・・・・・・

「なんか写真館のオヤジさんから感謝されたんだけど、なんかしたの?」

「詳しくはアニメやの社長さんに聞いて、お友達のメイクの就職先を見つけてあげただけだから」

「自分のは?」

「そうなのよ、住み込みで働くところ、毎日ネットで探しているんだけどね」

「ところでさ、オレ町内会の副会長じゃん?」

「はあ、じゃんと言われても、それが何か」

「で、なんだか今回のこと噂になってるらしくて、商店街のイベントを考えよとか言われてるわけ」

「でもあの商店街シャッターだらけじゃん、今何軒店生き残ってるの?」

「いや、個々の店じゃなくて商店街のストリートで何かできないかって詰め寄られてるのさ」

「のさ・・っていわれても」 乗り気でなさそうな雰囲気に

「そうか、そうだったな、チョコパフェ食いに行こう」

「え~そんなんで、釣られると思ってんの」

「思ってる」

「まあ、否定はできないが・・・」

・・・・・・・・

「さすがファミレスとは違う高級なカカオですな」 新規開拓で隣町へ。

「そりゃ、よかった。オレも色々リサーチしてな、ここがうまいって有名らしいんだ」

「そんなに私のことを思ってくれてんの?あるいは利用しようと?あるいは頼って?」

「とにかく、何か浮かんだか?どうだ?もう一軒行くか?」


「まあまあ、やってみたいことはあるけど、商店街の総意ってもんがあるでしょ。

こういうのは、いくらいいアイディア出してもみんなのやる気がなくちゃ成り立たないんだよね」

「ちなみに今まではフリーマーケットとか、とにかくアーケードを生かして雨でもできるイベントをしていたんだけど、高齢化で動く若者がいないんだよね」

「高知のアーケードでこたつ出して「おきゃく」っていうイベント見たことあるけど楽しそうだったよ」

「あまり、時間と手間がかかるものはちょっと」

「え~わがまま~」

「あと、料理とか病気になりそうなものもちょっと」

「そうね、私がしたいことでもあるんだけど・・・・、ガチャ1000台イベントはどう?」

「なにそれ?」

「カプセルトイってあるじゃん、あれガチャガチャっていうんだけど、あれを商店街の隅から隅まで並べるの。あれレンタルできるから初期費用も少なくて済むし、1000台っていうボリュームがね、話題になるから地元新聞でも取り上げられるし、テレビもくるかも。1000台ってとこがみそだからね」

「ふむ」

「ネットから写真とってきて、商店街の人にプレゼンしたら?」 あとは任せるよ。


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