6 リゾートマンション
24年ぶりに再会した元カレは不動産屋になっていた。15年ぶりに帰国した私(主人公・コト)は様々な社会問題を、不動産で解決してゆく。
そして、大人の恋のやり直しはできるのか。
チョコを食べると活性化する脳で、町の活性化からシングルマザーの疲弊、幼児虐待、老人の孤立にどんな解決策を出すのか。
誰にでもある青春のやり残しをやり直す、人生・社会問題解決バラエティ
チョコと不動産
6 リゾートマンション
「ああこうして長距離ドライブ行くの何十年ぶりかな」
「懐かしいな」
「うそばっかり、本当は覚えてないでしょうが」
「あっ、途中にチョコケーキおいしい店があったんだ」
(話をそらすな)心の中で突っこみをいれた
車は海沿いを走る。この間のマリーナの倍の距離を走り、他県へと向かった
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「なるほど、リゾートマンションってこういうのね」
「まあ、普通のマンションとあんまり変わらないだろ、部屋にお風呂はあるけど、みんな温泉大浴場使うから、物置にしている人が多いみたい」
「もっと別荘地にあるのかと思ったら、こうして普通の住宅地にあったりするのね」
スマホの写真で部屋の風呂場のリフォーム前を見せてくれた
「わーエロい、愛人囲ってたって一目瞭然だね」
「まあ、こうして普通に戻したから、すぐ売れるだろう」
「ここでいくら位なの?」
「築20年以上だから、800万しないよ、買ったろか?」
「いや、いやベランダが広くないとダメなんだ」
「どうして?」
「家庭菜園したいから」
「まあとにかく風呂入ってこいよ、ドアは鍵掛けないから、戻ったらここにいろよ」
「は~い、では、探検行ってきま~す」
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「で、温泉どうだった?」
「いいねこのシステム。外出から戻ってすぐお風呂入れるの、掃除もしなくていいし」
「さて、これからここのオーナーの店行って、この写真見せるから」
「どこらへん?」
「帰り道の途中、見晴らしのいいバーガー屋さんなんだ」
「ふ~ん、愛人囲ってた人ね」
「もう別れたけどね」
「でしょうね、だから売るんだ」
「ほかにも持ってるしね」
「金持ちっているのよね、私が会ってないだけで、この国にもね」
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バーガーショップのオーナーは、すでに店を任せ、自分は悠々自適生活だった。
「オレの幼馴染で今手伝ってもらってるの」と紹介され、「はじめまして」と自己紹介するとオーナーは奥に案内して、スマホの写真を見ていた。
「リフォームは終わって、動作確認もしたので、売り始めますが、価格はどうします?前と同じでいいですか?」
「そうだな、いいよ」元カレのスマホが鳴ったので席を立った。
「この人すごくお金持ちだから、なんでも買ってくれるかもよ」と冗談めかして外に出て行った。
「元カレなんだって」とストレートな質問もいやらしく感じないのはオーナーがロマンスグレーのイケオジだからかもしれない。(ずいぶん遊んだんだろうな)
「はあ、でも私元カノ1号でして、もう24年前くらいのことでお互い最初の男女交際でうぶな関係でキスもしていませんのよ。先週25年ぶりくらいにばったり出会って」
運ばれてきたバーガーとコーラを少しづつかぶりつく。
「仕事は?」「ああ、今までアメリカに住んでいたので、日本の事情が全く分からないので今色々探しているところなんです、だから元カレのマンションで仮住まいです」
「どんな仕事してたの?」「日本食レストランの共同経営みたいな・・」
「じゃ、ある意味同業者かもね」「そうですね、でもお金持ちのレベルでなく生活レベルでしたから、いいですよね、お金の心配しなくていいのはうらやましい。一体どのくらいの額なら無駄使いできるんです?」
「そうだな、3億くらいかな」
「3億か、足りないな」
「えっ何が欲しいの?」
「いや、プロジェクトを、社会問題解決のアイディアを形にしたいんです」
「いくらなら?」
「いや、まず土地と建物が必要でして、そんなに難しいことではないんですが誰もやってないというだけで・・・」
話が白熱して、私が「…とすればこの問題のすべてが解決できると思うんです」と説明が終わったころ
元カレが戻ってきた。
「ちょっと用事が入ったので帰ります。じゃ、リフォームの件と写真やもろもろはあとでメールしますね」
「よろしく、お嬢さんもまたいらっしゃいな。話の続きも聞かせて」
テイクアウトに包んでもらったバーガーを受け取り
「はい、では、またいつか」と別れを告げた。
車に乗り込むと「何盛り上がっていたの?」
「ま、私の野望の話かな・・」
「ふ~ん、いいけど、この先に夜景のきれいなところがあるんだ」
「急いでいるんじゃないの?」
「あれは方便」
「へえ~そんな技も使えるようになったんだ」
車が止まる
「ほらここ、ちょっと降りてみ~」
「ほんとだ、きれいだね」と言った途端くしゃみが出た。
「湯冷めか」元カレが後ろからパーカーをかけてくれる。
(ああ、このままバックハグで抱きしめて~、昔してほしかったけど恥ずかしくてして言い出せなかったアレを~)と心の叫びが聞こえたのか、がっしりした腕が後ろから伸び出て、抱きしめてくれた(やったあ~)、私の背中とカレの厚い胸板がぴったりくっついて寒くはなくなった。
元カレが耳元でささやく
「オレたちなんで別れたんだっけ」
「はあ~、ここで言うのはそのセリフじゃないと思うけど」
空の星が降り注いで、町の灯りがキラキラ光っている夜だった。




