Alternative 11
昼休みを終えた後は三時間の学習の後、一時間担当の人が付きっきりで柔軟などのストレッチやランニングマシンを使ってリハビリの様に体を動かした。
それを終えると夕食を迎え、シャワーを浴びて睡眠時間までの自由時間となる。
フェルはお気に入りのあの演劇を何度も繰り返し再生して見ていた。
僕はその邪魔にならないように借りた本を読む。
本のタイトルは『クリティアの番犬』というもので奴隷娼の奴隷兼雑用として働く主人公が一緒に生きる仲間の為に食料を盗む所から始まる。
栄養の取れていない痩せ細った身体ながら上手く逃げていたのだが、不意に人混みに隠れていた衛兵に足を引っ掛けられ倒れ捕まってしまう。
そして人権などない奴隷である少年は数度の殴打を受けたあと衛兵が処分と称して城壁の監視塔の中へ連れていかれ、ストレス発散のサンドバッグの代わりとして使われる。だが、それは当然認められているものでは無いため証拠を隠蔽する為に森の中へ捨てられる。
恐らくそれはそのまま放置されたら数時間もせずに息絶えるであろう状態で意識が途絶得る直前、茂みの中から一人の少女が現れ一言を告げるの反論して意識を失う。
次に意識を覚ますと知らない天井と裕福そうなベットの上で目を覚ます。
すぐ側には意識を失う直前にいたあの少女がおり、話があると連れて行かれる。
連れていかれた先にはその少女の父親らしき人物がおり、この地の領主であると挨拶を受ける。
話とは主人公が倒れた後にあったことだ。
衛兵は職権乱用、奴隷娼とは裏の名前であり、主人公がいた場所は公には孤児院という事になっており、誘拐や薬物などの罪が出てきて共に拘束され子供達は保護された。
だが、その保護とは一時的なもの。
期間が過ぎれば貧民街に離されるのだが、主人公達は国の必要な書類が無いため、国外からの不法入国者として扱われる。そして、これまでに生きる為とはいえ窃盗等を行った為、それ等の罪に問われる事となる。
そうなれば生活を送る事など不可能だ。
そこで領主から提案を受ける。
国民としての権利証や窃盗による被害額などを肩代わりにする代わりに雇われる事。
子供たちに勉強を受けながら働くのは酷である為、年長者である主人公が領主の娘である彼女の従者として働き、他の子供たちは施設の手伝いをするという提案をされる。
主人公達にとってこれといってない程の提案であり、少し疑いながらも二人のその言葉聞き、従者として雇ってもらう事となり、領主の娘と従者としての話が進んでいく。
そう、夢中に読み進めていると急に白紙のページが続いた。
話としては丁度良くも続きがありそうな終わり方をしていた。
いや、どの物語でも本としてはそこで終わっていたとしてもその世界はそのまま続いていてもおかしくないのだから当たり前か。
だが、三分の一も白紙ってことは途中で終わったとしか思えない。と言うよりここの本は途中で白紙となっている本が多くないだろうか。少々ケチって不良品を沢山取り寄せ他のでは無いだろうか。
それにしてもやはり続きが気になるな、資料室を探せば続きが見つかるだろうか。だけどこの本の隣にあった本も借りたが軽く見た感じこの本の続きでは無いようだし…予想してた通り後半は白紙だった…。
まぁそれでも続きを探してみるのはありだろう。
周囲を見渡すと既にフェルは寝ているのかベットが膨れており明かりが消えていた。
窓の外も夜に老け、白銀に輝く月の明かりが射し込んできていた。
集中して読んでいて暗くなっていることに全く気が付かなかったな…。
それにしても僕の所の照明は誰が付けてくれたのだろうか…。フェルが付けてくれたのだろうか?仕事だとしてもあの人らは明かりをつけてくれる気はしないし。
「ありがとうフェル」
そう小さく呟く。
とりあえず今ちゃんと感謝を伝えないと。そして明日目を覚まして挨拶と一緒に伝えよう。
そう考えながら明かりを消し、今日を終え次の日を迎える為に横になる。




