余波
ハハハ!こんなに長くて大きな章を書いたのは初めてだったけど、完全に失敗作だった。文章を書くのに失敗した。
鉄と灰の味が私の舌の上に重く残っていたが、血管を巡る純然たる、一切の手加減のない憎悪の激流が私の姿勢を堅固に保たせていた。私は指先をアロのボロボロになった制服のジャケットの布地にきつく絡め、彼の死体のような身体を引きずり起こして、その血に染まった、紫色の打撲で腫れ上がった顔を自分の顔からわずか数インチのところまで近づけた。
「解除しなさい」
私は歯の隙間から声を漏らした。先ほどあいつの顎に真っ直ぐ叩き込んだばかりの、生身の暴力によって私の指関節は擦り剥けて血を流していた。
「今すぐディケロスとの接続を断ち切りなさい、アロ。さもないと、神に誓って、1時間目が始まる前に一般社会はお前の死を風変わりな突発事故として記録することになるわよ」
私の背後では、校庭がまるで生きた黙示録的なサーカスと化していた。ランスロットの翡翠と漆黒のロングソードがディケロスの短い鉄の刃と激突するたび、凄まじい速度の衝撃波が放たれ、ひび割れたアスファルトに局所的な地震を引き起こしていた。メインの校舎のコンクリートの支柱には亀裂が入り、すべての窓から砕け散ったガラスが、きらきらと輝く、恐るべき破片の雨となって降り注いでいた。
アロは咳き込み、私の指関節を鮮烈な真紅の血液で汚しながら、彼のあの空っぽだった、黄金色の混ざった瞳が、ついに本物の、死の恐怖の色彩へと歪んでひび割れた。彼は私の下で、完全に崩壊したただのクズのように見えた。
「ディケロス……」
アロは激しく炎上するイチョウの木の猛烈な轟音にかき消されそうなほど弱々しい声で、どうにか言葉を絞り出した。
私はパチパチと瞬きをした。彼の指先が新たな印を結んでいないかを確認するために、ほんの 微細な一瞬だけ私の集中が逸れた。それが、致命的なマイナーな計算違いとなった。
窮地に追い詰められた獣の如き、必死で爆発的なアドレナリンと共に、アロは契約を解除しなかった。代わりに彼は、私の胸に自分の手のひらを暴力的に叩きつけ、残された力のすべてを前方へと投げ出してきた。その予期せぬ突進力に私は完全に不意を突かれ、重心を崩されて後ろのコンクリートの上へとひっくり返された。
「手戻り!」
アロが鋭く、狂乱気味なピッチで絶叫した。
シュゥゥゥーッ!
背後で鳴り響いていた武器同士の激しい連撃の調律が一瞬にして完全に停止した。ディケロスはフェードしていく緑色の光の閃光となってランスロットの間合いから消失し、自分の召喚者のすぐ傍らに顕現した。しかし、そのギリシャの軽鎧を纏った影は剣を抜かなかった。主人の必死の命令に束縛されたディケロスは、自らのな馬――舗装路の上の魔法陣から凄まじい咆哮と共に噴出した、あの恐るべき、青白い幻影の軍馬――を解き放ったのだ。
ランスロットが自身の連動を立て直し、追跡のためにただの一歩を踏み出すよりも早く、ディケロスはアロのボロボロの身体を鞍の上へと掬い上げた。圧倒的な速度の激流と共に、その軍馬は学校の正門のゲートの残骸を突き破り、激しい喘ぎを上げる塵の嵐が落ち着くよりも前に、煙のように遥か彼方へと境界なく融けて消え去った。
「まなか!」
ランスロットの響き渡る重低音が木霊し、彼の甲冑のブーツが石床の上にカランカランと激しい音を立ててこちらへと駆け寄ってきた。
しかし、私の肉体はついに物理的な限界を迎えていた。三連続のタイムリープという凄まじい変位、顎を引き裂かれたあの幻肢痛の如き凄まじい激痛、そして一気に押し寄せてきた膨大なアドレナリンの完全なクラッシュが、私の脳を暴力的に直撃した。世界が激しく傾き、晴れやかだったはずの朝の太陽の光が鈍く灰色に変色し、私は血に染まった舗装路の上に仰向けに大の字になって倒れ込み、そのまま絶対的な暗黒の深淵へと直接突き落とされた。
破壊された校庭から虚空への移行は一瞬だったが、その暗闇は私に平和をもたらしてはくれなかった。代わりに、それは私が10年間の間、必死に心の奥底に封印し続けてきた、砕け散った万華鏡のような記憶の断片を容赦なく紐解いていった。
10年前。
東京の、あの未曾有の大崩壊。私はまだ小さな女の子で、その手は小さく傷一つなく、我が家の匂いが漂う、陽の光に満ちた心地よいリビングルームに座っていた。その時、空は単に暗転しただけではなかった――それは爆発したのだ。何もかもが完全に混沌の中にあった。私は今でも、あの悪夢のような光景、軍勢が入り乱れ、兵士たちが次々と死んでいく様を鮮烈に覚えている。今の私だからこそ理解できる、あの正体不明の恐るべき戦争が、まさに現実に起きていたのだ。私は自分の家族の家の瓦礫の下に横たわり、物理的な重量となって小さな鼓膜を圧迫するような、あの墓場の物言わぬ沈黙を感じていた。私の本物の両親は消え去り、その存在は抹消され、私は完全に、救いようのないほど一人ぼっちだった。私は目を閉じ、冷たい暗闇が自分の最後の息を呑み込むのを待ちながら、自分は地面の塵の中で死ぬ運命なのだと、完全にそれを受け入れていた。
その時、私を押し潰していたコンクリートの塊が持ち上げられた。
一本の手が、その残骸の中に差し伸べられた。それはランスロットのあの優しく賢明な手ではなく、冷徹で、計算高い男の手だった。後に私を養子にする、あの魔術師の手。私の削り取られ、トラウマを負った身体を見つめながら、ニヤリと不敵な笑みを浮かべたあの男。
夢の最中でさえ、鈍く、氷のような拒絶の感情が私の胃袋の奥できつく捩じれ回った。あの時のあの人は、どうしてあんなに嬉しそうにしていたの? 孤児を救い出したことに純粋な慈愛を感じていたから? 違う。魔術世界は、そんな聖なる善意など容認しはしない。あの人が喜んでいたのは、自分が実験を施すための完璧な、真っ白な白紙の被験体を見つけたからだ――基礎の人間にすぎない肉体が、隠された業との契約を強制的に成立させられるかどうかを見極めるための、ただの脆い容器を見つけたからだ。
私は一度だってあの人を愛さなかった。私は父親を憎んでいた。あの人が私の肋骨の真後ろに縛り付けようと企んでいた、あの血生臭い遺産の帳簿のすべてがヘドが出るほど大嫌いだった。
ハッ!
私は身体をガバッと跳ね上げ、激しく胸を上下させながら両目を無理やり見開いた。頭上の天井は漆黒の闇でもなければ、学校の玄関ホールの粉砕されたコンクリートでもなかった。それは、冬夜さんの屋敷の、あの見慣れた優雅な漆喰細工の天井だった。
私はゲスト用のスイートルームのベッドの上に座っており、高級な白檀の石鹸の重々しい香りと、燻る香の匂いが、私の狂乱気味な思考を現実へと繋ぎ止めてくれた。服は部屋着の綺麗なセットに着替えさせられており、目も眩むような朝の太陽の光が窓から穏やかに差し込んでいた。
「ほう、誰かと思えば、ようやく生者の登録簿に復帰する気になったか」
部屋の隅から、平坦で、容赦のない一本調子が静かに漏れ聞こえた。
私は首をパッと振り向いた。クローゼットの近くにあるレザーの椅子に座り、猛烈な偏頭痛を追い払うかのようにこめかみを指で挟んでいるのは、冬夜さんだった。彼のあの白いプラスチックの処刑薬のボトルは、サイドテーブルの上、濃い色の液体が半分ほど残ったガラスのボトルのすぐ傍らに置かれていた。
「冬夜さん……」
私は言葉を詰まらせた。その声は強張り、小さかった。
「私……私、どうやってここに戻ってきたの?」
「ランスロットがお前のその意識不明の、運動神経が完全にゼロの身体を抱えて、3時間前にフロントドアを跨いできたんだよ」
冬夜さんはピシャリと言い放ち、腕を胸の前でききつく組みながら、純然たる怒りの審判に満ちた眼差しを私に投げつけた。
「自分がどれほど無謀で、脳みそを家に忘れてきたような愚行を犯したか分かっているのか、小山クン? 俺は昨日の夜、お前がパニックを起こした瞬間に昼間の安全装置は消え失せるって明確に伝えたはずだぞ。それなのに何をしやがった? 1時間目が始まる直前だって言うのに、敵プレイヤーの孤立した結界の中に正面からダイレクトに迷い込みやがって!」
私が普段から築き上げていた防衛の壁が一瞬にして激しく火花した。
「私が好き好んで結界の中に入り込んだわけじゃないわよ!」
私は言い返し、純然たるコミカルな苦悶から毛布を乱暴に引っ剥がした。
「アロは正門のレンガの壁のところで私を待っていたのよ! 朝早く登校しろって、わざわざ手紙まで書いてよ! 自分の彼氏が、私の首を壁に飾ることを要求する文字通りの怪物に変貌してるなんて、私が最初から予知できるわけないでしょうが!」
「あいつはもうお前の彼氏なんかじゃない、現役の戦闘員だ!」
冬夜さんは絶叫し、その顔を鋭く、呆れ果てたピンク色に染めた。
「それにお前の語彙力は絶対的な自然災害だ! 『手紙』だの『彼氏』だの、お前は超自然の戦争に囚われている素人魔術師なんだよ、壊れた学園ドラマの路線の主人公じゃないんだ! もしお前が最速でランスロットを顕現させていなければ、お前はとっくにディケロスにブチ殺されて、今頃は教職員全員でお前の死亡記事を印刷しているところだぞ!」
「でも、私が片付けたでしょう!?」
私は防衛的に腕を組み返しながら絶叫した。
「私は逃げなかった! 教科書の後ろに身を隠したりもしなかったわよ! あいつにアスファルトの上でタックルをかまして、あの忌々しい術を解除するまで、その顔面を紫色の打撲の山になるまでぶん殴ってやったわよ!」
二人の絶叫の応酬が、突如として静まり返った部屋の中に停滞した。冬夜さんは言葉を止め、激しい偏頭痛からこめかみに手を当てたまま、長い、重々しい沈黙の中で私をじっと見つめ続けた。彼の瞳からコミカルな苛立ちはゆっくりとフェードアウトし、完全に不意を突かれたような、滅多に見せない静かな真剣みがそれに取って代わっていた。
彼は短く、静かなため息を漏らすと、レザーの椅子に深く身体をもたれ掛けさせた。彼の唇の端には、ゆっくりと、人を見下すようなあの冷笑が浮かび上がったが――しかし今回ばかりは、そこには純然たる悪意など微塵も含まれていなかった。
「……ああ」
冬夜さんは静かに呟き、その声を響き渡るバリトンへと落とした。
「確かにお前はやり遂げたな。お前の魔力回路が崩壊する前に何が起きたのか、ランスロットからすべて聞いたよ。認めざるを得ないな、小山クン……遺産すら持たない最低ランクの素人の分際でありながら、逃げることもせず、生身の上半身の暴力であいつの顔面を真っ直ぐにぶん殴ることを選んだのは、実に、驚くほどに大胆な選択だった」
私はパチパチと瞬きをし、完全に困惑し、打ちのめされた衝撃から顎をわずかにアングリと外した。この人……今、私を褒めたの?
「……どういたしまして」
私は盲目的にブツブツと言い、今回は全く異なる理由から顔をカッと赤く染めながら、部屋着の裾を整えた。
冬夜さんは立ち上がり、机の上からあの白いプラスチックのボトルを掴み取った。
「調子に乗るなよ。お前の運動神経は未だにゼロレベルだ。明日からはお前の内なる魔力の火花を完全に最初から始めるからな。今のうちに休んでおけ。闇は迫り、お前の境界線は依然としてゼロなんだからな」
彼の退出を示す寝室のドアのクリック音が響いた瞬間、ゲスト用のスイートルームの重厚な静寂が再び私の骨奥深くに居座った。しかし、私は一人ではなかった。
ベッドの端の近くで、真白な粒子の鋭く、鮮烈な閃光がパチパチと爆発し、板金鎧の重々しい金属音が優しく響く中、ランスロットが部屋の中に顕現した。彼のあの色褪せた紫色のマントが両肩の上に静かに垂れ下がり、バイザーの細い隙間から、その射抜くような眼差しが私の目をロックしていた。
私は彼の頑強で、微動だにしないシルエットを見上げ、突如として深淵な、底知れない感謝の波が胸の中に押し寄せてくるのを感じた。
「ランスロット……」
私は囁いた。その声は壊れそうな、純粋な一本の糸のようだった。
「ありがとう。あの基礎演習のおかげよ……あの場で踏みとどまる方法を、私に教えてくれてありがとう。あなたのおかげで……私は今、現実に生きているわ」
ランスロットは厳かな沈黙を少しの間だけ保った後、彼の深く、響き渡るバリトンが空間を満たした。それは、本物の守護者としての絶対的な重量感を宿していた。
「貴女は鋼鉄が引き抜かれたその瞬間、微塵も躊躇わなかったぞ、まなか」
この伝説の騎士は静かに言葉を返し、自身の剣の柄に手を当てながら、ゆっくりと、敬意に満ちた礼を捧げた。
「貴女は怪物について考えなかった。ただ、動いた。それこそが、我々がこれからも築き上げていくべき土台なのだ」
私は窓の外に目を向け、沈みゆく太陽を見つめながら、長く、呼吸を整える息を吸い込んだ。戦争はすでに私たちのすぐ身近な隣人のところまで侵入しており、私の彼氏は明確な敵に変わり果て、そして明日にはまた、学校という名の現実が私の出席を要求してくる。しかし、毛布を握り締める私の身体を、あの冷たい恐怖が麻痺させることはもう二度となかった。
私はついに、戦い方を学びつつあった。
この章をお読みいただき、ありがとうございました! SodaKun Out ☆!




