まなかが帰ってきた!
いつか必ず自分を変えるわ!そう…この著者は間違いなく嘘つきよ!!でも私はあなたのかわいい人よSodaKun。
胸を押さえ、苦しみに耐える。何かがおかしい。眠っているはずなのに叫びたい。けれど、声が出ない。目を開けたい。なのに、まぶたがまったく動かない。
――何が起きているの?
「はぁっ!」
私は全身を汗でびっしょり濡らしながら飛び起きた。
背中――マナコアのある場所に、鋭い痛みが走っている。
「……何?」
私は戸惑いながら呟く。
夢を見たわけじゃない。私が見たのは――戦いだった。ランスロットが、誰かと戦っている光景。
「何かがおかしい……」
胸騒ぎが止まらない。
「ランスロットは!? まさか、外で戦ってるの!?」
私は慌ててベッドから飛び起きた。
でも、それは最悪の判断かもしれない。もしランスロットが負ければ、私は格好の標的になる。外へ出れば、前の時間軸みたいに殺されるかもしれない。それでも――行くしかない。
私は部屋の扉を開け、そのまま階下へ飛び降りた。
空中に浮かぶタイルが階段のように現れ、私を地面まで導いてくれる。
「急がなきゃ……! 今は考えてる時間なんてない!」
地面に降り立つと同時に、私は玄関へ向かって全力で走り出した。
あまりにも焦っていたせいで、自分の足音が屋敷中に響いていることにも気づかなかった。
「小山様、どちらへ向かわれるのですか?」
突然、パーセリーが姿を現し、私の横を並走しながら尋ねてきた。こんな小さな体で、どうして人間の全力疾走についてこられるのよ……
「説明してる時間はないの! 外へ行く! 東也さんを起こして!」
そう言い残し、私は玄関の扉を勢いよく開けて飛び出した。
靴を履く暇すらなく、裸足のまま夜の街を駆け抜ける。
「まさか……ランスロットが私の命令に背くなんて……」
息が切れる。
立ち止まることなく走り続ける。
だけど、 "反逆"という言葉は違う気がした。きっと私の判断に納得できず、気分転換に外へ出たところを敵に襲われた――そんなところじゃないだろうか。
「お願い……死なないで……!」
一刻も早く辿り着かなきゃ。
「でも……私に何ができるの?」
頭の中で必死に考える。
私はミュトスと戦える魔法なんて知らない。人間の私に、一体何ができる?ランスロットほどの英雄ですら苦戦する相手に、半人前の魔術師でしかない私が何を――。
私は勢いよく首を振った。
「考えるな! 方法は……きっと後で思いつく!」
今は立ち止まって絶望している場合じゃない。何の作戦もなく飛び出してきた以上、進むしかない。死ねばまた時間が巻き戻るかもしれない。それとも、奇跡的に生き残れるかもしれない。
「……っ!」
その考えは甘かった。街は崩壊していた。倒壊した家屋の残骸が至る所に散らばり、地面は血で染まっている。そして――誰かの脳が転がっていた。
「あっ……!」
私は足を滑らせ、その脳の上へ倒れ込んでしまう。
ぐしゃり、と嫌な感触が伝わる。
私は……誰かの脳を踏み潰してしまった。辺りを見渡せば、人間の手足や肉片が無数に散乱している。学校が襲撃された時以上の地獄だった。
「……何、これ」
頭が真っ白になる。
現実を理解できない。
「ひどい……あまりにも……」
もう手に負えない。
政府は何をしているの?戦闘を隔離する結界くらい張れるんじゃないの?どうしてこんな惨状を放置しているの?
「ランスロットを……探さなきゃ」
震える身体を無理やり奮い立たせる。
立ち上がる。
吐きそうだった。ズボンはもう血と汚物で汚れきっている。それでも私は走った。息が続かない。肺が焼けるように痛い。目の前に広がるのは地獄。壊れた街。瓦礫。押し潰された人々。どこまで行っても、その光景は変わらない。
限界だった。足が止まる。これ以上は走れない。
「ランスロット……どこ……?」
声を出すだけでも苦しい。喉は渇ききり、水が欲しくてたまらない。
私は膝に手をつき、乱れた呼吸を必死に整えようとした。
「……やはり、お前を倒すには異世界の遺産が必要か」
その声に、私は顔を上げた。
視界がぼやけている。
それでも、ランスロットの背中だけは見えた。彼の向こうには、赤いコートを着た男が立っている。距離はかなり離れているはずなのに、不思議とその声だけははっきり耳に届いた。
『小山まなかを発見。ソロモンより命令――捕獲を開始』
背後から無機質な機械音声が響く。
「っ!」
私は反射的に振り返った。
「あなた……また……!」
そこにいたのは、前の時間軸で私を殺した、あのゴーレムだった。嫌だ。もう死にたくない。
「来ないで……! 近づかないでって言ってるでしょ!」
意識が霞む。
まぶたが重い。
ここで死ぬわけにはいかない。
「ランスロット……絶対命令よ……!」
私は背中の魔力核に意識を集中させ、全力で叫んだ。
「私のところへ来て――私を守って!!」
その瞬間、視界は闇に包まれた。
私は地面へ倒れ込み、意識を失う……不思議と、温かい。
安心できる。
これが死なの?――違う。
誰かの声が聞こえる。
「決着はまた今度だ、老人。今は召喚者のところへ行ってやれ。」
若い男の声だった。
「感謝しろ。俺がまだ異世界の遺産を使っていなかったから、お前は助かったんだ。」
この章をお読みいただき、ありがとうございました!SodaKun Out ☆!




