表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者たちが帰ってきた!?現代日本に異世界の戦士が現れて大混乱!  作者: SodaKun


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/52

予想外の展開(1)

新たな展開が始まりました。物語は再び動き出します。ヒロインには新たな驚きが待ち受けています!

私はベッドの上に寝転がっていた。

魔法の家の仕組みさえ理解してしまえば、どんな魔法的な異常現象を見ても驚かなくなる。

あの宙に浮かぶ床板の仕組みだってもう分かっている。

上の階へ行きたいなら、行きたい部屋の方向を向いて軽くジャンプするだけ。

すると――魔法。

足元に浮かぶ床板が現れ、それを階段みたいに使って登ればいい。

簡単な話だ……気分は最悪。

もしかして、あの日なのかな……いや、これはすごくプライベートな話だけど。

昼寝なんて普段は絶対しないのに、横になっても冬夜さんとの会話ばかり思い出してしまう。

どうしたらいいんだろう。

時計が四時を回れば、もう夕方だ。


「小山お嬢様! 冬夜様がお昼ご飯をお持ちするようお命じになりました!」


冬夜さんに仕えるハウスエルフが部屋へ入ってきた。

その手には、お盆いっぱいに並べられた見慣れない料理……どうせまた魔法世界由来の料理なんだろう。

私は運ばれてきた料理を見つめる。


「……これは何?」


私はパーセリーに尋ねた。


「とても美味しい料理です! パーセリーが心を込めて作りました!」

「いや……作ってくれたのは分かるけど、料理の名前を聞いてるの」

「フランスでとても有名なお料理です! チョコレート入りローストブレッドです!」


私はほっと息をついた。

本当にフランスで有名なのかは知らないけど……少なくとも普通の食べ物ではある。


「ん……!」


……訂正。

全然普通じゃない。

パンそのものがチョコレートでできていて、焼きたてなのか湯気まで立っている。

焼いたチョコレートパン。


「……少なくとも、顔をしかめずに食べられる料理ではあるか」


私は小さく呟いた。

本当だ。

少なくともゴブリンの肉じゃない……美味しかったのは認めるけど、それでも精神的にはきつい。

パーセリーは料理をベッド脇へ置くと、そのまま部屋を出ようとした。


「待って」


私は呼び止める。


「パーセリー……少しだけ話をしてくれない? 聞きたいことがあるの」

「小山お嬢様のお尋ねには、パーセリーがお答えいたします!」


彼は深々と頭を下げた。

本当に従順だ……いや、人間じゃないから「人」と呼ぶのも変な話だけど。


「パーセリー」


私は口を開く。


「あなたたちエルフやゴブリンみたいな存在って、どうしてこの世界にいるの? 魔術師が何か実験でもした結果なの?」


パーセリーは首を横に振った。


「違います。パーセリーたちは実験で生まれた存在ではありません」

「え?」

「パーセリーも、すべての魔法生物も、一度たりとも地球の住人だったことはありません」

「……えっ!?」


思わず声が裏返る。


「どういうこと?」

「パーセリーたちは皆、魔法世界『ガイア』の住人です。人間が死後、異世界として転生する世界と同じ場所です」

「ま、待って!」


私は慌てて声を上げる。


「つまり、あなたは別世界から来たってこと!?」


頭が追いつかない。


「でも、どうやってこっちへ来たの? 召喚できるのはミュトスだけじゃないの? それも異世界で死んだ後じゃないと駄目なんでしょう?」


パーセリーは申し訳なさそうに耳を伏せた。


「申し訳ありません、小山お嬢様。パーセリーにも、自分がどうやってこの世界へ来たのかは分かりません」


……混乱する。

魔法世界には謎が多すぎる。

彼らは地球の生き物ではなく、ミュトスたちが暮らすガイアの住人。

だからランスロットもゴブリンの肉を平然と食べられたのか。

向こうでは普通の食材なんだ。

いろいろ説明はつく……でも同時に、新しい謎も増えていく。

まるで真っ暗闇の中で、手当たり次第に矢を放って答えを探しているみたいだった。


「そうなると、一つ気になることがあるんだけど」

「何なりとお聞きください、お嬢様」

「パーセリーは、どうして冬夜さんに仕えているの?」

「パーセリーは冬夜様の使用人ではありません」

「……え?」


私は眉をひそめる。


「小山お嬢様。パーセリーは冬夜様に仕えております。ですが、冬夜様だけの使用人ではありません」

「ちょ、ちょっと待って」


頭がこんがらがる。


「余計分からなくなったんだけど」


パーセリーは大きな瞳で私を見つめている……そういえば。

エルフってドライアイになったりしないのかな。

あんなに目が大きかったら、乾燥とか埃が入りやすそうなのに。


「パーセリー、話を難しくしないで」


私は苦笑する。


「混乱しちゃうよ」

「パーセリーは冬夜家に仕える使用人です」


彼は胸に手を当てた。


「命尽きるその日まで、冬夜家にお仕えします」


静かな声が続く。


「パーセリーは昔、人間の狩人に命を狙われました」


彼は少しだけ目を伏せる。


「その時、命を救ってくださったのが冬夜様のお兄様でした。だからパーセリーは一生、この家に恩返しをすると誓ったのです」

「……そうだったんだ」


命を救われた恩。

昔話によくあるような話だ。

助けてもらった命を、生涯をかけて恩人へ返す。

少し悲しくて、でも温かい物語。

突然、パーセリーの顔が歪んだ。


「パーセリーは最低の使用人です!」


涙が一気にあふれ出す。


「十年前の戦争で、本当の主人を守れませんでした!」


そう叫ぶと、彼は泣きながら部屋を飛び出していった。

私は一人になった……いや。

焼きたてのチョコレートパンもいるけど。


「……お腹空いてない」


私はぽつりと呟く。

まだ冬夜さんの決断に納得できない。

私は子どもじゃない。

自分で考えて、自分で決められる。

それに同盟を持ちかけてきたのは、冬夜さんの方だった。

胸が痛む。

アロに会いたい。


「……でも、どうやって?」


そればかり考えてしまう。

どうすれば彼に会えるんだろう。

私は目を閉じた……何だか変だ。

ベッドの上をゴロゴロ転がりながら、アロに会う方法ばかり考えている。


「どうすれば会えるんだろう……冬夜さんもランスロットも、もうアロには会わせないって決めちゃってるし……」


私は頬を膨らませる。

もう。

何で一人でこんな独り言ばっかり言ってるんだろう。

言ったところで何になるっていうの。

魔法少女。

昔はずっと憧れてた。

でも現実は、本当に残酷だ。


「……って、私いったい何考えてるの!?」


私は勢いよく起き上がる。


「なんで私、恋愛漫画のヒロインみたいなことしてるのよ!?」


私は両手で自分の髪をぐしゃっと掴み、思い切り頭を抱えた。

この章をお読みいただき、ありがとうございました!SodaKun ☆!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ